skyrunning_rc7月8日(日)、2018スカイランニング関東選手権と位置付けられた「第20回 北丹沢12時間山岳耐久レース」が神奈川県相模原市で開催されました。今年で20回目の開催となる同大会は、急峻な峰々の聳える丹沢山塊の北部で開催される、日本の山岳ランニング史を彩ってきた伝統的な登山競走です。全長44km、標高差1143m、累積標高差3500mのコースはいくつものピークや峠を越える日本屈指の難易度を誇ります。

丹沢山塊北部の急峻な山岳を走破する。写真は初代関東女王に輝いた田中真紀 ©北丹沢12時間山岳耐久レース
丹沢山塊北部の急峻な山岳を走破する。写真は初代関東女王に輝いた田中真紀 ©北丹沢12時間山岳耐久レース

2018関東選手権は関東地方の1都7県(茨城・栃木・群馬・埼玉・東京・千葉・神奈川・山梨)在住の選手が対象になる、全国で開催される地域選手権のひとつとなります。急峻なコースだけでなく、梅雨時特有の湿気と暑さもランナーの大敵となる同レース。今回は曇り空となり比較的涼しい条件となりましたが、日本トップレベルの強豪選手が多数集まった上位選手も「北丹沢」の洗礼に苦戦を強いられることとなりました。

「きついです!」と言いながらも楽しそうに駆け下る三浦
「きついです!」と言いながらも楽しそうに駆け下る三浦。4月に肋骨を骨折したが復活してきた
仲良く揃ってゴールの矢嶋と大瀬、世界選手権でもこの光景がみられるか!?
仲良く揃ってゴールの矢嶋と大瀬、世界選手権でもこの光景がみられるか!?
終盤に猛烈な追い上げを見せた細木 ©北丹沢12時間山岳耐久レース
終盤に猛烈な追い上げを見せた細木 ©北丹沢12時間山岳耐久レース

男子は、世界選手権日本代表メンバーが総合トップ3に入る結果となりました。優勝したのは神奈川県の神奈川県の三浦裕一(Yuichi Miura)。序盤で先行した静岡県の近藤敬仁(Yoshihito Kondo)を中盤で抜き去り、後半は独走で大会コース最高峰の姫次(ひめつぐ:標高1433m)を通過。後続の追い上げもありましたが、粘ってそのままリードを振り切り、初代関東チャンピオンの栄冠に輝きました。総合2位には同着で長野県の大瀬和文(Kazufumi Ose)と埼玉県の矢嶋信(Makoto Yajima)が揃って入りました。大瀬と矢嶋のふたりは前半の第1関門付近から並走を展開。最後までお互いを引っ張り合い笑顔でゴールしました。関東3位(総合4位)には東京都の細木郁生(Ikuo Hosoki)が入りました。細木は序盤は抑えたペースでしたが、終盤の姫次の登り坂でペースアップ。終盤のタイムは上位陣の中で最速であり、大健闘の上位入賞でした。

集中力を欠くことなくアスリートとしてのかっこよさがある田中
集中力を欠くことない。アスリートとしてのカッコよさが出ている田中
日本の山岳ランニングを背負ってきた大石。2014ジャパンシリーズの女王である
日本の山岳ランニングを背負ってきた大石。2014ジャパンシリーズの女王である
山岳に恵まれた山梨県勢の強さを見せた、福田 ©北丹沢12時間山岳耐久レース
山岳に恵まれた山梨県勢の強さを見せた福田 ©北丹沢12時間山岳耐久レース

女子は東京都の田中真紀(Maki Tanaka)が関東選手権初代女王の栄冠に輝きました。田中は序盤から女子トップをキープする攻めのレース展開。長大なアップダウンを繰り返す中盤になると、同大会の歴代女王のひとりである静岡県の大石由美子(Yumiko Oishi)に追いつかれます。結局は、経験に勝る大石が総合優勝となりましたが「(田中から)下り坂を教えてもらいたい」と言わせるほどのデッドヒートであった模様。出産を経て今年から本格復帰した田ですが、日本をリードする女子スカイランナーのひとりとして以前よりレベルアップしたといえます。関東2位(総合3位)には、田中とは+3分の僅差で山梨県の福田恵里佳(Erika Fukuda)、3位(総合4位)には群馬県の渡邊ゆかり(Yukari Watanabe)が入りました。このように、関東選手権の上位陣は特定の都県に偏ることが無いことが特徴としてみられます。このことは、20周年を迎えた同大会のシンボル性と関東地方の選手層の厚さを物語っているといえるでしょう。

関東選手権、男子トップ3 左から矢嶋、三浦、細木
関東選手権、男子トップ3 左から矢嶋、三浦、細木
関東選手権 女子トップ3 左から福田、田中、渡邊
関東選手権 女子トップ3 左から福田、田中、渡邊

2018シーズンの上半期を中心に、中部、中四国、近畿、北陸、関東の5地域で開催された2018スカイランニング地域選手権。日本各地でのスカイランニングの振興と普及を目的に、スカイランニングの国際基準を満たす既存の山岳レースを位置付けることで実施してきました。未だ日本においては世界共通のルールをもつ山岳スポーツとしての認知は普及途上の段階にあります。しかし、昨今の山岳ランナー人口の増加を一過性のブームとしないためにも、この地域選手権を通して各地域において基準が確立された山岳スポーツとしてのムーブメントを広げていく必要があるでしょう。2019シーズンはより発展・洗練した形での地域選手権の実施をJSAとしても企画していくつもりです。地域選手権の開催にあたって、ご協力・ご尽力いただいた大会関係者や地域マナージャーの皆様に、厚く御礼申し上げます。

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2018関東選手権

男子
1.三浦 裕一 / Yuichi Miura 神奈川県 4:25:24
2.矢嶋 信 / Makoto Yajima 埼玉県 4:35:24
3.細木 郁生 / Ikuo Hosoki 東京都 4:39:14

女子
1.田中 真紀 / Maki Tanaka 東京都 5:28:56
2.福田 恵里佳 / Erika Fukuda 山梨県 5:31:50
3.渡邊 ゆかり / Yukari Watanabe 群馬県 5:50:53

北丹沢12時間山岳耐久レース 総合

男子トップ3
1.三浦 裕一 / Yuichi Miura 神奈川県 4:25:24
2.大瀬 和文 / Kazufumi Ose 長野県 4:35:24
3.矢嶋 信 / Makoto Yajima 埼玉県 4:35:24

女子トップ3
1.大石 由美子 / Yummiko Oishi 静岡県 5:21:00
2.田中 真紀 / Maki Tanaka 東京都 5:28:56
3.福田 恵里佳 / Erika Fukuda 山梨県 5:31:50

北丹沢12時間山岳耐久レース

2018地域選手権

世界選手権2

2018ユース世界選手権(8月3-5日/イタリア・グランサッソ)

2018世界選手権(9月13-15日/イギリス・スコットランド)


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