8月3日(金)、イタリア・グランサッソにて第3回目となるユース世界選手権(グランサッソ・スカイレース)が開幕しました。初日はひとつめの種目としてVERTICAL KILOMETER®(バーティカル・キロメーター)が開催されました。年齢別カテゴリのうちユースA(16―17歳)男子で近江竜之介(Ryunosuke Oumiが2位に入り、今回の世界選手権で日本チームとして初のメダルを獲得しました。

銀メダルを獲得した近江。中盤まで実に軽やかな登りであった ©Nagi Murofushi
銀メダルを獲得した近江。攻めの軽やかな登りであった ©Nagi Murofushi

日本からは8名の若きスカイランナーが出場しましたが、全体では過去最多の18カ国から156名のユース選手がグランサッソの地に集結しました。中には、各国のナショナルシリーズやワールドシリーズ戦等でも活躍する世界レベルの選手も混ざっており、過去2年間よりも層の厚くなったハイレベルなレースとなりました。

コースは3.5kmで+1000mを上昇する ©Nagi Murofushi
3.5kmで+1000mを上昇する世界級の急峻なコース ©Nagi Murofushi
初出場のブラジルチーム。今年は一気に参加国が拡大した ©Nagi Murofushi
初出場のブラジルチーム。今年は一気に参加国が拡大した ©Nagi Murofushi

グランサッソVKは3.5kmで+1000mとなります。総合トップは、男子はスペインのダニエル・ラボルダ・オサンズ(OSANZ LABORDA DANIEL36分29秒、女子はアメリカのソフィア・サンチェス(SANCHEZ SOFIA46分45秒。男女共に18-20歳のユースBカテゴリの選手が最速タイムをたたき出しました。

総合2位、U23カテゴリで金メダルを獲得したスイスの。2年前の第1回ユース選手権から成長した選手だ ©Nagi Murofushi
U23カテゴリで金メダルを獲得したスイスのロベルト・デロレンジ。第1回ユース選手権から成長した選手だ ©Nagi Murofushi

シニアに負けない超ハイレベルな男子。日本勢は各カテゴリに選手が出場しました。その中で最速タイムで標高差1000mを駆け登ったのはチーム最年少の高校2年生である近江竜之介(RYUNOSUKE OUMI。40分32秒の好タイムでユースAカテゴリで2位(惜しくもトップと1.1秒差)。今大会のVK種目において、日本チームで唯一となる銀メダルを獲得しました。ユースBカテゴリでは、服部一輝(KAZUKI HATTORIが18位、加藤晟人(AKIHITO KATOが20位。U23カテゴリでは、チームキャプテンの鈴木龍弥(RYUYA SUZUKIが12位、宮崎大夢 (HIROMU MIYAZAKIが13位、菊川惠大(KEITA KIKUGAWAが25位という結果でした。

3年分の思いを胸に秘めて駆け登ったチームキャプテンの鈴木。ゴール後には薄らと涙が光った ©Nagi Murofushi
3年分の思いを胸に秘めて駆け登ったチームキャプテンの鈴木。ゴール後には薄らと涙が光った ©Nagi Murofushi

今年から一気に選手層が厚くなった女子。日本勢はU23カテゴリに2名が出場しました。昨年のユースBカテゴリの銀メダリストである滝澤空良(SORA TAKIZAWAは7位、初出場の柿本恵理(ERI KAKIMOTOは9位という結果に。両名共にトップ10に入る大健闘をみせました。

初の海外戦となった柿本。怪我を抱えながらも9位と大健闘だった。背後は7位になった滝澤 ©Nagi Murofushi
初の海外戦となった柿本。怪我を抱えながらも9位と大健闘だった。背後は7位になった滝澤 ©Nagi Murofushi

本場イタリアのVKは、日本の大会ではみられない平均傾斜の難コースです。低酸素と急傾斜に苦戦して、満足のいく駆け登りができなかった選手もいましたが、キャプテンを中心にチーム一丸となって世界に挑んでいる姿が印象的なVKでした。2日後のスカイレースへの闘志に火が付いた選手もいるようです。「苦しいけど楽しかった」という快速登山ならではの感想も選手からありました。またひとつ真のスカイランナーへと成長したVKであったといえます。

これまた初の海外戦で好タイムでゴールした宮崎。我慢の登り。ゴール直後は足が攣ってしばらく動けなかった ©Nagi Murofushi
初の海外戦で好タイムでゴールした宮崎。我慢の登り。ゴール直後は足が攣ってしばらく動けなかった ©Nagi Murofushi

ユース世界選手権は休養日を1日はさみ、8月5日(日)に2種目目のSKYRACE®(スカイレース/21.6km/±2226m)が開催されます。バーティカルと合わせてのコンバインドの表彰もあります。引き続き日本チームへの応援をよろしくお願いします!!

寒い小雨の中でも若きスカイランナーへ大声援を送り続けた地元イタリアの方々 ©Nagi Murofushi
寒い小雨の中でも国籍関係なく若きスカイランナー全員へ大声援を送り続けた地元イタリアの方々 ©Nagi Murofushi

2018ユース世界選手権(VK) リザルト

ユースA(16-17歳)女子
1.GONFAUS SLLES LAIA(スペイン)52’46.3
2.SINFREU ALDUCIN ANDREA(アンドラ)53’14.4
3.NEMETH LUCA(ハンガリー)55’42.1
4.ITURRIA ALZATE ANE(スペイン)1:00’13.7
5.DE MENDIOLAGOITIA DIAZ ALBA(スペイン)1:03’32.3

ユースB(18-20歳)女子
1.SANCHEZ SOFIA(アメリカ)46’45.6
2.SVOBODOVA TEREZA(チェコ)49’58.8
3.BASSO CECILIA(イタリア)51’16.2
4.ZUBIZARRETA ARMENDARIZ IRATI(スペイン)51’36.4
5.KALOUSOVA TEREZA(チェコ)51’48.6

U23(21-23歳)女子
1.SCHMID ALESSANDRA(スイス)47’34.3
2.SABATA FONT CLAUDIA(スペイン)48’58.7
3.RYAZANOVA EKATERINA(ロシア)49’41.1
4.ÖBERG JOHANNE(スウェーデン)49’45.6
5.LANE MEG(アメリカ)50’05.7
7.TAKIZAWA SORA(日本)54’05.8
9.KAKIMOTO ERI(日本)59’02.6

ユースA(16-17歳)男子
1.TROULLIER VINCENT(フランス)40’31.5
2.OHMI RYUNOSUKE(日本)40’32.6
3.SOSTIZZO MATTEO(イタリア)40’46.2
4.PEREZ ANGLES ALBERT(スペイン)41’08.4
5.CONNELLY  MIKEYÂ(アメリカ)43’30.1

ユースB(18-20歳)男子
1.OSANZ LABORDA DANIEL(スペイン)36’29.5
2.MOLINA AGUSTÍN NICOLÁS(スペイン)39’00.0
3.BERTONCINI MATTIA(イタリア)39’56.0
4.DELORENZI MARCO(スイス)40’02.9
5.DETIENNE THEO(フランス)40’14.5
18.HATTORI KAZUKI(日本)44’24.1
20.KATO AKIHITO(日本)46’14.1

U23(21-23歳)男子
1.DELORENZI ROBERTO(スイス)36’32.4
2.BUCHS PASCAL(スイス)37’52.2
3.DONOVAN LLOYD(イギリス)38’18.4
4.CAGNATI LORENZO(イタリア)39’03.3
5.COLAIANNI CARLO(イタリア)39’41.3
12.SUZUKI RYUYA(日本)42’32.5
13.MIYAZAKI HIROMU(日本)42’43.8
25.KIKUGAWA KEITA(日本)46’31.7

リザルト・レポート(FISKY:イタリア・スカイランニング連盟)

2018ユース世界選手権がいよいよ開幕!!―イタリア・グランサッソ―

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