12月3日、中国・香港にて、2017スカイランニングアジア選手権「ランタオ50(Lantau50)」が開催されました。今回はウルトラ部門のアジア選手権として開催され、日本勢はメダル5個を獲得する大活躍をみせました。メダルを独占した男子は、三浦裕一(Yuichi Miura)が金、星野和昭(Kazuaki Hoshino)が銀、長田豪史(Goshi Osada)が銅。女子は、星野由香理(Yukari Hoshino)が銀、丹羽薫(Kaori Niwa)が銅。その結果、日本は獲得メダル数で競う国別ランキングで3年連続でアジアトップの座を得ることができました。
2017アジア選手権は、9月の蔵王スカイランニングにおけるバーティカルとスカイレースの2種目と、今回のランタオ50のウルトラ種目、合計3種目で競われます。蔵王に引き続き、日本・香港・中国・韓国・台湾・フィリピン・マレーシアから強豪選手が再び参戦し、ネパールからは世界屈指の女性スカイランナーのミラ・ライ(Mira Rai)が2年ぶりに参戦して注目を集めました。
男子は、昨年のこの大会で2位になったスペイン人のクリストファー・クレメンテ(Christopher Clemente)がゲスト選手として参加。レースでは、実力のあるクリストファーが中盤から抜き出て、三浦裕一、星野和昭、長田豪史と大瀬和文(Kazuhumi Ose)や町田知宏(Tomohiro Machida)らが追いかける展開となりました。温暖な香港の気候は冬を迎えつつある日本の選手にとって厳しい条件。階段の続くタフなコースのため、中盤以降にペースを落とす選手が続出しました。その中、三浦は中盤以降も10分程度でクリストファーを追撃する粘りをみせました。最終的にはクリストファーから+13分の6時間2分でフィニッシュ。アジア勢としては1位のため、昨年に引き続きアジア選手権の金メダルを獲得しました。3位には中盤まで三浦と競っていた星野が6時間39分でランクイン。4位には後半追い上げるレース展開をみせた長田が6時間42分で見事フィニッシュしました。
女子は、ネパールのミラ・ライが序盤から男子のトップ10に入るハイペースで独走状態となり、星野由香理が2番手で追いかけ続ける展開に。その差は終始開き続け、世界レベルの実力をみせつけました。2番手をキープし続けた星野は、序盤からミラを追撃すべく攻めのレースに徹しましたが、中盤以降は疲労のためペースダウン。しかし、前半の貯金で最後まで逃げ切り、見事、銀メダルを獲得しました。丹羽薫は序盤から落ち着いたペースで5位程度をキープ。ずば抜けた持久力をもつ丹羽は、終盤に順位を上げ、最終的には先行する星野との差を10分程度まで詰めて、銅メダルを獲得しました。
この結果、2017アジア選手権における日本チームはメダル総獲得数16個というアジアナンバーワンの結果を得ることになりました。なお、星野由香理(Yukari Hoshino)は蔵王でのバーティカルの銅とスカイレースの銀に続き、3種目でメダルを獲得です。アジア版エミリー・フォースバーグともいえる、カテゴリを超越した大活躍をみせてくれました。
今回3年連続でアジアトップの座を獲得できたのは、メダリストの活躍もありますが、メダリストと同じスタートラインに立った全てのスカイランナーの情熱、そして、チームや大会を支えたスタッフのご尽力があるからです。スカイランニングは個人戦でありながらも、切磋琢磨して高めあっていくチームでの総力戦でもあります。この素晴らしい結果は、スカイランニングに関わった全ての仲間たちで獲得したものであります。JSAスタッフ一同、皆様方に、心より御礼申し上げます。
2017アジア選手権 ランタオ50 リザルト
Men
1. Christopher Clemente (ESP) 5h49’02”
2. Yuichi Miura (JPN) 6h02’09”
3. Kazuaki Hoshino (JPN) 6h39’11”
4. Goshi Osada (JPN) 6h42’47”
5. Rudy Bottin (FRA) 6h43’27”
Women
1. Mira Rai (NEP) 6h50’34”
2. Yukari Hoshino (JPN) 7h52’32”
3. Kaori Niwa (JPN) 8h02’10”
4. Yin Hung Tsang (CHN) 8h04’53”
5. Yee Ting Chris Kwan (HKG) 8h30’05”
2017アジア選手権 国別ランキング