7月25日(金)、山梨県富士吉田市にて第78回富士登山競走が開催されました。距離21km/標高差3000mを一気に駆け登る、日本一の山岳を舞台とする伝統のレースは2025 V GAMES JAPANの第2戦に位置づけられております。男子は上田瑠偉(Ueda Ruy)が2時間36分43秒で初優勝を飾りました。女子は吉住友里(Yoshizumi Yuri)が3時間08分36秒でフィニッシュし、女子では前人未到の記録を伸ばし7連覇を達成しました(※男子の芹沢雄二(Serizawa Yuji)の7連覇に並びました!)

富士登山競走(21km/+3000m)
2025優勝タイム
男子/MEN   上田 瑠偉 2:36:43
女子/WOMEN  吉住 友里 3:08:36
コースレコード
男子/MEN   宮原 徹 2:27:41 (2011)
女子/WOMEN 中島 和子 2:51:36 (1986)

山頂目指して駆け登る上田瑠偉 ©Sho Fujimaki
フィニッシュ直後に涙する上田瑠偉 ©Sho Fujimaki

男子優勝の上田は、序盤よりトップを走り続ける完全勝利でした。しかし、想定よりもタイムが伸びず、目標としていた大会新記録を狙うのではなく、勝利へと狙いを切り替えての我慢のレースでした。スカイランニング世界王者が、出場3回目にしてようやく勝ち取った富士登山競走の初勝利となりました。

上田のフィニッシュ直後のコメント:

プレッシャーがハンパ無かったので(優勝できたことは)嬉しいには嬉しい。途中まで竜之介(近江竜之介選手=前回大会王者)が強く、去年より全然身体が動かない。馬返しでやめたかったくらいですが、最後まで走りきれて良かったです。でも、やっぱりあれだけ(新記録樹立を)宣言しておきながらも、応援してくれる人たちが期待できるようなラップタイムでは無かった。この1年、タイムをみてやってきましたが(宮原徹の記録に)全然歯が立たないって悔しいですね。マジで感情が分かんないっす。

山頂直下を駆け登る吉住 ©Sho Fujimaki
7連覇を達成した吉住 ©Sho Fujimaki

女子優勝の吉住も序盤からトップを走る堅実なレース展開で優勝。昨年よりも5分近く良いタイムの3時間8分台で、見事7連覇を達成しました。富士登山競走の7連覇は、かつて10勝を遂げたレジェンドである芹沢雄二(Serizawa Yuji)の7連覇に並ぶ偉業となります。吉住の場合はコロナ禍の休止期間(2020・2021年の2年間)をはさんでいるため単純な比較はできませんが、来年の大会でいよいよ真の未到領域である8連覇への挑戦となります。

吉住のフィニッシュ直後のコメント:

今回の目標は7連覇と3時間10分を切りたいと思っていました。5合目の通過が1時間37-38分だったので、去年の40分より早く、今回は6合目より上の山の区間の練習をしっかりしていたのでいけるかなと思い、思いっきり追い込んだ結果、3時間10分を切れたので良かったです。きつかった、久々に追い込みました。

男子トップ3 菊嶋・上田・山口 ©Sho Fujimaki
女子トップ3 小川・吉住・好士 ©Sho Fujimaki

男子2位は終始上位をキープした実力者である山口大河(Yamaguchi Taiga)、男子3位は地元山梨のレジェンドである菊嶋啓(Kikushima Kei)が粘りのレースで勝ち取りました。女子トップ3は昨年と同じメンバー。2位は小川ミーナ(Ogawa Mina)、女子3位は好士理恵子(Koshi Rieko)でした。

駆け登る選手達 ©Sho Fujimaki

2025 V GAMES JAPANは5月~12月の期間で全7戦で構成され、全4戦(3戦+最終戦)の獲得ポイントでシリーズランキングが決定されます。次戦は8月16日に群馬県嬬恋村で開催される嬬恋スカイラン(バーティカル)です。

V GAMES JAPAN 第2戦「富士」TOP5

WOMEN
1.吉住 友里(山梨)3:08:36
2.小川 ミーナ(東京)3:21:21
3.好士 理恵子(東京)3:24:08
4.枝元 香菜子(石川)3:28:52
5.秋山 美由(山梨)3:30:28

MEN
1.上田 瑠偉(埼玉)2:36:43
2.山口 大河(東京)2:43:17
3.菊嶋 啓(山梨)2:51:33
4.上正原 真人(長野)2:52:20
5.藤 飛翔(長野)2:53:22

富士登山競走

2025 V GAMES JAPAN