11月19日(日)に滋賀県大津市で2023 Skyrunner® Japan Series(SJS)の最終戦が開催されました。対象となったびわ湖バレイスカイラン・スカイレースは距離22km、累積標高差2200mの西日本屈指の急峻な山岳コースです。過去2戦を戦ってきた上位選手が集結した、真のフィニッシュとなる最終戦。結果として、暫定ランキング上位につけていた笠木肇(Kasagi Hajime/東京都)楠田涼葉(Kusuda Suzuha/大阪府/TEAM☆SKY KYOTO)がレースで勝利し、なおかつ、2023シリーズチャンピオンの栄冠も手にしました。

爽快な蓬莱山(比良山系)の稜線 ©びわ湖バレイスカイラン:佐野誠二

Skyrunner® Japan Series は全3戦開催されるスカイ/スカイウルトラ種目の国内サーキットであり、2023年は全3戦の獲得ポイントで年間ランキングが決定します。各国で開催されるナショナルシリーズのひとつであり、世界ランキング(ISFランキング)に結果が反映される、世界とつながる公式レースです。レース前日は山頂付近は強風で大荒れとなりましたが、レース当日は雲一つない快晴となり、絶好のスカイランニング日和となりました。

一斉スタートするエリート選手達。黄色はスペシャルゼッケン ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
中盤からトップに立った笠木 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
最終戦を見事勝利で飾った楠田 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

男子は序盤は前日のバーティカルで優勝した乾碩(Inui Suguru/埼玉県)がリードする展開に。しかし、連戦となった乾は2度目の急峻な登りで力尽き、後続の笠木らが順位を上げます。最後は笠木と市毛富士雄(Ichige Fujio/兵庫県)の同世代の一騎打ちとなりましたが、笠木がリードを守り優勝。SJS公式戦初勝利と同時にSJSチャンピオンのタイトルを獲得しました。2位には笠木から36秒差で市毛がフィニッシュ。3位にはトップと1分20秒差で宮川朋史(Miyagawa Tomofumi/福井県)が入りました。

2位と健闘した市毛 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
40代の意地を見せた宮川 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

女子は序盤からトップに立った楠田涼葉がリードを守り、相性の良い「びわ湖」で連覇を達成。笠木同様に、2023SJS公式戦初勝利で、シリーズチャンピオンのタイトルを勝ち取りました。2位には、12月にアジア選手権を控えた枝元香菜子(Edamoto Kanako/石川県)が安定した走りで、楠田から+7分でフィニッシュ。3位にはシリーズ上位トップ3に食い込んできた齋藤磨実(Saito Mami/神奈川県)が入り、シリーズランキング3位を確定させました。

スピード強化の一環として出場。2位になった枝元 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
最終レースで3位に入り、シリーズ3位となった齋藤 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

SJS最終戦「びわ湖」トップ10

MEN
1.笠木 肇(東京)02:30:02
2.市毛 富士雄(兵庫)02:30:38
3.宮川 朋史(福井)02:31:22
4.三浦 裕一(神奈川)02:36:41
5.小幡 利春(ECHIGO SKY CLUB/新潟県)02:39:46
6.岡 翔琉(TEAM☆SKY KYOTO/大阪)02:41:04
7.乾 碩(埼玉県)02:43:21
8.山口 大河(東京都)02:43:22
9.竹原 直矢(SC丹沢秦野/神奈川)02:49:58
10.沖本 聖射(東京)02:55:23

WOMEN
1.楠田 涼葉(TEAM☆SKY KYOTO/大阪) 03:04:33
2.枝元 香菜子(石川)03:11:40
3.齋籐 磨実(神奈川)03:20:35
4.若林 綾(TEAM☆SKY KYOTO/大阪)03:24:45
5.岩楯 志帆(The Skywolf/東京) 03:29:15
6.宮坂 康子(守屋山快速登山クラブ/長野)03:33:08
7.相原 千尋(香川県)03:41:05

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コースレコード
男子/MEN   上田 瑠偉 2:13:28 (2019) 
女子/WOMEN  秋山 穂乃果 2:49:12 (2021)

2023 SJS ランキング

男子総合トップ10 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
女子総合トップ10 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

笠木肇はSNS初勝利。楠田涼葉はSJS2連覇を達成。男女総合トップ10は以下の通りです。

2023 SJS 個人総合トップ10

WOMEN
1 楠田 涼葉(TEAM☆SKY KYOTO/大阪府)316pt
2 岩楯 志帆(The Skywolf/東京都)274pt
3 齋藤 磨実(神奈川県)269pt
4 相原 千尋(香川県)226pt
5 枝元 香菜子(石川県)210pt
6 宮坂 康子(守屋山快速登山クラブ/長野県)208pt
7 清水 明子(古賀志山快速登山部/栃木県)112pt
8 若林 綾(TEAM☆SKY KYOTO/大阪府)108pt
9 黒川 芳恵(古賀志山快速登山部/栃木県)104pt
10 秋山 穂乃果(長野県)100pt

MEN
1 笠木 肇(東京都)316pt
2 宮川 朋史(福井県)281pt
3 小幡 利春(ECHIGO SKY CLUB/新潟県)268pt
4 竹原 直矢(SC丹沢秦野/神奈川県)198pt
5 山口 大河(TEAM☆SKY KYOTO/京都府)184pt
6 沖本 聖射(東京都)180pt
7 三浦 裕一(神奈川県)176pt
8 向井 孝次(愛知県)146pt
9 市毛 富士雄(TEAM☆SKY KYOTO/兵庫県)132pt
10 清田 広輝(SC丹沢秦野/神奈川県)122pt

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マスターズチャンピオン&総合チャンピオン ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
生涯現役!。O64優勝の内田 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
信州勢の強さはここにあり。O56優勝の宮坂 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
山が好きな気持ちはいつまでも変わらない。O56チャンピオンの山本 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
完全復活。若者の壁になり続ける。O48優勝の岩楯 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
SJSは春から秋まで続く長い長いひとつのレースだ。O48チャンピオンの川崎 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

40代以上のマスターズランキングでは、64歳以上の内田正直(Uchida Masanao/長野県/SKYNINJA)はじめ、以下のベテランスカイランナー達がチャンピオンビブを獲得しました。

2023 SJS マスターズチャンピオン
O64M 内田 正直(SKYNINJA/長野県)350pt
O56W 宮坂 康子(守屋山快速登山クラブ/長野県)350pt
O56M 山本 隆二 The Skywolf 埼玉県 295p
O48W 岩楯 志帆(The Skywolf/東京都)350pt
O48M 川崎 義孝(SKYNINJA/群馬県)332pt
O40W 齋藤 磨実(神奈川県)350pt
O40M 宮川 朋史(福井県)328pt

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トップ3チーム ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
関西を中心に若手選手の育成を進める京都。写真は岡 ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

全3戦の獲得ポイントで競うチームランキング(団体)では楠田涼葉ら強豪選手を抱えるTEAM☆SKY KYOTO(京都府)がSJS初優勝。2位には昨年2位のSC丹沢秦野(神奈川県)、3位にはTHE SKYWOLF(東京都)が入りました。

2023SJS チームランキング
1 TEAM☆SKY KYOTO 340 pt
2 SC丹沢秦野 310 pt
3 The Skywolf 275 pt
4 ECHIGO SKY CLUB 200 pt
5 古賀志山快速登山部 200 pt
6 守屋山快速登山クラブ 185 pt
7 SKYNINJA 185 pt
8 Kiryu Sky 481 70 pt
9 SKY DEMON 65 pt
10 富士空界-Fuji SKY- 30 pt
11 BukkaSkyClub 20 pt

共に同じスタート地点に立った仲間たち ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野
コンプリートも立派なチャンピオン! ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二
DNFしても、全てのスタート地点に立った選手もいる! ©びわ湖バレイスカイラン/撮影:佐野誠二

上田・嬬恋・びわ湖の全3レースを時間内完走(コンプリート)した選手に贈られる『ミスター/ミススカイランニング』。以下の23名のスカイランナーたちが称号を手にしました。今年は例年より少ない3レースであるとはいえ、個性異なる山々を全て攻略した快挙は素晴らしい!おめでとうございます!

ミスター&ミススカイランニング
岩楯 志帆(The Skywolf/東京都)
楠田 涼葉(TEAM☆SKY KYOTO/大阪府)
齋藤 磨実(神奈川県)
相原 千尋(香川県)
宮坂 康子(守屋山快速登山クラブ/長野県)
小幡 利春(ECHIGO SKY CLUB/新潟県)
笠木 肇(東京都)
宮川 朋史(福井県)
竹原 直矢(SC丹沢秦野/神奈川県)
沖本 聖射(東京都)
向井 孝次(愛知県)
川崎 義孝(SKYNINJA/群馬県)
清田 広輝(SC丹沢秦野/神奈川県)
茂木 敬史(The Skywolf/東京都)
村井 理利(TEAM☆SKY KYOTO/大阪府)
岡部 泉太郎(埼玉県)
ルブラス エルワン(SC丹沢秦野/神奈川県)
西山 真一(千葉県)
山口 真一(新潟県)
今田 猶紀(守屋山快速登山クラブ/長野県)
山本 隆二(The Skywolf/埼玉県)
野田 洋一(守屋山快速登山クラブ/長野県)
内田 正直(SKYNINJA/長野県)

2024 SJS 予告

ISF認定コースのみ、全3戦での実施となった2023SJSは多くの関係者の皆様のご尽力あり成功裏に終えることができました。各大会を支えてくださったスタッフの皆様、JSAパートナーの皆様、そして、熱い情熱をもってスタート地点に立ったスカイランナー達に心より御礼申し上げます。2015年のプレシーズンから数えて10年目となる2024シーズンは、新たなレースを加えバージョンアップして実施する予定です。2024SJSカレンダーの発表は2024年2月1日を予定しています。日本各地に聳える美しい山々。その「頂」を目指す精神を胸に。2024年も駆け登っていきましょう。Less cloud.more sky!!

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