8月1-3日、イタリアのグランサッソにて2025ユース世界選手権が開催されました。今回で9回目となる若きスカイランナーの祭典には、30カ国より239名、日本からは13名が参加しました。日本チームの結果としては、個人では合計で5つのメダルを獲得。国別の獲得ポイントで競われる団体では、スペイン・イタリア・ノルウェーに次ぐ4位という結果でした。

バーティカルフィニッシュ後のユース日本代表 ©JSA

8月1日(金)に開催されたバーティカル全長3.5km 、標高差1,000mを駆け登るコース設定。YouthA(15-16歳)大掛莉奈(Ogake Rina/愛知県/SKY TIGER)が2位、YouthB(17-18歳)の小幡莉子(Obata Riko/新潟県/Echigo Sky Club)YouthC(19-20歳)小林華蓮(Kobayashi Karen/石川県)が3位に入る活躍をみせました。

大掛莉奈のコメント(2大会連続のメダル獲得)

今日はウェーブスタートで、途中では自分が何位にいるか分からなかったですが、全力を出すことができて良かったです。

小幡莉子のコメント(3大会連続でのメダル獲得)

2年前からずっとライバルであったインディボルギ(=ノルウェーの金メダリスト)に途中で抜かされましたが、ずっと付いていくことができ、今までよりもタイムを縮めることができたので良かったです。

小林華蓮のコメント(4大会連続でのメダル獲得)

これ以上ないくらい頑張って自分を追い込むことができました。3位に入れてほっとしています(4位とは1秒差の接戦でした)

ISFニュース:11 countries take medals at the Youth Championships VERTICAL

バーティカル入賞者、左から小幡・大掛・小林 ©JSA
銅メダルを獲得した小幡 ©Damiano Benedetto Photo

休息日を挟んで、8月3日に開催されたスカイは年齢カテゴリーごとに異なるコース設定。ユースCとU23は、グラン・サッソ・スカイレース® (全長23km 、標高差2,226m 、最高地点標高2,533m )の全区間。一方、ユースAとユースBのカテゴリーは、最初の区間(全長9km、標高差850m)のみ。ダウンヒルを含むこの種目でも、YouthA(15-16歳)大掛莉奈2位に入り、両種目の獲得ポイントで競われるコンバインド(複合)でも2位。3つの銀メダルを獲得しました。

大掛莉奈のコメント

今日も2位で悔しい結果になりましたが、自分の全力を出すことができて良かったです。応援ありがとうございました!

標高2500m級の急峻な尾根を駆けるコース ©Damiano Benedetto Photo
スカイ表彰式での大掛莉奈 ©Damiano Benedetto Photo

団体では、日本はスペイン・イタリア・ノルウェーに次ぐ4位という結果でした。3位のノルウェーとは20ポイント差の大接戦であり、スカイ種目だけでは日本は3位でしたが、惜しくも、バーティカルでのノルウェーが獲得したポイントを逆転するには至りませんでした。

団体の順位決定:各年齢カテゴリーの SKY および VERTICAL レースで上位 3 名の選手 (男女各 1 名以上) が獲得した個人ポイントに基づく。同点の場合は、完走者数が多いチームが上位となる。1位から、100-88-78-72-68-66-64…と獲得ポイントが振り分けられる。

ISFニュース: Spain, Italy and Norway head the Youth Championships. Twelve countries take medals

団体トップ3、右からイタリア・スペイン・ノルウェー ©Damiano Benedetto Photo

第9回目のユース世界選手権では、日本を含む、12カ国がメダルを獲得するに至りました。JSA代表兼ユース監督の松本大(Matsumoto Dai)は次のように述べます。

日本チームは惜しくも4位で団体でのメダルは逃しましたが、各選手はそれぞれの全力を出してよく頑張りました。日本チームを支えていただいた多くの皆様に心より御礼申し上げます。スペインやノルウェーのような上位国は選手育成システムを計画的に構築しており、この数年だけみても選手層の厚みが着々と増しています。メダルを獲得した12カ国が増えたということは、スカイランニングが世界的に普及していることを証明しています。今後、日本チームが世界で活躍するためにも、近隣のアジア各国と切磋琢磨できる環境を整える必要があると感じています。

2025 Youth Skyrunning World Championships ranking

女子キャプテンの小林 ©JSA

23歳以下の若者たちの祭典であるユーススカイランニング世界選手権は毎年開催されており、2026シーズンも開催が計画されています(開催地は現時点では未定)。2026ユース日本代表は、11月新潟県魚沼地域で開催される全日本選手権での結果等で選出予定です。8月16日に群馬県で開催されるジュニア交流大会(嬬恋スカイラン)の場で報告会も開催予定です。今回、ユース日本代表の応援クラウドファンディングでは124名の方にご協力いただきました。世界を志す日本の若き山岳アスリートを応援・支援してくださる皆様に心より御礼申し上げます。

VERTICAL-リザルト

MEN

YA
1. CLARK PATRICK(AUS)00:41:48
2. FERNANDEZ GARCIA EKAIN(ESP)00:41:54
3. LUNDQVIST ARON(SWE)00:42:18
14. SUZUKI LEONARDO(JPN)00:49:46

YB
1. SAGUÉS ROVIRA BIEL(ESP)00:37:30
2. PIUMARTA FILIPPO(ITA)00:41:42
3. GADIN DAVIDE(ITA)00:42:18
5. YABANA MISORA(JPN)00:42:42
19. YAMAGISHI TAISHI(JPN)00:47:41

YC
1. PUIGVERT PALACIOS LLUÍS(ESP) 00:35:50
2. MEUSBURGER MAXIMILIAN(AUT)00:38:22
3. CAMESI FIORILLO(SUI) 00:38:44
12. NITTA KAZUKI(JPN)00:44:57

U23
1. NET PUIG ÏU(ESP)00:36:56
2. VENERO JIMENEZ FABIAN(ESP)00:38:01
3. EHRLE LUKAS(GER) 00:38:38
10. HASE RYOSHIN(JPN)00:43:03
21. OKA KAKERU(JPN)00:45:40
31. FURUTA REN(JPN)00:47:46

WOMEN

YA
1. GREENBERG BROOKE(USA)00:49:11
2. OGAKE RINA(JPN)00:50:17
3. BRUSETH ANNA(NOR) 00:52:42
5. OGAKE YUNA(JPN)00:53:13
11. YAMADA YUNO(JPN)01:01:41

YB
1. SYNSTNES HOLE INGEBORG(NOR)00:49:27
2. BECK LUNA(FRA)00:50:26
3. OBATA RIKO(JPN)00:50:43
13. SAITO YUMI(JPN)01:06:36

YC
1. JOSEFSSON AGNES(SWE) 00:46:43
2. LASALLE GRATACOS GABRIELA(ESP)00:47:11
3. KOBAYASHI KAREN(JPN)00:52:08

U23
1. POZZI MARTINA(ITA)00:45:19
2. CORRAL HODAR CLAUDIA(ESP)00:45:31
3. ALONSO PEDREÑO DALIA(ESP) 00:49:11

SKY-リザルト

MEN

YA
1. MENA LLOBERA POL(ESP)00:57:15
2. FERNANDEZ GARCIA EKAIN(ESP)00:58:09
3. CLARK PATRICK(AUS)00:59:03
5. SUZUKI LEONARDO(JPN)01:02:45

YB
1. SAGUÉS ROVIRA BIEL(ESP)00:54:04
2. CRANSAC CHAYRIGUES OSCAR(FRA)00:57:49
3. SUINI CHRISTIAN(ITA)00:58:40
6. YABANA MISORA(JPN)00:59:36
16. YAMAGISHI TAISHI(JPN)01:05:30

YC
1. PUIGVERT PALACIOS LLUÍS(ESP)02:32:21
2. MEUSBURGER MAXIMILIAN(AUT)02:34:57
3. BENTHAM SAM(GBR)02:38:31
8. NITTA KAZUKI(JPN)02:49:28

U23
1, VENERO JIMENEZ FABIAN(ESP) 02:26:02
2. NET PUIG ÏU(ESP)02:26:44
3. SPENCER TOM(GBR)02:32:25
11. OKA KAKERU(JPN)02:53:10
12. HASE RYOSHIN(JPN)02:53:36
27. FURUTA REN(JPN)03:06:46

WOMEN

YA
1. GREENBERG BROOKE(USA)01:09:42
2. OGAKE RINA(JPN)01:10:29
3. BRUSETH ANNA(NOR)01:10:35
4. OGAKE YUNA(JPN)01:12:58
5. YAMADA YUNO(JPN)01:16:01

YB
1. SYNSTNES HOLE INGEBORG(NOR)01:09:09
2. BECK LUNA(FRA)01:09:11
3. MCINTOSH SIDNEY(USA)01:10:08
7. OBATA RIKO(JPN)01:14:42
15. SAITO YUMI(JPN)01:33:08

YC
1. JOSEFSSON AGNES(SWE)03:05:47
2. LASALLE GRATACOS GABRIELA(ESP)03:11:57
3. LLANSÓ BORDES NÚRIA(ESP)03:22:32
7. KOBAYASHI KAREN(JPN)03:39:29

U23
1. ALONSO PEDREÑO DALIA(ESP) 02:59:52
2. CORRAL HODAR CLAUDIA(ESP)03:00:41
3. POZZI MARTINA(ITA)03:02:38

2025 Youth Skyrunning World Championships