9月3日(日)に福島県二本松市で2023全日本スカイランニング選手権大会・スカイウルトラ種目(OSJ安達太良山トレイル50K)が開催されました。2024世界選手権の代表選考会を兼ねていることからハイレベルなウルトラスカイランナーが各地から集結した中、男子は小田切将真(Otagiri Shoma/長野県)、女子は秋山穂乃果(Akiyama Honoka/長野県)が2023全日本チャンピオンの栄冠を勝ち取りました。
全日本選手権の対象レースとなったOSJ安達太良山トレイルは、福島県二本松市のあだたら高原スキー場を起点として、日本百名山・安達太良山の各登山道を巡る距離51km/±3790mの国内屈指の本格派山岳レースです。全日本選手権にはJSA登録選手39名(男子33名、女子6名)が出走。日本一の座をかけたレースが展開されました。
男子は、小田切将真と上正原真人(Kamishohara Masato/長野県)が中盤までトップグループを形成し、小笠原光研(Ogawasara Koken/北海道)と笠木肇(Kasagi Hajime/東京都)の3位グループがすぐ後ろから追う展開となりました。小田切は中盤より徐々に2位以下を引き離して最終的には圧勝。昨年に引き続き、全日本選手権2連覇を達成しました。2位には上正原真人、3位には小笠原光研が入りました。40代以上のマスターズではOver40部門で薬師寺裕人(Yakushiji Yuto/愛媛県)、Over48部門で川崎義孝(Kawasaki Yoshitaka/群馬県)、Over56部門で中川善博(Nakagawa Yoshihiro/神奈川県)が金メダルを獲得しました。
優勝した小田切のコメント:
7時間半前後のゴールタイムになると予想してスタートしたが、想定より気温も上がらず日差しを遮る雲が長時間かかったこともあり、走りやすい環境が整っていた。5回登り返すコースはタフで、下りもテクニカルで一瞬も気を抜けないレースであったが、ヨーロッパ遠征でテクニカルな山を走ってきたのでその経験が生きた。最後までリズムをつくって走れりきれたことは自信になった。メダル獲得を目指す来年の世界選手権に向けても良い経験になった。
女子は、序盤からリードした秋山穂乃果が後続を40分以上突き放しての圧勝で初のスカイウルトラ女王の栄冠を手にしました。秋山は一昨年のスカイ、昨年のバーティカルとスカイに続き、3年連続の全日本タイトル獲得を達成しました。2位にはスカイランニング公式戦初出場の長野安那(Nagano Anna/長野県)が競り合いを制してランクイン。3位には昨年のスカイウルトラ女王である相原千尋(Aibara Chihiro/香川県)が入りました。40代以上のマスターズではOver40部門で乾友紀(Inui Yuki/東京都)、Over48部門で黒川芳恵(Kurokawa Yoshie/栃木県)が金メダルを獲得しました(Over56部門は該当者無し)。
優勝した秋山のコメント:
50kmで8時時間超という(自分にとって)前代未聞の過酷なコースだったが、なんとか最後まで走りきれた。途中、のどが渇きすぎて水たまりの水を飲むアクシデントもあったが、おなか壊してもいいやという気持ちになりました(笑)。来週、蔵王のバーティカルにも出るので、優勝狙ってしっかり調整していきたい。
全日本選手権・メダリスト(総合)
WOMEN
1.秋山 穂乃果(長野県)8:24:20
2.長野 安那(長野県)9:06:18
3.相原 千尋(香川県) 9:13:23
MEN
1.小田切 将真(長野県)6:44:43
2.上正原 真人(長野県)6:58:38
3.小笠原 光研(北海道)7:05:15
全日本選手権・メダリスト(マスターズ)
WOMEN(Over40)
1.乾 友紀(東京都/富士空界)12:44:57
MEN(Over40)
1.薬師寺 裕人(愛媛県)7:25:26
2.小幡 利春(新潟県/ECHIGO SKY CLUB)7:36:46
3.牛田 美樹(群馬県)7:37:16
WOMEN(Over48)
1.黒川 芳恵(栃木県/古賀志山快速登山部)11:27:15
MEN(Over48)
1.川崎 義孝(群馬県/SKYNINJA)9:00:50
2.山口 真一(新潟県)9:40:36
3.山口 幸博(東京都/SC丹沢秦野)10:02:50
MEN(Over56)
1.中川 善博(神奈川)10:45:29
VERTICAL・SKY種目
全日本スカイランニング選手権大会のバーティカル種目とスカイ種目は9月9-10日に山形県山形市・蔵王温泉で開催されます。23歳以下のユース選手権も兼ねており、日本各地から100名超のアスリートが蔵王の地に集結します。