雪不足が心配されたが3月の大雪のため最高の条件となった嬬恋 ©嬬恋スカイラン

4月8-9日(土-日)に群馬県嬬恋村パルコール嬬恋リゾートで2024全日本スカイスノー選手権大会(嬬恋スカイランSKYSNOW)が開催されました。スカイスノーはマイクロクランポンを装着して雪の山岳を駆ける、高所山岳を原点とするスカイランニングを体現する冬季種目として2020年にISFルールに加えられました。日本では嬬恋にて2021年よりJSAが主管する競技会が開催され、全日本選手権としては今回で3回目の開催となります。

夏季・冬季の両バーティカルを制した沢田 ©嬬恋スカイラン
男子は日本代表組(左から中嶋・宮川・小幡)がメダルを獲得 ©嬬恋スカイラン
女子の優勝争いは沢田(中央)と小林(左)の一騎打ちだった ©嬬恋スカイラン

1日目のバーティカルは3.5km標高差610m上昇、トップの標高は2100mというコース設定。前日の悪天候が噓のような好天に恵まれ、選手たちは寒さを感じることなく雪の斜面を駆け登りました。男子では宮川朋史(Miyagawa Tomofumi/福井県)、女子では沢田愛里(Sawada Airi/北海道)が全日本チャンピオンの栄冠を勝ち取りました。両者ともに全日本スカイスノー選手権では初優勝。沢田は2023全日本スカイランニング選手権のバーティカルでも優勝しており、夏季・冬季の両バーティカル種目を制しました。男子2位は中嶋純太(Nakajima Junta/新潟)、男子3位は小幡利春(Obata Toshiharu/新潟)と新潟勢が上位に入りました。女子2位は小林華蓮(Kobayashi Karen/長野)、女子3位は大掛柚奈(Ogake Yuna/愛知県)のユース世代の若手選手が入りました。23歳以下のユース部門では男子は山岸大志(Yamagishi Taishi/神奈川)、女子は小林華蓮(Kobayashi Karen/長野)が優勝しました。

総合男子
1.宮川朋史(福井) 0:33:29
2.中嶋純太(新潟/Echigo sky club) 0:34:34
3.小幡利春(新潟/Echigo sky club) 0:36:01
総合女子
1.沢田愛里(北海道) 0:41:58
2.小林華蓮(長野) 0:42:14
3.大掛柚奈(愛知) 0:42:38

ユース男子
1.山岸大志(神奈川/Zushi skyrunners) 0:38:21
2.田中大輝(福井) 0:38:42
3.日下泰造(群馬/Kiryu sky 481) 0:39:42
ユース女子
1.小林華蓮(長野) 0:42:14
2.大掛柚奈(愛知) 0:42:38
3.山田柚野(長野) 0:42:44

全リザルト

男女ともに接戦の上位争いとなった ©嬬恋スカイラン
男子トップ3は新潟(ECHIGO SKYCLUB)勢が独占! ©嬬恋スカイラン
女子トップ3は高校生が独占! ©嬬恋スカイラン

2日目のバーティカルは10km標高差±900m上昇というコース設定。標高2050m地点のエイドのチョコレートが溶けてしまうほどの強い日差しと照り返しの中、選手たちは白銀のスロープを駆けました。男子では石田寛雄(Ishida Hiroo/新潟県)、女子では大掛莉奈(Ogake Rina/愛知県)が全日本チャンピオンの栄冠を勝ち取りました。バーティカルの宮川と沢田同様、両者ともに全日本スカイスノー選手権では初優勝。石田は悲願の全日本メダル獲得。4月から高校1年生の大掛はスカイランニング競技における最年少の全日本チャンピオンとなりました。男子2位は中嶋純太(Nakajima Junta/新潟県)、男子3位は貝瀬淳(Kaise Jun/新潟県)と新潟勢が上位を独占。女子2位は大掛柚奈(Ogake Yuna/愛知県)、女子3位は小幡莉子(Obata Riko/新潟県)とユース世代の高校生が上位を独占。23歳以下のユース部門では男子は山岸大志(Yamagishi Taishi/神奈川県)、女子は大掛莉奈(Ogake Rina/愛知県)が優勝しました。

総合男子
1.石田寛雄(新潟/Echigo sky club) 1:06:33
2.中嶋純太(新潟/Echigo sky club) 1:07:01
3.貝瀬淳(新潟/Echigo sky club) 1:07:43
総合女子
1.大掛莉奈(愛知) 1:22:28
2.大掛柚奈(愛知) 1:23:55
3.小幡莉子(新潟/Echigo sky club) 1:24:14

ユース男子
1.山岸大志(神奈川/Zushi skyrunners) 1:13:12
2.石川万太(神奈川/Zushi skyrunners) 1:15:37
3.日下泰造(群馬/Kiryu sky 481) 1:17:37
ユース女子
1.大掛莉奈(愛知) 1:22:28
2.大掛柚奈(愛知) 1:23:55
3.小幡莉子(新潟/Echigo sky club) 1:24:14

全リザルト

バーティカルとクラシックの2種目の合計獲得ポイントで競うコンバインド(複合)では中嶋純太(Nakajima Junta/新潟県)大掛柚奈(Ogake Yuna/愛知県)が金メダルを獲得しました。23歳以下のユース部門では男子は山岸大志(Yamagishi Taishi/神奈川県)、女子は大掛柚奈(Ogake Yuna/愛知県)が優勝しました。

コンバインド男子優勝の中嶋(左)と2位の石田(右)が健闘を讃え合う ©嬬恋スカイラン
コンバインド女子優勝の大掛柚奈 ©嬬恋スカイラン
男子ユース世代で完全勝利の山岸大志 ©嬬恋スカイラン

総合男子
1.中嶋 純太(新潟県/Echigo sky club)176pt
2.石田 寛雄(新潟県/Echigo sky club)172pt
3.宮川 朋史(福井県)172pt
女子総合
1.大掛 柚奈(愛知県)166pt
2.大掛 莉奈(愛知県)164pt
3.小林 華蓮(長野県)156pt

ユース男子
1.山岸 大志(神奈川県/Zushi skyrunners)132pt
2.日下 泰造(群馬県/Kiryu sky 481)100pt
3.田中 大輝(福井県)100pt
ユース女子
1.大掛 柚奈(愛知県)166pt
2.大掛 莉奈(愛知県)164pt
3.小林 華蓮(長野県)156pt

※同点の場合はCLASSIC上位者が上位

全リザルト

チームではECHIGO SKYCLUB(新潟)、SKYINNJA(長野・群馬)、Zushi skyrunners(神奈川)がメダルを獲得しました。

1. ECHIGO SKY CLUB(新潟)650pt
2. SKYNINJA(長野・群馬)362pt
3. Zushi Skyrunners(神奈川)192pt
4. Kiryu Sky 481(群馬)100pt

全リザルト

キッズレース。未来のスノーランナーたち ©嬬恋スカイラン

スカイスノーをはじめとする、雪上ランニングのイベントは本場の欧州と比べると日本では数少ない状況です。これは自然条件が異なるというよりは、ハイクアップが可能なスキー場等がほとんどないという人的要因が大きく作用しているといえます。この状況が変われば、欧州のような環境に近づくことは可能でしょう。スカイランニングの舞台となる山岳には1年の半分は雪が積もっているものです。雪上を駆ける楽しさは、山岳スポーツを楽しむマインドやスキルアップに直結します。2025シーズンはさらに多くのスカイランナーが集うことを願っております!!