5月19日(土)、第1回目となる2018スカイランニング中部選手権として「経ヶ岳バーティカルリミット」が長野県南箕輪村で開催されました。今年で4回目の開催となる同大会は、急峻な山岳が聳える長野県南部地域において最大級の山岳レースとなります。コースは山麓の大芝公園と標高2296mの経ヶ岳山頂を往復する21km、標高差1650mの急峻なもの。これは村の中学校の体育行事として半世紀以上続いている「経ヶ岳強歩大会」の伝統的なルートでもあります。
2018中部選手権は中部地方(長野・静岡・愛知・岐阜・三重)在住の選手が対象になる、全国で開催される地域選手権のひとつとなります。女子は愛知県の長坂恵子(Keiko Nagasaka)が中部選手権初代女王の栄冠に輝きました。昨年、スカイランナージャパンシリーズとして位置づけられた同大会にて優勝した長坂は、終始安定した試合運びで中部勢では2位以下を大きく離して3時間11分で優勝。2位には長坂から+14分の3時間25分で愛知県の井原妙恵(Tae Ihara)、3位には3時間41分で静岡県の萩原鈴恵(Suzue Hagiwara)が入りました。
男子は長野県勢が上位を独占しました。中部選手権の初代王者は接戦を制して2時間17分30秒でゴールした藤飛翔(Tsubasa Fuji)となりました。藤は4月から新社会人として長野県に移住したばかりの22歳。序盤から先頭グループを形成して、急峻な登り坂では近江竜之介(Ryunosuke Oumi)と小田切将真(Syoma Odagiri)を追いかけて3番手で山頂へ。長大なダウンヒルで小田切を抜き去って中部選手権優勝の栄冠に輝きました。中部選手権2位になった小田切は長野市在住の24歳。「山岳レースは3戦目」というビギナーながら藤から+1分の2時間18分の好タイムでゴール。3位には長野県のレジェンドとして中距離レースで活躍する44歳の宮川鉄也(Tetsuya Miyagawa)がランクイン。若手からベテランまで、長野県勢の層の厚さをみせつけることになりました。
一方、総合優勝は中部地方勢ではなく、男子は京都の近江竜之介(Ryunosuke Oumi)、女子は東京の田中真紀(Maki Tanaka)が制することになりました。近江は8月にイタリアで開催されるユース選手権の日本代表選手であり、17歳の高校生です。終始リードして下り坂でも後続の追撃を振り切って、2時間14分49秒の好タイムで優勝しました。女子優勝の田中は先日の日本選手権「上田スカイレース」でも2位となって今期は絶好調。この大会でも後続を5分離しての3時間6分51秒でゴールしました。総合3位にいは福島の桑原絵里(Eri Kuwahara)がランクイン。地域選手権といえども、スカイランニングの強豪が全国から集う場になったといえます。
地域選手権は今年は日本各地で5大会開催されます。スカイランニング競技の振興とルール普及を目的としていますが、地域を代表する山岳レースを位置付けており、参加することで日本各地の山岳の魅力を知る意味もあるシリーズでもあります。次戦は中四国選手権、5月27日に広島県で開催される恐羅漢トレイル(エキスパート)となります。全国の皆様の挑戦をお待ちしています。
2018中部選手権
男子
1.藤 飛翔 / Tsubasa Fuji 長野県 2:17:30
2.小田切 将真 / Syoma Odagiri 長野県 2:18:47
3.宮川 鉄也 / Tetsuya Miyagawa 長野県 2:20:31
女子
1.長坂 恵子 / Keiko Nagasaka 愛知県 3:11:05
2.井原 妙重 / Tae Ihara 愛知県 3:25:44
3.萩原 鈴恵 / Suzue Hagiwara 静岡県 3:41:42
経ヶ岳バーティカルリミット 総合
男子トップ3
1.近江 竜之介 / Ryunosuke Oumi 2:14:49
2.藤 飛翔 / Tsubasa Fuji 2:17:30
3.小田切 将真 / Syoma Odagiri 2:18:47
女子トップ3
1.田中 真紀 / Maki Tanaka 3:06:51
2.長坂 恵子 / Keiko Nagasaka 3:11:05
3.桑原 絵里 / Eri Kuwahara 3:11:32