10月14日(土)、群馬県片品村にて、バーティカルシリーズ最終戦「尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター」が開催されました。紅葉の尾瀬の山を駆け登る、地域に根付いたバーティカル大会。大人だけでなくキッズも合わせて260余名のスカイランナーが駆け登りました。シリーズランキングをかけた最終戦ということもあり、多数の強豪スカイランナーが参戦して注目を集めた今大会。男子はマウンテンランニングの世界王者のジョセフ・グレイ(Joseph Gray)が世界レベルの力を見せつけ圧勝。女子は吉住友里(Yuri Yoshizumi)が優勝してシリーズ全7連勝を飾りました。

スタート地点は選手を称える赤じゅうたん ?Oze iwakura VK
スタート地点は選手を称える赤じゅうたん ?Oze iwakura VK

男子は、マウンテンランニング世界王者のグレイとバーティカルアジア王者の宮原徹(Toru Miyahara)の対決に注目が集まりました。バーティカルは20秒おきのインターバルスタート。宮原から20秒差で最終ランナーとして飛び出したグレイ。最初の登り坂で宮原に追いつきます。2人はしばらく並登しましたが中盤の傾斜50度の〝ジャイアントウォール(巨人の壁)”にてグレイが宮原を突き放し、そのまま差を広げて40分49秒でゴールしました。宮原によると「ジョー(ジョセフ)は登りだけでなく(途中にある)下りも速い。追い上げられた自分は足を使ってしまい、中盤から失速してしまった」とのこと。世界王者の実力に多くの選手や観客が圧倒された、日本に住む我々にとっては非常に貴重な体験となりました。宮原はグレイから+2分16秒の43分06秒で2位。3位には43分48秒で永里剛城(Goki Nagasato)、4位には44分28秒で新牛込崇史(Takashi Shinushigome)と、蔵王で開催されたアジア選手権トップ3がランクイン。5位には45分04秒でユース世代のエースである吉野大和(Yamato Yoshino)が食い込みました。

優勝したグレイと吉住、ゴール地点で笑顔のツーショット ?Oze Iwakura VK
優勝したグレイと吉住、ゴール地点で笑顔のツーショット ?Oze Iwakura VK

女子は、吉住友里が安定した力登をみせて49分46秒で優勝。シリーズ全7戦を優勝で飾り、日本スカイランニング界の歴史に残る快挙を達成しました。2位には吉住から+7分強の57分10秒で小川ミーナ(Mina Ogawa)が入り、富士登山競走とアジア選手権と同様、吉住・小川がトップ2となりました。3位には59分32秒で加藤揚子(Yoko Kato)、4位には1時間01分51秒で星野みどり(Midori Hoshino)と、地元である群馬の山岳ランナーがランクイン。5位には1時間02分44秒でバーティカル初挑戦となる福島舞(Mai Fukushima)が入りました。

中盤には斜度50度の「モンスターウォール」が待ち構えている ?Oze Iwakura VK
中盤には斜度50度の「ジャイアントウォール(巨人の壁)」が待ち構えている ?Oze Iwakura VK

今大会の結果を受けて、バーティカル部門のシリーズランキングも決定しました。シリーズ王者は宮原徹吉住友里のアジア王者の2人です。今シーズンも世界レベルの姿・背中をファンやアスリートたちにみせ、大いに日本のスカイランニングシーンを湧かせてくれました。男子2位には鹿児島県の国分自衛隊のエースである永里剛城、男子3位には宮原と同じ滝ヶ原自衛隊の強豪である新牛込崇史、女子2位にはユース世界選手権VKで銀メダルを獲得した北海道の滝澤空良(Sora Takizawa)、女子3位にはスカイランニング界のレジェンドである埼玉県の須藤吉仕子(Kishiko Suto)が入りました。須藤は吉住同様に全7戦に出場し、全戦でポイントを獲得。JSA本部一同、心からの敬意を表します!!

2017バーティカルシリーズ 総合ランキング

シリーズランキングトップ3! ?Oze Iwakura VK
シリーズ総合ランキングトップ3! 左から永里、滝澤、宮原、吉住、須藤、新牛込 ?Oze Iwakura VK

もうひとつ。年代別のシリーズランキング(40代・50代・60代)を決めるマスターズの結果も紹介いたします。60代王者は、5戦でトップの山梨県の宮下弘文(Hirohumi Miyashita)と7連勝の須藤吉仕子。50代王者は、全戦に出場して4戦でトップだった長野県の内田正直(Masanao Uchida)と総合ランキングでも4位に入った富山県の高村まゆみ(Mayumi Takamura)。40代王者は、全戦に出場して6戦でトップだった長野県の今井洋二(Yoji Imai)とアジア選手権2位の東京都の小川ミーナ(Mina Ogawa)。20代・30代の若い世代にも簡単には勝たせない。誰もが゛かっこいい”と思える雄姿をみせつけてくださいました。バーティカルの大きな可能性を示してくれたマスターズの皆さんにも、心からの敬意を表します。

2017バーティカルシリーズ マスターズランキング

マスターズのチャンピオンたち!! 左から内田、高村、宮下、須藤、小川、今井 ?Oze Iwakura VK
マスターズのチャンピオンたち!! 左から内田、高村、宮下、須藤、小川、今井 ?Oze Iwakura VK

なお、今大会は2018ユース世界選手権・代表選考会も兼ねていました。来年のユース選手権の開催地やユース日本代表は後日に発表されます。今年の経験をバネに、来シーズンのユース世代の若者たちの頑張りにも大いに期待です。

2018ユース世界選手権・代表選考会 ―尾瀬岩鞍VK―

今年度、ユースキャプテンとして裏方でも活躍した藤飛翔(Fuji Tsubasa)、通称、キャプテンつばさ ?Oze Iwakura VK
2017シーズン、ユースキャプテンとして裏方でも活躍した藤飛翔(Fuji Tsubasa)、通称・キャプテンつばさ ?Oze Iwakura VK

VKシリーズ最終戦 尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター

男子/MEN
1.ジョセフ・グレイ / Joseph Gray 40:49(アメリカ)
2.宮原 徹 / Toru Miyahara 43:05
3.永里 剛城  / Goki Nagasato 43:48
4.新牛込 崇史 / Takashi Shinushigome 44:28
5.吉野 大和 / Yamato Yoshino 45:04

女子/WOMEN
1.吉住 友里 / Yuri Yoshizumi 49:46
2.小川 ミーナ / Mina Ogawa 57:10
3.加藤 揚子 / Yoko Kato 59:32
4.星野 みどり / Midori Hoshino 1:01:51
5.福島 舞 / Mai Fukushima 1:02:44

VKシリーズ総合ランキング

男子/MEN
1.宮原 徹 / Toru Miyahara 405.6ポイント
2.永里 豪城 / Goki nagasato 347.6ポイント
3.新牛込 崇史 / Takashi Shinushigome 320.4ポイント

女子/WOMEN
1.吉住 友里 / Yuri Yoshizumi 420.0ポイント ※完全優勝
2.滝澤 空良 / Sora takizawa 298.0ポイント
3.須藤 吉仕子 / Kisiko Suto 290.8ポイント

大会リザルト

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