6月23・24日に静岡県御殿場市にて「ユース強化合宿in富士御殿場」を実施しました。この合宿ではトレーニングを通したスカイランニングのスキルアップに加え、コンディショニング講話、ユースチームの課題や目標について共有・意見交換したユースチームミーティング等、実践的なトレーニングだけでなく、チームビルドも行うなどソフト・ハード面で大きな収穫を得る場となりました。

宝永第1火口を駆け抜ける
宝永第1火口を駆け抜ける

1日目は富士山が現在の形となった宝永大噴火によってできた宝永山(ほうえいざん・標高2693m)まで登山。初めて登頂したメンバーも多く、火口から感じる自然の猛威と、火山の美しさに感動の声も聞こえ、スカイランニングが改めて自然と共存し、戦うスポーツであることを実感したようでした。また、富士山の持つ様々な路面のサーフェスを活かして、講師の小川壮太氏、近藤敬仁氏より「実践的な体の使い方、登り・下り方」をレクチャーいただき、路面の選び方や姿勢、接地の仕方、目線など細かいところまで学ぶことができました。

原理に基づくわかりやすい説明を聞いてすぐに実践へ
原理に基づくわかりやすい説明を聞いてすぐに実践へ
御殿場名物「大砂走り」で味わう未知のスピードに大興奮
御殿場名物「大砂走り」で味わう未知のスピードに大興奮

トレーニング後は講師より「コンディショニング講話」。海外レースでの経験も含めたレース時の変化点への対応、日ごろの生活や今後のレースでもすぐに活かせるトレーニング、体調管理方法を学ぶことができ、8月3~5日にイタリア、グラン・サッソでのユース世界選手権を控える日本代表メンバーにとってはこの上ない機会となりました。また、スカイランニング以外の競技に取り組むメンバーにとっても自分の取り組みを見直すいいきっかけとなったようです。

海外経験豊富な講師陣にユースからの質問も多く出た
海外経験豊富な講師陣にユースからの質問も多く出た
海外でのトラブルもユーモアを交えて紹介
海外でのトラブルもユーモアを交えて紹介

日本各地で活動するユースたちが集い、初めて開催されたユースチームミーティングでは新旧キャプテンよりチームの課題や目標、スカイランニングへの想いについて共有され、全員がそれぞれの目標や活動、自分の強み・弱みについて議論が行われるなど、スカイランニングへの真摯な取り組みと情熱を感じる素晴らしいミーティングとなりました。その中で「レースにおける目標設定へのアプローチ」(以下参照)について小川壮太氏よりアドバイスをいただき、目標をできる限り具体的に正確なデータで表現し、結果に繋げていくための準備やプロセスも目標に組み込むことの大事さを学ぶことができました。

目標設定へのアプローチ

  1. 明確な自己分析
  2. より多くレースの情報を収集
  3. 能力に見合ったレースプランと順位目標
  4. 目標達成のためのトレーニングプラン
  5. レースに参加するまでの準備と必要な手続き
  6. 本業(仕事・学業)と両立するための手段
全員がユースチームへの想いを共有
全員がユースチームへの想いを共有

2日目は悪天候のため富士山頂アタックを中止し、山梨県の忍野村と富士吉田市の境にある高座山(たかざすやま・標高1304m)の急登でパワーハイクのスキルアップを行いました。ワールドクラスのアスリートとの違い(体の使い方・意識)や、傾斜による使い分け、レース時の応用、重心・軸の作り方など基礎~応用までじっくりと学ぶことで一人ひとりの改善点が明確になり、伸び悩んでいたメンバーにとって、さらなる成長への一歩を踏み出した特別な一日となりました。

パワーハイクを学び、驚くほど軽快に急登をクリア
パワーハイクを学び、驚くほど軽快に急登をクリア

今年から発足したユース委員会が主管して開催された本合宿は、日本最高峰富士山でのトレーニング、チームビルドを含めたカリキュラムなど初めての試みも多くありました。JSAでは今後も競技力・スキル向上だけではなく、メンタル面や道徳面の強化、そしてユース・ジュニア世代にスカイランニングを文化として伝えていける若者たちの育成を各委員会、他団体と連携し図っていきます。また、開催にあたりスイーパー、救護、運営本部としてご尽力いただいた富士空界-FujiSKY-の皆さんをはじめ、遠路遥々参加いただいた皆さん、貴重な時間をいただいた講師の皆さんに厚く御礼申し上げます。

世界選手権1

2018世界選手権基金