40代以上のスカイランナーたちの祭典であるマスターズスカイランニング世界選手権が、4月13-14日、ポルトガル・ボウゼラにて開催されました。日本からは9名の選手が「マスターズ日本代表」として参戦。獲得ポイントで競われる団体ではポルトガル・ブラジルに次いで日本は3位となり、銅メダルを獲得しました。

団体銅メダル獲得の日本(右奥)。地元ポルトガルが金メダルで盛り上がった表彰式! 写真:ISF提供 ©DamianoBenedettoPhoto

また、初日に開催されたスカイウルトラ種目において、Over45男子で岡田裕也(Okada Yuya/長野県)が金メダル、Over40男子で薬師寺裕人(Yakushiji Yuto/愛媛県)が銀メダルを獲得。全参加者の最年長である内田正直(Uchida Masanao/SKYNINJA/長野県)含め、全参加選手が完走という素晴らしい成績を残しました!!

見事、O45部門で世界チャンピオンとなった岡田 写真:ISF提供/©DamianoBenedettoPhoto

全体でも7位と大健闘。後半も粘りをみせてOver45世界チャンピオンの座を獲得した岡田は次のように述べています。

岩稜や渡渉が多いハードなコースであるということは見聞きしていましたが、それ以上に難しかったのは慣れない気候の中を走ることでした。30度近くまで気温が上がるものの、日本の夏とは違って汗が滴ることはないので、知らずに脱水が進みます。3月末まで長野の雪の中を走り、まだ暑熱順化のできていない身体が悲鳴をあげていることは、半分を過ぎた30k程から感じ始めました。しかし、チームのみんなや日本から送り出してくれた人たちのことを想うと、どんなに苦しく、痛い時間も、楽しみへと変わりました。自分が進み続けられたのは関係する全ての人のおかげです。人の支えの中で走れる幸せを感じていました。

表彰式での薬師寺、1位はスペインの強豪選手として有名なペレ・アウレルだった 写真:ISF提供/©DamianoBenedettoPhoto

O40銀メダリストの薬師寺は大会参加者の総合でも3位という激走でした。大きな成果を残した海外遠征について、次のようにコメントしています。

おとぎ話に出てきそうなヨーロッパの町並みから続く、美しい稜線と澄みきった青空。最高の環境で、チームメイトの力強い後押しと現地の熱い声援を受けながらの、最高にエキサイティングなレースの体験でした。何にもかえられない、人生の大きな感動と喜びを得たポルトガルの旅だったと思います。 スカイランニングと、繋いでくれたすべての人の縁に、深く感謝です。

表彰式で代表者として団体の銅メダルを授与された内田 写真:ISF提供/©DamianoBenedettoPhoto

チームについて、最年長の65歳、内田正直は次のように述べています。

ポルトガルで行われた2024マスターズ世界選手権に出場してきました。世界各国の選手と闘える貴重な機会を与えていただきまず感謝致します。日の丸を背負う事の誇らしさ、ゴール出来た事で胸がいっぱいになりました。みんなで勝ち取ったメダル。最高でした。みんな完走出来た事が一番嬉しいです。今回の世界選手権のチームJAPANのメンバー最高でした。試走、宿、移動、食事等に常に連絡し合い、励まし合い。アドバイス又、アドバイスいただき、本当に仲間って良いなと改めて感じました。本当に毎日が充実して楽しくて最高だった。完走出来たのは、チームメイトのおかげです。本当にありがとうございました。チームJAPAN最高!ブラボー!

2年連続の参加となった山本 写真:ISF提供/©DamianoBenedettoPhoto

2年連続の参加となり、昨年は途中リタイア、今回は見事に完走。チームのまとめ役としても活躍した山本隆二(Yamamoto Ryuji/The Skywolf/埼玉県)は、ISFのインタビューに対して次のように述べております。

Last year we arrived this close to the bronze medal, but this year we got it for real! The notable thing is that all nine runners who came to the event finished their race, even if the terrain is very technical. We are very proud not only for the medal, but because we proved the high level of the Japanese athletes.”
昨年は銅メダルにかなり近づいていました(※昨年は4位)が、今年は本当に銅メダルを獲得できました! 注目すべき点は、非常にテクニカルな地形にもかかわらず、イベントに参加した9人のランナー全員がレースを完走したことです。 メダル獲得だけでなく、日本選手のレベルの高さを証明できたことを大変誇りに思います。

SKY種目スタート前に円陣を組む 写真:選手提供

マスターズ世界選手権 日本代表選手リザルト

SKYULTRA

M40
1.PERE AURELL(SPAIN)05:48:57
2.YUTO YAKUSHIJI(JAPAN)05:57:52
3.CESAR PICININ(BRAZIL)06:19:21

M45
1.YUYA OKADA(JAPAN)06:27:06
2.FRANCISCO FREITAS(PORTUGAL)06:43:03
3.NELSON AMARAL(PORTUGAL) 06:47:35

M55
1.LEONARDO DIOGO(PORTUGAL)07:22:58
2.ADOLFO FERNANDEZ(SPAIN) 07:51:23
3.VLADIMÍR FABUŠ(SLOVAKIA) 08:02:59
6.YOSHIHIRO NAKAGAWA(JAPAN) 09:12:26

SKY

F50
1.ANNA STRAKOVA(CZECH REPUBLIC)04:28:35
2.ANGELIKA ECKL(ITALY) 04:50:31
3.ANA NASCIMENTO(PORTUGAL) 06:40:12
4.TOMOMI HIROTA(JAPAN)06:50:57

M40
1.CARLOS CIPRES(SPAIN)03:41:29
2.FCO. PASTOR(SPAIN) 03:41:29
3.LUCA ARRIGONI(ITALY) 03:48:47
6.KENICHI KUTSUKAKE(JAPAN) 04:22:32

M50
1.ÉLIO AVEIRO(PORTUGAL) 04:14:59
2.FRANCISCO BOMBARELY(SPAIN) 04:24:56
3.MARCOLINO VERÍSSIMO(PORTUGAL) 04:32:31
7.KAZUHIRO HATTORI(JAPAN)04:52:46

M55
1.MARKUS STOCK(AUSTRIA)04:20:04
2.PETRE DRAGOMIR(ROMANIA)04:34:10
3.AMÉRICO PEREIRA(PORTUGAL) 04:36:08
7.RYUJI YAMAMOTO(JAPAN) 05:05:04
10.HIDEKI MISAWA(JAPAN)05:54:08
11.MASANAO UCHIDA(JAPAN)06:32:08


全選手リザルト

Zela SkyRace® results

Medal count

スタート前日、受付後にスタート地点で集合写真 写真:選手提供

40歳以上の年長者スカイランナーの祭典であるマスターズ世界選手権は、23歳以下のユース世界選手権と同様、毎年開催される予定です。日本代表は前年の全日本選手権・エリート部門の完走者から選出されます(今年の全日本はSKYULTRAは「志賀高原」、SKYは「びわ湖」で開催されます)。今回の日本代表の活躍については日本国内で大きな反響があり、これは生涯スポーツとしてのスカイランニングが大きく支持されていることを明らかにしました。近い将来、日本でもマスターズ世界選手権が開催できるよう、JSAとしても前向きに検討していきたいと考えております。

2024マスターズ世界選手権 日本代表

ISFニュース(Portugal, Brazil and Japan top the country ranking)