スカイランニングの歴史と共に発展し、今年で20周年を迎えたドロミテスカイレース。今年は8名のJSA登録選手が挑戦しました。それぞれの参戦記をご覧ください。

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?Nagi Murofushi

このレースに出ようと思ったのは、憧れのスカイランナー長谷川香奈子さんのイベントでドロミテスカイレースの話を聞いた時からでした。あの雄大な景色の中を走ってみたい!そして昨年初めて参加した海外レース、スペインのBuffEpicTrailでの景色の素晴らしさ楽しさをまた味わいたいと思ったからでした。
バーティカルは経験したことのない急登続き。それがなぜが辛いじゃなく楽しい!私は下りがあまり得意ではないので、登りのみのバーティカルは20位以内を目指していたのですが、結果は30位。全力で出し切ってこの順位にすごく悔しい思いでした。
翌日のスカイレースはバーティカルの悔しさをぶつける思いで挑みました。前日の疲れを感じることもなく、むしろ前日よりもよく体が動き登りは思うように進めました。下りも苦手のリミッターを外し全力で走ったのですが、ここで何人もに追い越され、目標の30位以内に届かず45位でした。男子に劣らず女子選手の力強い登り、リズミカルな下りを間近で見て、とても刺激を受けました。
結果はどちらも目標に届かず、自分の力はこんなもんなんだ…と悔しい思いが、もっと強くなりたい!というやる気に今まさに変わってるところです。
まだまだ駆け出し者ですが、自分はスカイランナーだと自信を持って言える様になって、そしてまた空と地球が出会う場所に戻って来たいと思います。

大松 知恵/CHIE OMATSU

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?Nagi Murofushi

今回初めてSkyrunningの本場ヨーロッパ イタリアで開催されたドロミテスカイレースに参加させて頂きました。会場のあるカナツェイから見える山々の壮大さや景色は日本では味わった事のない迫力で、本当に感動しっぱなしでした!レース当日は朝からの悪天候のため、残念ながらPIZ BOEの山頂には上る事ができなくなりましたが、それでも十分にスカイレースの楽しさを味わう事ができました。レースはいつものようにリラックスして、スタートから自分のペースで進んで行こうと思いましたが、女性も男性もみんな力強くガシガシと上って行く姿を見て、自分もつられてペースが上がって行ったと思います。上りの後半では足元が沈みこむような砂礫状でとても走り辛く、ここでかなり体力を消耗してしまいました。下りになってからは、少しは良い走りができるものと思っていたのですが、ガレた急斜面の直滑降で思うように足が動かずにペースを上げる事ができませんでした。そんな僕の横を男性や女性の選手が楽々と抜いて行く姿を見て、選手のレベルの高さを驚きと共に実感いたしました。今回、タイムや順位などは特に目標を持たずに走ったのですが、やはり走り終えて、もっと頑張れたのではないかという悔しさが溢れてきました。大会は終わったばかりですが、また来年もこの山を走ってみたい!そう思わせてくれる本当に最高で感動のレースでした!

 吉田 岳生/TAKEO YOSHIDA

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Vertical KilometerとSkyraceの二種目に出場し、108位、154位でした。今回は気持ちも体もバーティカルに向けて準備しました。このバーティカルレースは2.6kmで1000m登る急斜面で、過去には冬季五輪が開催されウィンタースポーツが盛んなエリアでもあり、参加者のほとんどがポールを使用します。これほどの急斜面でポールを使った方が有利なバーティカルレースは国内にはなく、挑戦してみたいと思いました。今後国内にもこのようなレースができれば、陸上競技の経験者に加えてウィンタースポーツをやる選手がさらに活躍でき、選手層の幅も広がり、スカイランニングの楽しみ方も増えると感じています。新しい動きを身につけるなら今しかないという気持ちもありました。得意だからやる、苦手だからやらないとか、そういう問題ではありませんでした。いろいろな可能性を伝えるために、もっと説得力を持った結果を出したかったのですが、準備、調整不足、力不足でした。
ポールを使ったスピード登山、今後も取り組んでいきたいと思います。

竹原 直矢/NAOYA TAKEHARA

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私にとって一番「出し切れる」距離のレースでしたが、ゼガマの順位を上回ることすらできませんでした。優勝したJan選手を含め、私の前のには私より若い選手ばかりでした。昨年のユース世界選手権で優勝した私ですが、今回のドロミテとユース世界選手権のレースであったグランサッソを比べると「これがスカイランニングか…」という感じです。どれだけグランサッソが走りやすいコースだったことか。標高差1700mを一気に駆け上がり、酸欠になりながらルートファインディングが必要な急坂を自分が転がした石と一緒に転がり落ちるように駆け下る。そしてトップから6分でトップ10が決まる、スリリングな展開。短くとも濃厚な23km。一瞬足りとも気を抜けないレースは病み付きになります。このSky Classicで頂点に立ちたいと改めて感じました。

上田 瑠偉/RUY UEDA

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VKのみ出場しました。48位という結果から言うと、ドロミテに挑戦するには早すぎたのかもしれません。今回、世界最高峰であるこのレースに参加するにあたり我ながら進退をかけたつもりで挑みました。ここで結果を出せば話は早いと考えていたためです。しかし、そのような甘い世界ではなくデコピンで跳ね返されてしまいました。そこにはVKのゴールタイムが38~43分の5分間に約30人の層の厚さがありました。ベストパフォーマンスを出すのは当たり前で突き抜けなければならない、これはかなり痛感しました。VKだけでなくスカイレースを見てても、勝負の世界を目に焼き付けることが出来ました。次挑戦するときは必ず結果を出しに行きたいです。

藤 飛翔/TSUBASA FUJI

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バーティカル
目標は40分ぎりでしたが全く届かず。走れない傾斜と思っていたけど走らないと勝負にならなかったです。走れない傾斜とかいう固定概念はぶっ壊せました!
スカイレース
目標は30位でした。ロード、林道まで目標順位くらいまでいけるよう、最初からつっこんでいきました。前日の疲れを心配しましたが、意外と体が動く!まずまずの位置で10km+1600mを終え、3000mの世界へ。下りのコースは無数で直滑降していかないとかなりロスなのですが、めちゃくちゃテクニカル!えげつない下りだけどこれがスカイランニングだと感動して泣きそうでした!
This is the Skyrunning.主催者たちのレースに対するプライドをものすごく感じました。
楽しすぎるし悔しすぎる、また戻ってくるしかないですね!ほんとにいい経験になりました!

鈴木 龍弥/RYUYA SUZUKI

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今回DolomitesverticalとDolomitesskyraceのコンバインドで出場しました。初のワールドシリーズだったので自分がどこまでやれるのかを試せるのがすごく楽しみでした。VKではうまく自分のペースにハマり全力を出し尽くせましたが結果49位。またSkyraceでは結果は140位。これが世界のレベルだと突きつけられました。この2レースを通して、トップ選手だけじゃなくこのレースに出場している選手全員が全力で順位を上げようと頑張っているんだと感じました。
今回の結果を改めて見ても、本当に悔しい結果です。スカイランニングの中でも歴史的なDolomitesskyraceに出場できたことに満足するのではなく、この結果を踏まえてこれからどう成長できるかを考え、またリベンジしたいと思います。

菊川 惠大/KEITA KIKUGAWA

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街の中心から最高峰の頂へ、最短時間で登って戻ってくる。ドロミテスカイレースは「スカイランニングとは何か?」という問いに対しての答えであります。スカイランナーにとってのサンクチュアリであるドロミテには、毎年、世界中から1000名程のスカイランナーが集います。彼らがドロミテで得た答えは、レース後にそれぞれの母国へ持ち帰られます。そして、スカイランニングの根底を成す哲学は世界中へ拡散されていくのです。横山忠男さんが2009年に日本人として初めて出場し、女性では2015年に長谷川香奈子さんが出場。今年は過去最多となる9名の日本人が出場しました。スカイランニングとは何か、語ることのできる者は確実に増えており、その流れはもう止まることはないでしょう。私は2012・2015年に続き3度目の出場でしたが「必ずここへ戻ってくる」という気持ちに変わりありません。体が動き続ける限り出場し続けたい。私のアイデンティティを確かめるこのとできる大事な大事なレースです。

松本 大/DAI MATSUMOTO