浅間山をバックに2日間でのべ100名のスノーランナーが雪上を空に向かって駆け上った ©嬬恋スカイラン

4月9・10日に群馬県嬬恋村のパルコール嬬恋リゾートにて「第1回全日本スカイスノー選手権大会」が開催されました。1日目にはバーティカル、2日目にはクラシックが実施され、両種目において新潟県の小幡利春(Obata Toshiharu)と長野県の小林華蓮(Kobayashi Karen)が優勝しました。また、23歳以下のユース部門女子でも小林は優勝。ユース部門男子では、バーティカルでは群馬県の渋谷鉄心(Shibuya Tesshin)、クラシックでは群馬県の日下泰造(Kusaka Taizo)が優勝しました。

1日目のバーティカル(3.5km/+610m)は、標高1500m近いパルコール嬬恋リゾートをスタートし、標高約2100mのゲレンデトップにゴールする国内屈指の雪上バーティカル(駆け登り)のコース設定です。男子は序盤よりリードした小幡利春が後続を突き放して優勝。2位には福井県の宮川朋史(Miyagawa Tomofumi)、3位には新潟県の高村純太(Takamura Junta)が入りました。女子は小林華蓮が独走して優勝。2位には新潟県の小幡莉子(Obata Riko)、3位には神奈川県の齋藤磨実(Saito Mami)が入りました。23歳以下のユース部門では、男子は群馬県の渋谷鉄心が優勝。2位には神奈川県の山岸大志(Yamagishi Taishi)、3位には長野県の岸本莞爾(Kishimoto Kanji)が入りました。女子は小林華蓮が優勝、小幡莉子が2位。3位には埼玉県の田口倖菜(Taguchi Yukina)が入りました。なお、ユース部門は入賞した全員が高校生・中学生ということで、次世代の台頭が目立った成績となりました。

2日目のクラシック(10km/±900m)は、小刻みなアップダウンを繰り返しながら標高2100mのゲレンデトップまで登り、ゴンドラ山頂駅を折返して山麓まで駆け下る日本随一の世界基準のコース設定です。男子は最後まで小幡利春高村純太の新潟勢対決の大接戦となりましたが、終始リードした小幡が逃げ切って、2日連続優勝の快挙を成し遂げました。3位には宮川朋史が入りました。女子は終始リードした小林華蓮が2日連続で優勝。2位には終盤に小林に迫った齋藤磨実、3位にはレジェンド須藤吉仕子(Suto Kishiko)が入りました。なお、バーティカルとクラシックの2種目の合計で競われるコンバインド(複合)は、クラシックと同様の結果となりました。ユース部門は男女ともに2名ずつの参加となりました(※CLASSICのロングコースは高校生以上を対象としているため、中学生は一般ショートコースに参加)。ユース部門男子は大接戦の末、1位は群馬県の日下泰造(Kusaka Taizo)、2位には神奈川県の石川万太(Ishikawa Manta)。ユース部門女子1位は小林華蓮、2位には石川県の山本乃愛(Yamamoto Noa)が入りました。

なお、今回の全日本選手権は3月より蔵王・一里野で開催してきたSSJS(スカイスノージャパンシリーズ)の第6戦・最終戦を兼ねていました。総合優勝は、小幡利春・小幡莉子の親子が手にしました。小幡莉子は中学生のため最終戦は参戦できませんでしたが、これまでの獲得したポイントの貯金で記念すべき初代女王となりました。男子2位は高村純太、3位は宮川朋史、4位は静岡県の涌嶋優(Wakushima Suguru)、5位に栃木県の根本正蔵(Nemoto Shozo)。女子2位は須藤吉仕子、3位は石川県の杉原陽色(Sugihara Hiiro)、4位は長野県の高橋友理奈(Takahashi Yurina)、5位は小林華蓮でした。

スカイスノージャパンシリーズランキング【最終版】

親子でシリーズチャンピオン。小幡利春は最高の誕生日となった! ©嬬恋スカイラン

昨年のテストレースを経て、第1回目の開催となったスカイスノーの全日本選手権。夏季の山岳におけるスカイランニングと比較すると大会数・参加者数・競技者数において発展途上ですが、雪国の選手を中心にハイレベルなレースとなりました。また、次世代のスカイランニングのエースとなるであろう若年層(中学生・高校生)の果敢な挑戦が目立ったことも特長として挙げられます。キッズ部門や一般愛好者の参加も昨年より多くなっており、今後、日本においても年々発展していくジャンルであることを確信できた2日間となりました。一方、日本における課題としては、レースを開催できるフィールドの不足(スキー場の利用となることや、雪の降らない太平洋側等のエリアでは難しい事)や、必携装備である競技用マイクロクランポンの保有者数の少なさ、ユースでも大学生世代の参加率の低さ、同時期に開催される山岳スキー競技との両立が挙げられます。欧州の山間地では山岳スキー競技と同様に毎週末のように開催されているスカイスノーですので、日本でも同様の状況になるのがスカイランニング及び山岳スポーツ全体の活性化にもつながるでしょう。

大人のレースの前には小学生対象のキッズレースも開催された ©嬬恋スカイラン

全日本スカイスノー選手権大会 バーティカル トップ3

WOMEN
1.小林 華蓮(長野)39:55
2.小幡 莉子(新潟/NIIGATA SKY CLUB)44:04
3.齋藤 磨実(神奈川)44:36

MEN
1.小幡 利春(新潟/NIIGATA SKY CLUB)31:54
2.宮川 朋史(福井)32:34
3.高村 純太(新潟/NIIGATA SKY CLUB)32:59

YOUTH WOMEN
1.小林 華蓮(長野)39:55
2.小幡 莉子(新潟/NIIGATA SKY CLUB)44:04
3.田口 倖菜(埼玉)47:19

YOUTH MEN
1.渋谷 鉄心(群馬)38:49
2.山岸 大志(神奈川/逗子スカイランナーズ)39:22
3.岸本 莞爾(長野)40:12

バーティカル メダリスト全員集合 ©嬬恋スカイラン

全日本スカイスノー選手権大会 クラシック トップ3

WOMEN
1.小林 華蓮(長野)1:22:14
2.齋藤 磨実(神奈川)1:23:51
3.須藤 吉仕子(長野/スカイ忍者)1:37:01

MEN
1.小幡 利春(新潟/NIIGATA SKY CLUB)1:00:34
2.高村 純太(新潟/NIIGATA SKY CLUB)1:01:33
3.宮川 朋史(福井) 1:04:59

YOUTH WOMEN
1.小林 華蓮(長野)1:22:14
2.山本 乃愛(石川)1:37:01

YOUTH MEN
1.日下 泰造(群馬)1:18:17
2.石川 万太(神奈川/逗子スカイランナーズ)1:18:56

メダリスト全員集合 ©嬬恋スカイラン

全日本スカイスノー選手権大会 コンバインド トップ3

WOMEN
1.小林 華蓮(長野)
2.齋藤 磨実(神奈川)
3.須藤 吉仕子(長野/スカイ忍者)

MEN
1.小幡 利春(新潟/NIIGATA SKY CLUB)
2.高村 純太(新潟/NIIGATA SKY CLUB)
3.宮川 朋史(福井)

コンバインド順位表

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