5月4日(金・祝)、長野県上田市にて2018スカイランニング日本選手権(SKY)「上田スカイレース(UEDA Skyrace®)」が開催されました。世界レベルの難易度の高いコース設定として初開催されたエリート部門(塩尻コース)はJSA登録者の約60名がエントリー。SKY・ULTRAの日本代表選手が勢ぞろいする中、先日のVK日本選手権で栄冠を手にした上田瑠偉(Ruy Ueda)高村貴子(Takako Takamura)のふたりがSKY部門でも王者となり、今期2冠を達成しました。

上田スカイレースは上田バーティカルレースの2日目の種目として今年から新設された新しいレースとなります。コースは太郎山から虚空蔵山へと稜線を駆け抜け、兎峰などの急峻なピークを踏んで再び太郎山へ戻り、山麓の大星神社にゴールします。距離は25kmながら累積標高差は±3000m。平均斜度は世界戦以上の技術的難易度の高い登山思考レースとなります。今までの日本では類をみない急峻なコース設定であるため、大会の安全性を高めるために参加資格の中にJSA登録を必須条件としました。

大星神社の赤鳥居をスタート。参加した女子はまさに厳選されたスカイランナーのみだ ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
大星神社の赤鳥居をスタート。参加した選手は厳選されたスカイランナーのみだ ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

女子は、序盤からリードした高村貴子(Takako Takamura)が後続を大きく離して4時間26分の好タイムでゴール。「VKでは力を出し切れなかったので、SKYでは優勝設定タイムより早くゴールするように頑張った」という高村。得意のSKY部門でもアジア女王の実力を発揮して、VK・SKYの二冠を達成しました。2位には高村から+33分の4時間59分で田中真紀(Maki Tanaka)。田中は上田にも住んでいた経験もあり、コース下見を念入りにした成果が出たといえます。3位には木下久美(Kumi Kinoshita)が田中から+20分の5時間19分。木下は高村と同様にコンバインド(VKとSKYの2種目出場)でしたが関西屈指の実力を日本選手権でも発揮して初の3位以内の栄冠を手にしました。

終始、リードして自分との戦いとなったアジア女王・高村貴子 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
終始、リードして自分との戦いとなったアジア女王・高村貴子 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

男子は、上田瑠偉(Ruy Ueda)が世界レベルの力を見せつけ、後続を大きく離して優勝。高村と同様にVKとSKYの2冠に輝きました。涼しい気候に恵まれた中でしたが、上田の3時間29分58秒の優勝タイムを上回るスカイランナーは世界でも数限られているといえます。「ペースを8割に抑えたが、太ももが筋肉痛になりそう。太郎山に鍛えてもらった」とのこと。今季、上田はスカイランナーワールドシリーズに本格参戦を予定していますが、初戦のゼガマ(ZEGAMA)での活躍に期待が高まります。

勝者としての貫禄がついてきた ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
笑顔でゴール。勝者としての貫禄がついてきた ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

2位には近藤敬仁(Yoshihito Kondo)が上田から+21分の3時間50分でゴール。高いところが苦手という近藤だが、今まで数々の世界戦で培ってきた経験を糧にして難コースをも見事に攻略したといえます。3位には大瀬和文(Kazufumi Ose)が近藤から+13分の4時間3分でゴール。1週間前に100マイルレースを完走していて疲労が残る中でありましたが、後半に順位を上げるレース展開でウルトラ日本代表としての実力を発揮しました。

大会コースのハイライト。兎峰を攀じ登る近藤 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
大会コースのハイライト。兎峰を攀じ登る近藤 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

「技術」というのは、高所山岳でのスピード登山を原点としたスカイランニングを特徴づける要素のひとつです。欧州ではスクランブリング(攀じ登り)箇所を多く含んだ山岳レースが多数開催されていますが、日本では今まで開催されたことはありませんでした。今年の9月にスコットランドで開催される世界選手権のコースでもスクランブリングの区間が設定されており、技術的資質を高めていくことは日本スカイランニング界の競技レベルの向上にも欠かせなくなってきています。今回の上田スカイレースは、スカイランニングの今後の方向性を示す象徴的な大会になったといえます。安全な競技運営のためにご尽力いただいた大会スタッフの皆さんに御礼申し上げます。

岩ゴロゴロのゴーロを駆け下る大瀬 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
岩ゴロゴロのゴーロを駆け下る大瀬 ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

また、コンバインド(VKとSKYの順位の合計が少ない順)では、永里剛城(Goki Nagasato)高村貴子(Takako Takamura)が優勝となりました。特筆すべきは男子2位には大学1年生の服部一輝(Kazuki Hattori)が入ったことです。上田や高村よりもさらに若いユース世代からも競技会で上位に入るスカイランナーが育ちつつあります。

なお、今大会は2018 Colombia Montrail Skyrunnner® Japan Series (SKYシリーズ)第1戦を兼ねていました。次戦は6月2日に滋賀県大津市で開催されるびわ湖バレイスカイレースとなります。湖から山頂へ。関西の最も美しいスカイランニング大会にも注目です。

スタート前にはコンバインドの選手たちによって円陣が組まれた ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI
スタート前にはコンバインドの選手たちによって円陣が組まれた ©UEDA VERTICAL RACE/NAGI MUROFUSHI

2018 SKY日本選手権 上位リザルト

男子トップ5
1. 上田 瑠偉 / Ruy Ueda 3:29:58
2. 近藤 敬仁 / Yoshihito Kondo 3:50:47
3. 大瀬 和文 / Ose Kazuhfumi 4:03:49
4. 吉田 岳生 / Takeo Yoshida 4:04:11
5. 佐藤 雄太郎 / Yutaro Sato 4:09:14

女子トップ5
1. 高村 貴子 / Takako Takamura 4:26:12
2. 田中 真紀 / Maki Tanaka 4:59:02
3. 木下 久美 / Kumi Kinoshita 5:19:35
4. 岩楯 志帆 / Shiho Iwadate 5:34:37
5. 須藤 吉仕子 / Kishiko Suto 5:41:00

コンバインド(VK+SKYの順位の合計)

男子トップ3
1. 永里 剛城 / Goki Nagasato
2. 服部 一輝 / Kazuki Hattori
3. 宮川 朋史 / Tomofumi miyagawa

女子トップ3
1. 高村 貴子 / Takako Takamura
2. 木下 久美 / Kumi Kinoshita
3. 須藤 吉仕子 / Kishiko Suto

大会ホームページ

2018 Skyrunner® Japan Series


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