12月2日に香港にて2023スカイランニングアジア選手権が開催されました。SKYULTRAとSKYの2種目で競われた、5回目となるアジア選手権。日本チームは、SKYULTRAの甲斐大貴(Kai Hiroki)枝元香菜子(Edamoto Kanako)、SKYの近江竜之介(Omi Ryunosuke)の3選手が金メダルを獲得。参加国で最多となる8つのメダルを獲得し、アジア最強チームとしての実力を示しました。

サポートメンバーの木村さん撮影

スカイランニングアジア選手権は2015年から香港や日本で開催されている大陸別選手権であり、情勢不安やコロナ禍による中止を経て、今回は2018年以来5年ぶりの開催となりました。開催地は2018年と同様、国際空港が位置する香港・ランタオ島。SKYULTRA(54km/±3240m)SKY(27km/±1922m)の2種目が実施され、アジアトップの座を巡りハイレベルなレースが展開されました。

香港第2の高峰であるランタオ山頂に到達する丸山将真 ©Action Asia Events
2位の小田切(左)と1位の甲斐(中央) ©JSA

SKYULTRA種目。男子は、中盤まで小田切将真(Otagiri Shoma)がトップを独走しましたが、ランタオ山付近の急峻な区間で脱水により失速。2位につけていた甲斐大貴が前に出て、初となるアジア王者のタイトルを獲得しました。小田切は2位でフィニッシュ。終盤に香港のカ・グン・チャン(Ka Keung Chan)と熾烈な3位争いを展開した丸山将真(Maruyama Shoma)は、数秒差で惜しくも4位という結果でした。

(優勝した甲斐のコメント)
スカイランニングアジア選手権優勝できてとても嬉しいです。初めての香港でしたが、気候はとても暖かく街も山も海もあり、とても良い国だなと思いました。レースは階段が多く、苦しみましたが、山が開けていて景色がとても素晴らしかったです。大会自体もとてもアットホームな雰囲気で楽しめました。もっと香港に来て沢山のスカイランニングのレースに参加したいです。ありがとうございました。

笑顔でランタオ山を登る枝元 ©Action Asia Events
1位の枝元(中央)と3位の若林(右) ©Action Asia Events

女子は枝元香菜子が序盤から首位に出て安定した試合運びでそのままゴール。初のアジア女王のタイトルを獲得しました。2位には中盤から順位を上げた香港の実力者であるマン・イー・チュン(Man Yee Cheung)。3位に中盤まで2位だった若林綾(Wakabayashi Aya)が入りました。相原千尋(Aibara Chihiro)も4位と健闘しました。

(優勝した枝元のコメント)
応援ありがとうございました。 アジア選手権優勝は、素直に嬉しいです。亡き父との思い出が沢山ある香港で、また大会10日前に他界した祖父が口にしていた”一等賞”を叶えることができたのは一生の思い出です。予想以上に階段がきつく苦しい場面もありましたが、現地でサポートしてくださった方々、応援してくださった方々、共に頑張るチームメンバーに支えられ、いつも以上の笑顔でゴールすることができました。本当にありがとうございました。 まだまだ課題だらけですが、これからも成長できるように、また少しでもスカイランニングの発展に寄与できるように頑張っていきたいと思います。

トップでかっ飛ばす近江 ©Action Asia Events
2位の笠木(左)と1位の近江(中央) ©JSA

SKY種目。男子は近江竜之介笠木肇(Kasagi Hajime)の20代の若き日本勢がレースをリード。スピードに勝った近江がリードを守り切り、アジア王者となりました。約5分差で2位に笠木がフィニッシュ。3位はネパールのアルジュン・ライ・クルン(Arjun Rai Kulung)。41歳、チーム最年長で挑んだ宮川朋史(Miyagawa Tomofumi)は4位と健闘しました。

(優勝した近江のコメント)
スカイランニングアジア選手権で優勝する事ができ素直に嬉しいです。香港の特徴である石の階段も事前のトレーニングで対策をしていました。レースはスタートからゴールまでプッシュし続けることができ、自分のレースを展開出来ました。また素晴らしい香港の山に戻ってきたいです。

前の選手を追う高村 ©Action Asia Events
2位の高村(左)と3位の楠田(右) ©JSA

女子は、2016アジア選手権の女王である、ネパールのスンマヤ・ブッダ(Sunmaya Budha)が序盤の山岳区間よりリード。2位以下を大きく引き離しての勝利となりました。2位争いは高村貴子(Takamura Takako)楠田涼葉(Kusuda Suzuha)の日本人対決となりました。中盤まで楠田がリードしましたが、最後の下りで攻めた高村が追い越します。そのまま、高村が2位、楠田が3位でフィニッシュしました。今回初のA代表経験の舞台となった佐俣明香莉(Samata Akari)は7位。今後の活躍に期待です。

標高1000m弱の急峻な山々が聳えるランタオ島 ©Action Asia Events

ISF(国際スカイランニング連盟)が主管するアジア選手権をはじめとする大陸別選手権は、隔年開催(世界選手権が実施されない年)となる予定です。次回のアジア選手権は2025年。2年後のアジア選手権・日本代表選手は2024全日本選手権の結果で選出される予定です。


SKY – Bupa Global Lantau 27k
Men’s results
1.Ryunosuke Omi (JPN) – 2h40’45”
2.Kasagi Hajime (JPN) –2h45’25”
3.Arjun Rai Kulung (NEP) – 2h56’20”
4.Miyagawa Tomofumi(JPN)- 3h01’53”

Women’s results
1.Sunmaya Budha (NEP) – 3h07’40”
2.Takako Takamura (JPN) – 3h24’59”
3.Suzuha Kusuda (JPN) – 3h28’48”
7.Akari Samata(JPN)– 3h54’55”

SKYULTRA – Bupa Global Lantau 50k
Men’s results
1.Hiroki Kai (JPN) – 5h43’35”
2.Shoma Otagiri (JPN) – 5h52’04”
3.Ka Keung Chan (HKG) – 6h14’14”
4.Shoma Maruyama (JPN) – 6h14’16”

Women’s results
1.Kanako Edamoto (JPN) – 7h06’52”
2.Man Yee Cheung (HKG) – 7h14’33”
3.Aya Wakabayashi (JPN) – 7h21’46”
4.Chihiro Aibara (JPN) – 7h26’53”

Medal count and country ranking
Race website full results