5月11日(木)、スペインのラパルマ島で開催されたバーティカル・キロメーター(以下、VK)の世界戦で吉住友里(Yuri Yoshizumi)が優勝しました。ISFが指定する世界戦のタイトル獲得は、2013年の宮原徹(Toru Miayahara/パイクスピーク/SKY種目)以来2人目。VK種目では日本人初の歴史的快挙となります。※VK=標高差1000mを駆け登るスカイランニングの競技種目

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吉住が優勝したのはVKWC(VKワールド・サーキット)の第2戦「トランスバルカニア バーティカル・キロメーター」です。「トランスバルカニア」はスペインの離島であるカナリア諸島、ラパルマ島で開催されるスカイランニングレースであり、名前の通り火山島の中心に位置する外輪山を縦走する壮大さが世界的に人気となっています。VK種目の他に、スカイレース、スカイマラソン、ウルトラスカイマラソン、ジュニアレースの全5種目が同時開催される、島を挙げての一大イベントでもあります。同時開催されるウルトラ種目の世界戦では、2015年には丹羽薫(Kaori Niwa)が9位にランクインしました。VK種目への日本人トップアスリートの参戦は、今回の吉住の挑戦が初めてでした。

Yuri Yoshizumi.©iancorless.com -VKWC_Transvulcania2017
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「トランスバルカニア」のVKは7.6km+1203mと、他大会と比較すると緩斜面のVKレースです(※他の世界戦は2~3km台で+1000m程)。とはいえ、岩を攀じ登るスクランブリングも一部区間あり、垂直方向への「登坂力」と水平方向への「走力」の総合力が試されるコースといえます。60秒ごとのインターバルスタート(一人ずつのスタート)で、海抜0mの海岸より標高1160mの地点まで空に向かって駆け登る。「From Sea to Sky」という言葉に相応しいコースです。

エリート選手のひとりとして、女子では後ろから2番手でスタートした吉住。いつも通りの笑顔の“力登”で前を行く選手たちを追いかけました。女子2位のステファニー・ヒメネス(イタリア)は10年程前から世界戦で活躍するベテランのスカイランナーで、バーティカル種目にも力を入れる世界的アスリートです。吉住はステファニーのタイムを2分近く上回る圧勝で世界初タイトルを獲得しました。59分28秒は、昨年優勝のエミー・コリンジ(イギリス)のコースレコードまで1分32秒の好記録でした。

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©iancorless.com -VKWC_Transvulcania2017

なお、男子は2016世界選手権(VK&SKY種目)王者のスティアン・アンゲルムントビク(ノルウェー)が優勝。男子2位にはトランスバルカニアのウルトラスカイマラソン3連覇中で、2016世界選手権(ULTRA種目)王者ののルイス・アルベルト(スペイン)が入りました。吉住は世界王者たちと同じポディウム(表彰台)に乗って、その栄冠を称えられました。

VKWC第2戦「トランスバルカニアVK」 Race results

Women
1. Yuri Yoshizumi (JPN) – 59’28”
2. Stephanie Jimenez (ITA) – 1h01’18”
3. Zuzana Krchova (CZE) – 1h04’33”
4. Virginia De Martin – 1h05’00”
5. Gabriela Sanchez (ESP) – 1h07’19”

Men
1. Stian Angermund-Vik (NOR) – 47’22”
2. Luis Alberto Hernando (ESP) – 48’39”
3. Saul Padua (COL) – 50’41”
4. Ondrej Fejfar (CZE) – 50’59”
5. Diego Simon (ARG) – 52’00”

VKWC公式サイト

「トランスヴルカニア」公式サイト

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