7月27日(金)、山梨県富士吉田市で「第71回富士登山競走」が開催されました。富士吉田市役所(標高770m)をスタートし、富士山頂(3776m)を目指して駆け上る標高差3000m、距離21㎞の日本を代表する山岳登山競走です。五郎谷俊(Shun Gorotani)と吉住友里(Yuri Yoshizumi)が男女それぞれで優勝し、2017年の初優勝に続き見事連覇を果たしました。
世界屈指の標高差を誇る過酷なレースで、日本の伝統的かつ本格的な登山競走である同レースは、2015年から2017年までは「JAPAN CUP」として位置付けられてきましたが、今年はSKYシリーズの第3戦と位置付けられました。
男子はスタートから五郎谷俊(Shun Gorotani)がリードし、2位以下の追従を許さないレースを終始展開。そのまま順調にリードし2時間39分28秒で優勝。昨年の優勝時は、大会歴代2位となる好タイムの2時間31分34秒をたたき出し、今年は宮原徹が持つ最速記録<2時間27分41秒(第64回大会・2011年)>を更新することを目標に掲げて練習を積んできたとのこと。ゴール後のインタビューでは「新記録に届かなかったのは残念。まだまだ練習を積んで、自分にとって特別な富士登山競走でいつか新記録を出します。」と語り、王者としてさらに高みを目指すことを誓いました。2位には富士登山競走4度目の挑戦となる牛田美樹(Miki Ushida)が2時間53分30秒で入り、過去最高位でのゴール。昨年の怪我からの見事な復帰を果たしました。3位には高瀬裕行(Hiroyuki Takase)が2時間56分23秒で入り、「宮原さんからのアドバイスを忠実に守ったことが結果につながった」と作戦通りのレースを展開できたことに喜びをみせました。
女子優勝の吉住友里(Yuri Yoshizumi)は、大会1週間前に富士山での練習中に怪我をし手術後だったためギプス固定のまま出場を決意。完走も危ぶまれたが、2位に12分以上の差をつけ、3時間11分34秒で見事連覇を果たしました。3時間切りを目標としていた吉住は「大会前の大事な時期に怪我をしてしまい不安でしたが、なんとか優勝できて嬉しいです。」といつもの笑顔をみせました。2位は3時間23分53秒で小川ミーナ(Mina Ogawa)が入り、過去3回の優勝(2011年・2012年・2015年)と昨年の準優勝を誇るアスリートとして、強さを発揮しました。しかしながら、富士山で経験豊富な小川が「富士山は何度やっても難しいレース。」と語るほど、同レースを攻略することの奥深さを語っていたのが印象的でした。3位には荻原真紀(Maki Ogihara)が3時間28分41秒で入り、トップ3常連の強さを見せました。「ロードで出遅れた分、山区間での巻き返しを図った」と語る荻原は、山岳での登りの強さが際立ちました。
五郎谷俊(男子1位)、加藤聡(男子4位)、吉住友里(女子1位)、小川ミーナ(女子2位)は、9月にスコットランドで開催されるスカイランニング世界選手権の日本代表に選出されています。
それぞれが世界選手権へ向けた目標を口にし、日本一の頂「富士山」から世界を目指すという決意がみられたことも印象的でした。
2018 富士登山競走 上位リザルト
男子トップ5
1. 五郎谷 俊 / Shun Gorotani 2:39:28
2. 牛田 美樹/ Miki Ushida 2:53:30
3. 高瀬 裕行 / Hiroyuki Takase 2:56:23
4. 加藤 聡 / Satoshi Kato 2:56:47
5. 宮川 鉄也 / Tetsuya Miyagawa 2:57:11
女子トップ5
1. 吉住 友里 / Yuri Yoshizumi 3:11:34
2. 小川 ミーナ/ Mina Ogawa 3:23:53
3. 荻原 真紀 / Maki Ogihara 3:28:41
4. 大石 由美子 / Yumiko Oishi 3:41:11
5. 浅原 かおり / Kaori Asahara 3:45:59