来年の本大会に向けて「2021全日本スカイランニング選手権・SKYSNOW部門(テストレース)」が4月3・4日に群馬県嬬恋村で開催されました(大会名:嬬恋スカイラン)。雪上の山岳を駆け登る新種目のSKYSNOW(スカイスノー)は2020年にISFルールに追加され、近年中に世界選手権の開催も予定されています。1日目に開催されたバーティカル(4km/+620m)では新潟県の小幡利春(Obata Toshiharu)、長野県の小林華蓮(Kobayashi Karen)が優勝。2日目に開催されたクラシック(12km/±1000m)では、長野県の藤飛翔(Fuji Tsubasa)と小林華蓮(Kobayashi Karen)が優勝しました。
駆け登り種目であるバーティカルは、標高1470mのパルコール嬬恋リゾートをスタートし、標高2090mの稜線まで標高差620mを駆け登るコースが設定されました。男子はウィンタートライアスロンを得意とする小幡利春と、スノーシューを得意とする高村純太(Takamura Junta)の新潟県勢の一騎打ちとなりましたが、小幡が接戦を制して優勝。2位には高村、3位には福井県の宮川朋史(Miagawa Tomofumi)が入りました。女子は冬季はクロスカントリースキーに打ち込む小林華蓮が圧勝。2位には新潟県の中学生である小幡莉子(Obata Riko)、3位には石川県のトップ選手である枝元香菜子(Edamoto Kanako)が入りました。
駆け登りと駆け下りのクラシックは、距離6km/標高差500mの周回コースを2周するコースが設定されました。融雪により全長の4分の1にあたる1.5km程は草地も含まれました(ISFルールではコースの70%が雪上であればよい)。男子は高村純太が先行し1周目の時点では2位以下を1分以上離す独走となります。しかし、終盤の最後の登りで追いついた藤飛翔が逆転し見事優勝。2位には高村純太、3位には小幡利春が入りました。女子は小林華蓮が序盤より後続を突き放して独走し圧勝。2位には枝元香菜子、3位には長野県のレジェンド・須藤吉仕子(Suto Kihisko)が入りました。
SKYSNOW(スカイスノー)はマイクロクランポンを装着しての雪上山岳レースです。欧州ではスノーランニング等としてアウトドアランニングのカテゴリーのひとつとして開催される大会数も多かったのですが、2020年のルール改正により「雪上」を特徴とするスカイランニング競技の1種目となりました。今後、日本国内でも令和時代に成長するカテゴリーとして注目が高まってくることでしょう。今回のテストレースに出場した選手たちはSKYSNOWのパイオニアとして後世に語り継がれることになります。
2021全日本スカイランニング選手権・SKYSNOW部門(テストレース) リザルト
バーティカル 4km/+620m
女子
1. 小林 華蓮(Kobayashi Karen)長野県 41:54
2. 小幡 莉子(Obata Riko)新潟県 43:36
3. 枝元 香菜子(Edamoto Kanako)石川県 46:14
4. 須藤 吉仕子(Suto Kishiko)長野県 49:55
5. 土屋 和嘉子(Tsuchiya Wakako)長野県 54:38
男子
1. 小幡 利春(Obata Toshiharu)新潟県 32:33
2. 高村 純太(Takaura Junta)新潟県 33:07
3. 宮川 朋史(Miyagawa Tomofumi)福井県 34:49
4. 浦野 正紀(Urano Masanori)長野県 36:45
5. 鈴木 龍弥(Suzuki Ryuya)群馬県 37:51
クラシック 12km/±1000m
女子
1. 小林 華蓮(Kobayashi Karen)長野県 1:35:04
2. 枝元 香菜子(Edamoto Kanako)石川県 1:40:57
3. 須藤 吉仕子(Suto Kishiko)長野県 1:48:26
男子
1. 藤 飛翔(Fuji Tsubasa)長野県 1:15:40
2. 高村 純太(Takamura Junta)新潟県 1:16:47
3. 小幡 利春(Obata Toshiharu)新潟県 1:18:29
4. 宮川 朋史(Miyagawa Tomofumi)福井県 1:21:55
5. 丸山 将真(Maruyama Shoma)長野県 1:22:36