2016SKY頂上決戦!!

9月4日、山形県山形市にて2016日本選手権「ZAO SKYRUNNING」の2日目の種目である蔵王スカイレースが開催されました。前日に開催されたバーティカルレースと同様にJAPANシリーズ第4戦であるとともに、12月に香港で開催される2016アジア選手権の代表選考会も兼ねています。温泉街の中心をスタートして樹氷で名高いスキースロープを駆け登り、蔵王山の火口湖であるお釜を眺める馬の背や最高峰である熊野岳(1841m)を経由して温泉街に戻ってくる、距離22km±1450m。「街の中心から最高峰まで駆け登り駆け下る」というスカイランニングの哲学を体現し、なおかつ、ロープウェー沿いであるため観戦や安全のための運営も容易なコース設定です。

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男子は上位3名による大接戦となりました。序盤の登りでは富士登山競走2連覇中の松本翔(Sho Matsumoto)が後続を2分ほどリードして地蔵山頂駅を通過。しかし、数分差で松本を追う2位の吉原稔(Minoru Yoshihara)と3位の藤飛翔(Tsubasa Fuji)の若手2名が中盤のテクニカルな岩場の区間で松本との差を詰め、標高差1000mのダウンヒルでリードしました。しかし、最後の約150mの標高差の登り坂で松本が底力を発揮して再びリード。僅差で逃げ切り、2016日本選手権王者のタイトルを獲得しました。2位には吉原、3位には藤、富士登山競走の王者に迫って善戦した20代前半の若きスカイランナーが続きました。

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女子はユース世界選手権2位の実力者である高村貴子(Takako Takamura)が序盤から首位をキープして、最終的には2位以下を10分以上引き離しての圧勝。7月に初の世界戦を経験して、ひとまわり成長した姿をみせてくれました。2位には経ヶ岳で4位だった桑原絵理(Eri Kuwabara)、3位には韓国チームのパク・スジ(Sooji Park)が善戦してランクインしました。

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若い選手の台頭が目立った2016日本選手権の蔵王スカイレース。世界基準のスピード・パワー・テクニックの総合力が試されるコース設定であります。同時に、救護体制、スタートエリアの仕切り方、装飾や演出においても、日本で唯一といえる世界レベルの質を誇っているといっても過言ではないでしょう。日本国内の大会オーガナイザーや関係者にも視察していただきたい大会であるといえます。2017アジア選手権の誘致を掲げる「ZAO SKYRUNNING」。今後、日本・アジアを代表するスカイランニングレースとなることが大いに期待されます。

蔵王スカイレース上位リザルト

男子トップ5
1 松本翔 / Sho Matsumoto 2:03:17
2 吉原稔 / Minoru Yoshihara 2:04:28
3 藤飛翔 / Tsubasa Fuji 2:05:34
4 牛田美樹 / Miki Ushida (inov-8) 2:06:03
5 和田優一 / Yuichi Wada 2:06:36

女子トップ5
1 高村貴子 / Takako Takamura (Dynafit) 2:32:08
2 桑原絵理 / Eri Kuwabara 2:42:59
3 Sooji Park (Salomon) 2:47:58
4 長谷川香奈子 / Kanako Hasegawa (Dynafit) 2:51:12
5 折戸小百合 / Sayuri Orito 2:53:03

SKYシリーズ 暫定順位

男子トップ3
1 秋元佑介 / Yusuke Akimoto(第一空挺団) 244ポイント
2 藤 飛翔 / Tsubasa Fuji 228ポイント
2 牛田美樹 / Miki Ushida (inov-8) 228ポイント

女子トップ3
1 折戸小百合 / Sayuri Orito 228ポイント
2 岩楯志帆 / Shiho Iwadate(Dynafit) 208ポイント
3 早川由香里 / Yukari Hayakawa(Inov-8) 196ポイント

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