超高層ビルやタワーの階段を駆け登るステアクライミング(STAIRCLIMBING)の2024ワールドツアーで、渡辺良治(Watanabe Ryoji/東京都)が男子1位、立石ゆう子選手(Tateishi Yuko/埼玉県)が女子2位という快挙を成し遂げました。両者が挑戦してきたのは世界タワーランニング協会(Towerrunning World Association)が主催しているタワーランニングツアーとなります。11月24日に中国・上海で開催されたツアー最終戦で、渡辺は男子1位、立石は女子4位となり、年間のランキングが決定しました。

5月に台湾で開催されたタワーランニング世界選手権のニュース映像(ツアーのひとつ)

※補足説明
階段を駆け登るタイムを競うスポーツは、ISF(国際スカイランニング連盟)によりステアクライミング(STAIRCLIMBING)と定義されています。しかし、コロナ禍の影響によりISFが2009年より主管してきたVWC(バーティカルワールドサーキット)が休止となってしまっています。タワーランニング世界協会はISFとは別の団体となりますが、唯一の階段駆け登りの世界サーキットを主催している団体となります。

世界3位の高さを誇る超高層ビル「Shanghai Tower」で世界王者の座を決めた階段王・渡辺(渡辺提供)
渡辺と立石(立石提供)

タワーランニングの世界ランキングは、ポイントの高いツアーレース(優勝者は60点以上、最大で280点)とその他のレース(優勝者は40点)で構成されており、8戦の合計ポイントでその年の世界ランキングが決定されます。2024シーズン、渡辺は5月に開催されたポーランド・ワルシャワ、10月に開催されたロンドン、ニューヨークの3大会で優勝。暫定2位につけていたところ、ツアー最終戦の上海大会で優勝し、大逆転で世界王者に輝きました。

渡辺のコメント:
今季最終戦の上海大会は3398段で552mを駆け登る世界最長のレース。非常に苦しくハードなレースでしたが現地で応援してくれた家族やいつも応援してくれているみんなの存在が最後まで諦めないで頑張る力をくれました!本当にありがとうございます!! ステアクライミングに魅せられて、世界中の階段で世界中のライバルたちとサイコーの勝負をさせてもらった一年でした。その成果がこうして年間チャンピオンとして実を結んだことがとても嬉しいです!!この素晴らしい競技を一人でも多くのスカイランナーの方と共有できることを願っています。

女子選手の日本のリーダーとして世界で活躍する立石は、10月のロンドン大会で優勝。その他のレースでも上位に入り、最終戦の上海大会では4位。それまでは暫定3位でしたが、逆転して、世界ランキング2位の座に輝きました。

立石のコメント:
先日、2024年のツアー戦を上海の最長タワーで終えました。 年々、世界のレベルは上がっていて長時間フライトや時差がある中での海外戦で成績を残すことは決して簡単なことではありませんでしたがツアー戦に出場する度に感じるのは参戦している選手がこの階段競技が好きで相手をリスペクトしているということでした。 そんな素晴らしい選手の中で世界ランキング1位になることは成績だけではない素晴らしさを感じたからこそこの競技で世界一を目指したいと更に感じました。 今年は世界ランキング2位と優勝には届きませんでしたがこのツアー戦を闘い抜けたことを誇りに思っています。 また最後まで頑張れたのは多くの方の支えがあってのことです。 応援ありがとうございました。 来シーズンは更にレベルアップしたいと思います。

最終戦に挑んだ日本チームのメンバー(渡辺提供)

ステアクライミングは都市型のスカイランニング競技として、今後の発展が見込めるジャンルとなります。日本国内ではSJC(ステアクライミングジャパンサーキット)が2022年より実施されており、2025年2月には大阪府大阪市、3月に香川県高松市で公式戦が開催されます。

世界タワーランニング協会

2025 全日本ステアクライミング選手権大会

2025 全日本ジュニア交流大会

SJC(ステアクライミングジャパンサーキット)