8月6日(日)、イタリア・グランサッソにてユーススカイランニング世界選手権の2つ目の種目であるスカイが実施されました。4つの年代別部門のうち、U23とYouthCは23km/±2226mのスカイレース、YouthBとYouthAは13km/±1300mのショートコースが設定されました。YouthA女子の小幡莉子(Obata Riko/新潟)が3位、YouthA男子の岸本莞爾(Kishimoto Kanji/長野)が3位に入賞。バーティカルとスカイの2種目の総合で競われる複合(コンバインド)では、小幡が2位、岸本小林華蓮(Kobayashi Karen/長野)が3位となりました。また、日本チームはユース史上初の団体3位となりました。

2023ユース世界選手権日本代表

ISF公式ハイライト映像
テクニカルなスカイレースの核心部 ©JSA

グランサッソスカイレースは元来イタリアのローカルなスカイランニング大会でしたが、2016年の第1回ユース世界選手権の開催地になってから世界の若者が集う場としてその名を知られるようになりました。2016・2017・2019・2021年に開催されており、今回で5回目のユース世界選手権となります(ISFとしては2年に1度はグランサッソで開催していく意向)。標高2000m級の区間が長く、標高差1000mのロープウェイもコース沿いにあり、若きスカイランナーが切磋琢磨するには適地といえます。また、同じコースで開催されているため、過去の選手とのタイム比較もできるコースとなっています。

ユース世界選手権の記録サイト

銀メダルを獲得した小幡 ©JSA

小幡莉子選手のコメント

 初めて世界の山は日本と景色も斜面も違うので、終始楽しく走ることができました。バーティカルで2位になれたことが自信になり、集中してレースができました。抜かされても諦めない気持ちをもつことができました。ただし、ミスコースをしてしまったことや、急な下りで抜かされてしまったことで、自分の足りない部分が分かりました。その点を練習してもっと強くなれるようにこれからも頑張っていきたいです。

ダル獲得の岸本 ©JSA

岸本莞爾選手のコメント

メインレースであるSKYは1種目目のVKで自分の立ち位置を知ってからのスタートでした。VKはトップと2分差の2位。いけるところまで先頭についていこうという考えで走りました。ついていけたのは登りの3分の1にも満たないところまで。そこからは気持ちを切り替え、2位を守ろうという考えで走りました。
 結果は3位。なんと3位の僕から6位の選手までは9秒差しかありませんでした。登りでは2分以上、3分以上あった後ろの選手とはゴールしてみれば9秒差。ダウンヒルだけで言えば海外勢から見る今の僕は「相手にならない」と言ったところでしょうか。途中で転倒し頭を打って30秒ほどロスしましたがそれも実力のうちです。下りを極めなければスカイレースでは勝てないと肌で感じました。
 1位という目標は達成できませんでしたがなんとかメダルは死守できました。今回は初の海外レース。慣れない環境で自分のベストを出すことの難しさを知りました。今回の遠征で学んだことをこれからに生かし、いつになるかは分かりませんが次こそは勝ちたい!と想います。
 この大会で得たことは一生の宝物になりそうです。応援ありがとうございました。

1位スペイン、2位イタリア、3位日本 ©JSA

チームキャプテンを務めた近江竜之介選手のコメント

自分の結果については目標にしていたバーティカル・スカイの連覇にはならなかったが、チームとしては前から目標にしていたチームで表彰台という目標を達成できたので嬉しいです。ユースA・Bの若い選手が頑張ってくれてこの結果につながったので、また来年・再来年と続いていけるように頑張っていきたいと思います。応援ありがとうございました!

U23 近江 ©JSA
U23 清水 ©JSA
U23 佐俣 ©JSA
YouthC 近江 ©JSA
YouthB 橋詰 ©JSA
YouthA 服部 ©JSA
YouthA 山岸 ©JSA
U23 松本 ©JSA
U23 石川 ©JSA
U23 本郷 ©JSA
YouthB 直江 ©JSA
YouthB 日下 ©JSA
YouthB 小林 ©JSA
YouthA 冨田 ©JSA

 


日本代表16名のリザルトは次の通り。

YouthA-MEN
1.Biel Sagues (ESP) 1:33:02
2.Aron Rodal Haugen (NOR) 1:35:34
3.岸本 莞爾(JPN)1:37:51 ※複合3位
13.服部 真仁(JPN)1:43:46
17.山岸 大志(JPN)1:46:53

YouthA-WOMEN
1.Ingeborg Syntnes (NOR) 1:43:38
2.Uma Plans (ESP) 1:54:09
3.小幡 莉子(JPN)1:55:13 ※複合2位
7.冨田 にこ(JPN)2:16:41

YouthB-MEN
1.Lluis Puigvert (ESP) 1:31:16
2.Marti Costa (ESP) 1:34:33
3.Jan Wita (CZE) 1:35:57
16.直江 城太朗(JPN)1:44:25
26.橋詰 泰弥(JPN)1:55:22
27.日下 泰造(JPN)1:55:22

YouthB-WOMEN
1.Gabriela Lasalle (ESP) 1:47:47
2.Meija Petersson (SWE) 1:55:42
3.Alice Maniezzo (ITA) 1:59:15
5.小林 華蓮(JPN)2:02:31 ※複合3位

YouthC-MEN
1.Jan Torrella (ESP) 2:25:09
2.Iu Net Puig (ESP) 2:28:07
3.Finn Hösch (GER) 2:37:29
32.近江 仁之介(JPN)3:23:50

YouthC-WOMEN
1.Carrodilla Cabestre (ESP) 3:03:28
2.Lisa Åkesson (SWE) 3:06:09
3.Erika Åkesson (SWE) 3:06:09

U23-MEN
1.Gianluca Ghiano (ITA) 2:30:01
2.Mattia Tanara (ITA) 2:31:24
3.Raoul Raus (BEL) 2:33:05
4.近江 竜之介(JPN)2:33:53
22.松本 祥汰(JPN)2:55:19
30.清水 琢馬(JPN)3:03:39
38.石川 諒(JPN)3:09:53

U23-WOMEN
1.Nuria Tarragó (ESP) 3:07:25
2.Lenka Ploščiková (SVK) 3:11:01
3.Patrycja Stanek (POL) 3:12:59
11.佐俣 明香莉(JPN)3:36:22
18.本郷 沙穂(JPN)4:10:45

全リザルト

2023 Youth Skyrunning World Championships