10月19日(日)に長野県山ノ内町で2025全日本スカイランニング選手権大会・スカイウルトラ種目(志賀高原エクストリームトレイル)が開催されました。標高2000m超の区間を含むエクストリームな山岳コースは、夜間の降雨により過酷なコンディションとなりました。男子は上田瑠偉(Ueda Ruy/埼玉県)、女子は小谷奈穂(Kotani Naho/北海道)が2025全日本チャンピオンの栄冠を勝ち取りました。

霧雨の中スタート ©KTF/茂田羽生

全日本選手権の対象レースとなった志賀高原エクストリームトレイルは、長野県山ノ内町・志賀高原に位置する、熊の湯温泉(標高1700m)を起点として、横手山(標高2307m)・赤石山(2109m)・焼額山(標高2295m)等の2000m級の山岳を巡る距離55km/±2850mの国内屈指の本格派山岳レースです。全日本選手権にはJSA登録選手49名(男子40名・女子9名)が出走。冷たい雨の中、日本一の座をかけた熱いレースが展開されました。

男子トップ3、左から小田切・上田・丸山 ©JSA

男子の序盤は先頭で走る上田瑠偉に、2024世界選手権銅メダリストの実力者である小田切将真(Otagiri Shoma/長野県)が付いていく展開に。中盤より上田が抜け出し、ペースを落とすことなくそのままフィニッシュ。コロナ禍において、志賀高原の同大会で開催された2020全日本選手権(SKYULTRA)以来、5年ぶり2回目全日本SKYULTRAチャンピオンに輝きました。2人に続き、2024全日本選手権チャンピオンの丸山将真(Maruyama Shoma/長野県)が、終始順位をキープして3位でフィニッシュ。長野県出身の同級生3名が総合メダルを獲得しました。40代以上のマスターズではOver40部門で宮川朋史(Miyagawa Tomofumi/福井県)、Over48部門で岡田裕也(Okada Yuya/Ssessionzz/長野県)、Over56部門で岩瀬史明(Iwase Fumiaki/山梨)が金メダルを獲得しました。なお、岡田は同部門で2連覇達成となります!

横手山のガレ場を下る上田 ©KTF/茂田羽生

優勝した上田のコメント:

5年ぶりの志賀高原ということで、昨日着いた時に紅葉が綺麗だったので走るのを楽しみにしていました。レース自体は、今夏の海外遠征がうまくいかなくて”どうしてうまくいかなかったのかというところの検証”や、2週間後の100kmのレースが控えているので”そこに向けてのテスト”としていろいろなことを試しながら走りました。いずれもすごく良い形で収穫のあったレースになりました。来年の世界選手権がカナリア諸島で開催されるという事で、僕が行ったことのない島ではありますが、カナリア諸島の他の島は本当にロケーションが素敵なところなので、そこでの開催という事でワクワクしています。

女子トップ3、左から齋藤・小谷・林 ©JSA

女子は逆転劇がありました。2024全日本選手権チャンピオンの林楓(Hayashi Kaede/Ssessionzz/長野県)が序盤よりリードして先頭を走りますが、内臓のトラブルで中盤より失速。逆転したのは2024全日本選手権3位の小谷奈穂(Kotani Naho/北海道)。小谷は力強い走りをキープし続けて中盤以降は後続を徐々に引き離して、嬉しい全日本選手権初優勝を飾りました。2位には、2024全日本選手権2位の実力者である斎藤磨実(Saito Mami/神奈川県)がトップを僅差で追い続けてフィニッシュ。3位には調子が悪い中で粘った林楓が入りました。40代以上のマスターズではOver40部門で皆川美紀子(オリエンティア軍団/東京都)、Over48部門で齋藤磨実、Over56部門で伊藤礼子(Ito Reiko/新潟スカイクラブ/新潟県)が金メダルを獲得しました。齋藤は3年連続のマスターズ金メダル獲得となります!

フィニッシュ直後笑顔の小谷 ©JSA

優勝した小谷のコメント:

雨が降っていて地面のコンディションは良くなかったのですが、みんな一緒のコンディションの中ですし、雨のコンディションは私は苦手ではないので逆に良い方向に働きました。天気も去年よりは寒くなかったので、自分的にはベストな感じで、終始、落ちることなく最後まで一定のペースで走ることが出来たので良かったです。もともとスカイランニングを本気で取り組もうと思った時に立てた目標が、日本代表になって世界と戦うというところだったので、今日は貴重な機会を得ることができたということでとても嬉しいです。1年間時間があるので、しっかり準備して、自分のベストが出せるように頑張っていきます。

全日本選手権・メダリスト(総合)

MEN
🥇上田 瑠偉(埼玉)5:27:27
🥈小田切 将真(長野)5:44:55
🥉丸山 将真(長野)6:04:29

WOMEN
🥇小谷 奈穂(北海道)7:19:00
🥈齋藤 磨実(神奈川)7:27:51
🥉林 楓(Ssessionzz/長野)7:42:53

全日本選手権・メダリスト(マスターズ)

※男子3位の大畑は急用のため表彰式は欠席

O40-MEN
🥇宮川 朋史(福井)6:20:17
🥈松田 博幸(ECHIGO SKY CLUB/新潟)6:33:52
🥉大畑 匡孝(富士空界/静岡)6:38:10

O40-WOMEN
🥇皆川 美紀子(オリエンティア軍団/東京)7:49:42

O48-MEN
🥇岡田 裕也(Ssessionzz/長野)6:45:43
🥈川崎 義孝(SKYNINJA/栃木)7:15:34
🥉原 和也(福島)7:28:13

O48-WOMEN
🥇齋藤 磨実(神奈川)7:27:51
🥈高橋 瑞恵(Ssessionzz/長野)9:12:39

※男子3位の古田は表彰式の時点でレース中、フィニッシュ後にメダル授与

O56-MEN
🥇岩瀬 史明(山梨)9:13:03
🥈山田 勝久(福井)9:29:23
🥉古田 崇(SC丹沢秦野/神奈川)10:21:49

O56-WOMEN
🥇伊藤 礼子(新潟スカイクラブ/新潟)9:28:42

全リザルト

VERTICAL・SKY種目

全日本スカイランニング選手権大会のバーティカル種目スカイ種目は11月1-2日に新潟県魚沼地域で開催されます。23歳以下のユース選手権も兼ねており、日本各地から、のべ200名超のスカイランナーが日本最高峰の頂に挑戦します。

2025全日本スカイランニング選手権大会

志賀高原エクストリームトレイル

GALA湯沢バーティカル

魚沼スカイラン