5月18-19日に御嶽山の麓、長野県木曽郡王滝村にて「ユース合宿in御嶽山」が開催されました。この合宿はユース世代の親睦、JSAメンバーの交流を深めること、スカイランニングにおける”ランニング”技術(攀じる・滑る)の習得、ユース世界選手権に向けた競技力向上及び高度順化を目的に行われました。
初日は王滝村ふるさと協力隊を務める大瀬和文氏が、旧村道を整備した1.7㎞,標高差350mのコースにて、バーティカル練習を行い、講師の大瀬氏、藤飛翔氏より登りにおけるラン・パワーハイクのポイントをご指導いただきました。
2人の理論に共通していたのは身体の「反射」を運動に利用すること。1.7km D+350mと500m走3セットのトレーニングメニューを通して、考えた通りに身体を動かすことに悪戦苦闘しながらも、各々課題を見つけ考えながら練習に取り組むユースの姿が印象的でした。
夜は安全環境委員会の木村卓哉氏により安全登山、パフォーマンスコーディネーターの藤本隆靖氏により大会へ向けたコンディショニング、藤飛翔氏よりマインドフルネスについてそれぞれご講話いただきました。
スカイランニング=山岳競技。知識なくして安全な競技、トレーニングはできません。安全講話では、登山時の危険に対する対処、安全登山の為の準備、個人に適した装備の携行について改めてそれぞれが考え、発表を通し学び合いました。
コンディショニング講話では、大会へ向けたトレーニングと食事面のアプローチについて実例の紹介を交えアドバイスがありました。選手としてベストパフォーマンスを発揮するために、様々な視点から自分を分析することが必要だと学びました。
マインドフルネスでは「やるべき事に集中する=気持ちのコントロール」についての説明と実践が行われました。瞑想を通して雑念を取り除き、心身ともにリラックスした状態をつくり出すこの動作は日常生活にも応用できる充実した内容でした。
2日目はスカイレースへ向けた体づくりを実施。御嶽山での活動予定も、残雪の影響から木曽駒ケ岳七合目までに変更し、福島Bコースへトライしました。講師の2人からストックワークや高地での呼吸法について講習があり、ユースからも積極的に質問する姿が見られました。標高2000m以上になると残雪が現れテクニカルさが増していく中、ユースたちはお互いの経験からアドバイスし合い、路面の変化を真剣に、楽しんで登山していました。今回のようにゆっくり登山した経験の少ないユースにとっては改めて自然を感じ、山と会話しながら山頂を目指す貴重な体験になったことでしょう。
本合宿はJSAユース委員会の主管にて、リスクマネジメントと人脈形成の観点から、講師・スタッフ総勢10名の体制にて行いました。開催にあたりご協力いただきましたスタッフの皆様をはじめ、遠方から参加していただいた皆様、貴重な時間と知識をいただいた講師の皆様に厚く御礼申し上げます。