11月19日(日)大阪市のあべのハルカス2023ステアクライミング世界選手権が開催されました。11カ国から代表選手が集結した世界最高レベルの競技会において、日本代表の渡辺良治(Watanabe Ryoji)吉住友里(Yoshizumi Yuri)が金メダルを獲得しました。吉住は世界選手権2連覇を達成。渡辺は悲願の金メダル獲得となります。

11カ国から大阪にステアクライマーが集結 ©Meeting

階段を駆け登る速さを競うステアクライミングは2008年よりISF(国際スカイランニング連盟)が主管する競技種目となり、世界各都市のタワーを駆け登るVWC(バーティカルワールドサーキット)がコロナ禍前の2019年まで実施されていました。2022年11月に第1回目の世界選手権がドバイで開催され、記念すべき2回目の世界選手権の舞台が日本・大阪となりました。心肺機能の限界に挑む垂直方向の戦いの舞台は、大阪市の”最高峰”であるあべのハルカス。その59階にある展望台まで1610段の階段を、世界選手権のアスリートたちは驚異的な速度で駆け登りました。

女子のスタート。立石ゆう子(中央)が最初はトップで登る展開 ©Meeting
吉住は14階でトップに出て後続を突き放した ©Meeting

女子で優勝(2連覇達成)した吉住のコメント

去年に引き続き、ステアクライミング世界選手権で二連覇できて本当に嬉しいです。今年は日本で、しかも、私の生まれ故郷である大阪で世界選手権が開催され、世界各国からたくさんのアスリートが来てくれたことがすごく嬉しかったし、懐かしい知り合いにもたくさん会え、応援して貰えて、そこで勝てて嬉しさ倍増でした!
日頃からご支援ご声援して下さるスポンサー様や応援して下さる皆様に感謝したいです。レース展開は、最初は3番手につき、モンゴルの選手を抜くのに手こずったのがかなりロスになりましたが、14階くらいで先頭に出た後は自分との戦いでした。後半もキツいながらもペースを落とさずに登りきれたと思いましたが、自分のコースレコードに6秒届かず悔しいです。
普段は山ばかり走っているため、階段レースは去年のドバイでの世界選手権以来1年ぶりでしたが、久しぶりに喉が痛くなるくらい追い込め、強烈な刺激が入りました(笑)。山の上から見る景色が大好きなんですが、高層ビルの上から見る景色も最高でした!大会を開催するにあたりご尽力下さった皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました!来年も三連覇目指して頑張ります!

男子のスタート。渡辺が飛び出す ©Meeting
渡辺がついに世界の「階段王」になった ©Meeting

男子で優勝(初優勝)した渡辺のコメント

自分はスカイランニングに出会った9年前に世界に挑戦すると決めました。このステアクライミングに出ったのが7年前。どんなスポーツをしても芽が出なかった自分が「世界チャンピオン」になる」という途方もない夢を描きました。叶えられる保証なんてどこにもなかったけど、常に応援してくれる仲間がいたおかげであきらめず続けてこられたことで勝利をつかむことができました。
応援していただいた全ての人と力を合わせて勝ち取った世界チャンピオンというタイトルです!ぜひ一緒に喜びを分かち合いましょう!ありがとう、スカイランニング!!ステアクライミング、万歳!!階段、サイコー!!
これからもずっと階段の世界で挑戦を続けていきますので皆さんの新たな挑戦、特に若いスカイランナーの皆さんの挑戦を心待ちにしています。

男女トップ3、日本・モンゴル・イタリア・フィンランドがメダルを獲得した ©Meeting

2023ステアクライミング世界選手権トップ10

MEN
1.Ryoji Watanabe(日本)8’53”61
2.Fabio Ruga(イタリア)9’31”83
3.Luvsansharav Natsagdorj(モンゴル)9’47”75
4.Satoshi Kato(日本)9’52”28
5.Myagmarsuren Javaa(モンゴル)10’08”10
6.Shoki Yajima(日本)10’09”05
7.Ignacio Cardona(スペイン)10’21”55
8.Brano Baltic(モンテネグロ)10’23”57
9.Laurence Ball(イギリス)10’35”13
10.Srdjan Mate(セルビア)10’51”59

WOMEN
1.Yuri Yoshizumi(日本)10’20”06
2.Laura Manninen(フィンランド)11’02”17
3.Nomin-Erdene Bayartogtok(モンゴル)11’19”27
4.Yuko Tateishi(日本)11’33”36
5.Airi Sawada (日本)11’33”49

6.Antonia Grigorova(ブルガリア)12’34”51
7.Laureen Teixeira(ポルトガル)12’45”95
8.Cindy Reid(オーストラリア)12’53”61
9.Cristina Bonacina (イタリア)14’04”74


SJCエリート男子のスタート ©Meeting
SJC女子エリートのスタート ©Meeting
SJCトップ3 ©Meeting

あべのハルカスで開催された世紀のコンペティションはSJC(ステアクライミングジャパンサーキット)第2戦を併催していました。SJCエリートの部門では男子は緒方航(Ogata Wataru)が初優勝を飾りました。女子は世界選手権組で出走した立石ゆう子(Tateishi Yuko)が優勝となりました。結果は以下の通りとなります。

SJC第2戦 大阪大会

MEN
1.緒方 航 オガタ ワタル 9’42”16
2.高村 純太 タカムラ ジュンタ 9’43”62
3.加藤 聡 カトウ サトシ 9’52”28
4.島⽥ 拓弥 シマダ タクヤ 9’59”05
5.梅村 碧一 ウメムラ アオイ 10’01”84
6.遠藤 直弥 エンドウ ナオヤ 10’05”81
7.矢島 昭輝 ヤジマ ショウキ 10’09”05
8.加藤 浩 カトウ ヒロシ 10’10”93
9.涌嶋 優 ワクシマ スグル 10’19”58
10.高前 直幸 タカマエ ナオユキ 10’21”77

WOMEN
1.⽴⽯ ゆう⼦ タテイシ ユウコ 11’33”36
2.沢⽥ 愛⾥ サワダ アイリ 11’33”49
3.サンドホファー・リン 12’28”77
4.⻑⾕川 由理 ハセガワ ユリ 12’29”71
5.本郷 沙穂 ホンゴウ サホ 13’14”84
6.⼩池 未絵奈 コイケ ミエナ 13’18”05
7.須藤 理絵 スドウ リエ 13’38”51
8.須藤 吉仕⼦ ストウ キシコ 13’45”60
9.國本 智世 クニモト チヨ 14’02”17
10.坂本 綾 サカモト アヤ 14’03”49

2023 Stairclimbing World Championships

2023 SJC