9月9-11日の3日間に渡ってイタリア・ピエモンテ州オッソラで開催された2022スカイランニング世界選手権の結果をお知らせします。13名の選手が出場した日本チームはVERTICAL・SKYULTRA・SKYの3種目の合計ポイントで競われる国別団体(チームランキング)で3位となり2016年以来2回目となる銅メダルを獲得しました。また、最終日のSKY種目では上田瑠偉(Ueda Ruy)3位に入り個人でも銅メダルを獲得(2大会連続のメダル獲得)。また、VERTICALとSKYの複合であるコンバインドで上田は2位となり銀メダルを獲得しました。

SKY3位の上田 撮影:丸山将真/JSA
国別団体ではイタリア・スペインに次いで3位! 撮影:丸山将真/JSA

2年に1度開催される最高峰競技会であるスカイランニング世界選手権にはISFに加盟する各国団体が組織するナショナルチームのメンバーのみが参加できます。日本はチームとして2014年フランス・シャモニー大会より連続して参加しています(JSA設立が2013年なのでその翌年から参加)。今回は5回目の参加となりましたが、過去最多の35カ国がスカイランニング発祥の国であるイタリア・オッソラに集結しました。以下では3日間に渡る熱戦を振り返っていきます。

にぎやかな開会セレモニー 撮影:松本大/JSA

1日目 バーティカル VERTICAL
3.8km/+1063m

9月9日に開催されたVERTICAL距離3.8km、標高差1063mのスキー場のゲレンデや尾根を駆け登るレース。 男子ではアメリカの新鋭であるジョセフ・デムーア(Joseph DeMoor)が優勝。 女子はスイスのモード・マシス(Maude Mathys)が僅差を制して優勝。”ほぼ同着”の0.35秒差でフランスのクリステル・デワル(Christel Dewalle)が続きました。日本勢、男子は上田瑠偉がトップから約2分差の7位、近江竜之介が10位、宮川朋史が26位。女子は吉住友里がトップから7分以上の差の11位、上田絢加が17位、楠田涼葉が19位でした。

男子7位の上田 撮影:丸山将真/JSA
男子10位の近江 撮影:丸山将真/JSA
女子11位の吉住  撮影:丸山将真/JSA
女子17位の上田 撮影:丸山将真/JSA
女子19位の楠田  撮影:丸山将真/JSA
男子26位の宮川  撮影:丸山将真/JSA
フィニッシュ地点にて 撮影:丸山将真/JSA

2日目 スカイウルトラ SKYULTRA
57.8km/±3508m

9月10日に開催されたSKYULTRA距離57.8km、累積標高差3508m。麓の集落から標高約3000mの高所に位置する山小屋まで駆け登り駆け下るコース設定です。 男子はイタリアのクリスティアン・ミノッジョ(Cristian Minoggio)“が2位に35分差をつける圧巻のレース展開で優勝。 女子はイタリアのジウディッタ・トゥリーニ(Giuditta Turini)が優勝。この種目は開催地イタリア勢のアベック優勝となりました。日本勢、男子は甲斐大貴がトップから約1時間差の11位、小田切将真が16位、宮川朋史が22位。女子は若林綾がトップから約70分の差の13位、枝元香菜子が16位、星野由香理が18位でした。

男子11位の甲斐 撮影:丸山将真/JSA
女子11位の若林 撮影:丸山将真/JSA
男子16位の小田切  撮影:丸山将真/JSA
女子16位の枝元  撮影:丸山将真/JSA
女子18位の星野  撮影:丸山将真/JSA
男子22位の宮川  撮影:丸山将真/JSA
フィニッシュ地点にて 撮影:丸山将真/JSA

3日目 スカイ SKY
31km/±2600m

9月11日に開催されたSKY距離31km、累積標高差2600m。アルプストレッキングの基地である集落をスタート・フィニッシュ地点とし、最高地点はスイスとの国境に位置するチーマ・デル・ロッソ山の主稜線というコース設定です。 男子はイタリアのロベルト・デロレンツィ(Roberto Delorenzi、女子はルーマニアのデニサ・ドラゴミル(Denisa Dragomir)がそれぞれ序盤からリードして優勝。日本勢では、序盤より上位につけていた上田瑠偉が見事3位でフィニッシュし2大会連続の個人メダルとなる銅メダルを獲得。近江竜之介は5位と健闘。女子は、高村貴子が終盤で巻き返して5位と健闘。秋山穂乃果は13位、上田絢加は15位でした。

男子SKY表彰式 撮影:丸山将真/JSA
男子3位の上田  撮影:宮川朋史/JSA
女子5位の高村  撮影:宮川朋史/JSA
男子5位の近江  撮影:宮川朋史/JSA
女子13位の秋山  撮影:宮川朋史/JSA
 女子15位の上田  撮影:宮川朋史/JSA
フィニッシュ地点にて 撮影:丸山将真/JSA

バーティカルとスカイの2種目の総合成績で競われるコンバインド(複合)では、男子はバーティカル8位とスカイ1位のスイスのロベルト・デロレンツィ、女子はバーティカル7位とスカイ4位のチェコのバルボラ・マクロバ(Barbora Macurova)が金メダルを獲得。日本勢では、バーティカル7位とスカイ3位の上田瑠偉が2位となり銀メダルを獲得しました。また、3種目の合計獲得ポイントで競われる国別団体(チームランキング)では日本は、イタリア、スペインに次いで3位となりました。これは2016年大会以来、2度目の快挙であります。

目標の3位以内を達成 撮影:丸山将真/JSA

各種目の成績

VERTICAL 女子
1.モード・マシス Maude MATHYS (SUI) 40’50″49
2.クリステル・デワル Christel DEWALLE (FRA) 40’50″84
3.アレッサンドラ・シュミット Alessandra SCHMID (SUI) 44’01″44
11.吉住友里 Yuri YOSHIZUMI (JPN) 48:26
17.上田絢加 Ayaka UEDA (JPN) 51:46
19.楠田涼葉 Suzuha KUSUDA (JPN) 52:35

VERTICAL 男子
1.ジョセフ・デムーア Joseph DEMOOR (USA) 37’07″83
2.マルセロ・ウガジオ Marcello UGAZIO (ITA) 37’12″25
3.アレックス・オバーバッハー Alex OBERBACHER (ITA) 37’24″84
7.上田瑠偉 Ruy UEDA (JPN) 39:11
10.近江竜之介 Ryunosuke OMI (JPN) 39:44
26.宮川朋史 Tomofumi MIYAGAWA (JPN) 43:02


SKYULTRA女子
1.ジウディッタ・トゥリーニ Giuditta TURINI (ITA) 6h49’59”
2.ジェマ・アレナス Gemma ARENAS (ESP) 7h04’56”
3.サンドラ・セビジャーノ Sandra SEVILLANO (ESP) 7h05’25”
13.若林綾 Aya WAKABAYASHI (JPN) 8:00:26
16.枝元香菜子 Kanako EDAMOTO (JPN) 8:16:40
18.星野由香理 Yukari HOSHINO (JPN) 8:17:41

SKYULTRA男子
1.クリスティアン・ミノッジョ Cristian MINOGGIO (ITA) 5h28’25”
2.ブレイク・ターナー Blake TURNER (AUS) 6h04’46”
3.アレハンドロ・マイヨール Alejandro MAYOR (ESP) 6h05’23”
11.甲斐大貴 Hiroki KAI 6:30:05
16.小田切将真 Shoma OTAGIRI 6:46:59
22.宮川朋史 Tomofumi MIYAGAWA 6:55:17


SKY女子
1.デニサ・ドラゴミル Denisa DRAGOMIR (ROU) 3h29’51”
2.パトリシア・ピネダ Patricia PINEDA (ESP) 3h33’47”
3.マルティナ・クメラート Martina CUMERLATO (ITA) 3h35’58”
5.高村貴子 Takako TAKAMURA (JPN) 3:39:17
13.秋山穂乃果 Honoka AKIYAMA (JPN) 3:55:42
15.上田絢加 Ayaka UEDA (JPN) 4:02:16

SKY男子
1.ロベルト・デロレンツィ Roberto DELORENZI (SUI) 2h51’13”
2.フレデリック・トランシャン Frédéric TRANCHAND (FRA) 2h52’09”
3.上田瑠偉 Ruy UEDA (JPN) 2h53’12”
5.近江竜之介 Ryunosuke OMI 3:02:56

ISFニュース

VERTICAL USA and Switzerland take the gold at the VERTICAL World Champs – by a split second

SKYULTRA Italy and Spain dominate the SKYULTRA and Australia bags a silver at the World Champs

SKY Today, the SKY. 2022 Skyrunning World Champs conclude with 35 countries and a shower of medals and titles

2022 skyrunning world championships

世界選手権基金

日本代表選手たちの自己負担軽減のために9月末まで実施します。今回の日本選手団の活躍への報償として。また、今後の日本チームの活躍を願う気持ちとして、ご協力をよろしくお願いいたします。

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