9月9-10日(土-日)に山形県山形市蔵王温泉で2023全日本スカイランニング選手権大会・バーティカル種目+スカイ種目(ZAO SKYRUN)が開催されました。2024世界選手権(マスターズやユース世界選手権も含む)の代表選考会を兼ねていることから史上最高レベルともいえる山岳アスリートが各地から集結。バーティカルで男子は山口大河(Yamaguchi Taiga/東京都)、女子は沢田愛里(Sawada Airi/北海道)。スカイでは上田瑠偉(Ueda Ruy/埼玉県)、高村貴子(Takamura Takako/長野県)が2023全日本チャンピオンの栄冠を勝ち取りました。また、バーティカルとスカイの2種目の合計で競うコンバインド(複合)では山口大河(Yamaguchi Taiga/東京都)、相原千尋(Aibara Chihiro/香川県)が金メダルを獲得。チームではTEAM☆SKY KYOTO・SC丹沢秦野・SKYINNJAがメダルを獲得しました。
バーティカル/VERTICAL
蔵王のバーティカルは5kmで標高差800m上昇というバーティカルとしては緩やかなコース設定。レース当日は熱帯低気圧の影響もあり、薄曇りで蒸し暑い条件でのスタートとなりました。男子は中盤よりトップに出た山口大河が全日本初優勝を飾りました。2位にはオリエンテーリング日本王者の新星、小牧弘季(Komaki Hiroki/東京都/オリエンティア軍団)がランクイン。3位には終盤で順位を上げた武村佳尚(Takemura Yoshihisa/香川県)が2年連続でバーティカル種目の全日本選手権メダル獲得を達成しました。
優勝した山口大河のコメント:
今日は走り始めて暑さが辛かった。前半は乾(いぬい)さんが飛び出してそれに付いて走っていく事はできましたが、中盤から暑さにやられはじめて(ペースを)上げきれなかったが、何とか堪え切れたので良かった。エントリーリストには大会で上位に入る方ばかりだったので、不安と楽しみな気持ちで大会に出て、そこで勝ち切ることができたのは自信につながりました。
女子は2022バーティカル女王の秋山穂乃果(Akiyama Honoka/長野県)が中盤までリードするも失速。秋山に食らいついていた沢田愛里(Sawada Airi/北海道)が全日本で初の栄冠を勝ち取りました。2位には先週のスカイウルトラで3位の相原千尋(Aibara Chihiro/香川県)がランクイン。3位に秋山穂乃果が入りました。
沢田愛里のコメント:
(トライアスロン競技と両立しているため)バーティカルに対して準備が不十分な状態であり、強豪選手がいる中で自分はやれることをやるしかないなという気持ちで臨みました。苦手な下りが無いので、自分の走りさえしっかりやれば何かいいことが付いてくるかなという気持ちでやりました。今シーズンはトライアスロンの国体が残っているが、ここでトライアスロンにはピリオドをしっかりつけて、来年のスカイランニング世界選手権に向けて登りを磨きをかけて頑張っていきたい。また、本命は階段登り(ステアクライミング)なので、階段も登れるように山も登っていきたいです。
23歳以下のユース部門では、YouthA男子は矢花海空(Yabana Misora/長野県)、YouthA女子は大掛柚奈(Oogake Yuna/愛知県)、YouthB男子は直江城太朗(Naoe Jotaro/東京都)、YouthC男子は近江仁之介(Omi Jinnnosuke/京都府/TEAM☆SKY KYOTO)、YouthC女子は小林華蓮(Kobayashi Karen/長野県)、U23男子は近江竜之介(Omi Ryunosuke/京都府/TEAM☆SKY KYOTO)、U23女子は本郷沙穂(Hongo Saho/岡山県/SKY DEMON)が金メダルを獲得しました。
40歳以上のマスターズ部門では、Over40男子は宮川朋史(Miyagawa Tomofumi/福井県)、Over40女子は沢田愛里(Sawada Airi/北海道)、Over48男子は今井洋二(Imai Yoji/長野県/SKYNINJA)、Over48女子は岩楯志帆(Iwadate Shiho/東京都/The Skywolf)、Over56男子は岩楯岳一(Iwadate Takehito/東京都/The Skywolf)が金メダルを獲得しました。
スカイ/SKY
2日目のスカイレースは2017年に蔵王で開催されたアジア選手権の王者が男女ともに優勝という結果となりました。男子は怪我からの復帰戦として全日本に挑んだ上田瑠偉(Ueda Ruy/埼玉県)が序盤より先頭集団を形成し優勝。2位には上田と共に終盤までトップを争った笠木肇(Kasagi Hajime/東京都)が僅差でフィニッシュ。3位には前日のバーティカル王者の山口大河(Yamaguchi Taiga/東京都)が入りました。
優勝した上田瑠偉のコメント:
今日は本当にタフなレースでした。2位の笠木選手に、ライザのエイドで抜かれたりなどして、かなり精神的にもキツいレースでした。今回は家族も応援に駆けつけてくれていましたし、(6月に欧州でした)怪我を機に、全国を巡りファンと交流を深める場をつくってきた中で、改めて応援されているということを強く思って今日は走りました。その結果、最後まで集中力を切らすことなく、最後まで逃げきれた。ひとまずは来年の世界選手権の代表の枠を勝ち取れたことは良かったと思います。スカイランニングの世界選手権については、これまでコンバインドとバーティカルは優勝して世界一になったことがありますが、花型種目のスカイレースで優勝することが目標であるので、そこに向けて仕上げていきたいと思います。
女子は序盤よりリードした高村貴子(Takamura Takako/長野県)が手堅いレース展開で2位を8分引き離しての圧勝。2018年以来の全日本タイトルを獲得しました。2位には楠田涼葉(Kusuda Suzuha/大阪府/TEAM☆SKY KYOTO)が粘りの力走でランクイン。3位にはスカイウルトラ種目で実績のある枝元香菜子(Edamoto Kanako/石川県)が入りました。
優勝した高村貴子のコメント:
日本のスカイレース自体が凄い久しぶりだったこともあり凄い緊張しました。今年の(海外での)レースは完走できなかったものもあるので、そもそも今日は完走できるのかという不安や、メンバーが凄い人たちだったので緊張もありました。朝は笑えないくらいガチガチでしたが、始まってしまえば自分の走りに集中していけたのは良かったと思います。ただ、内臓のトラブルもあって下りが飛ばせなかったのは残念だったのと、そこは課題と思います。ただし、まずは優勝できたことがすごく嬉しいです。世界選手権はまだメダルには届いていないので今回(来年)こそメダルを目指して1年間準備したいと思っています。
23歳以下のユース部門では、YouthA男子は矢花海空(Yabana Misora/長野県)、YouthA女子は大掛柚奈(Ogake Yuna/愛知県)、YouthB男子は直江城太朗(Naoe Jotaro/東京都)、YouthB女子は小幡莉子(Obata Riko/新潟県/ECHIGO SKY CLUB)、YouthC男子は蟹江孝太(Kanie Kota/宮城県)、YouthC女子はルブラス恵美里(Rebrus Emiri/山梨県/SC丹沢秦野)、U23男子は近江竜之介(Omi Ryunosuke/京都府/TEAM☆SKY KYOTO)、U23女子は本郷沙穂(Hongo Saho/岡山県/SKY DEMON)が金メダルを獲得しました。
40歳以上のマスターズ部門では、Over40男子は宮川朋史(Miyagawa Tomofumi/福井県)、Over40女子は齋籐磨実(Saito Mami/神奈川県)、Over48男子はルブラスエルワン(Rebrus Elwan/神奈川県/SC丹沢秦野)、Over48女子は岩楯志帆(Iwadate Shiho/東京都/The Skywolf)、Over56男子は内田正直(Uchida Masanao/長野県/SKYNINJA)、Over56女子は宮坂康子(Miyasaka Yasuko/長野県/守屋山快速登山クラブ)が金メダルを獲得しました。
バーティカル・メダリスト
総合男子
1.山口 大河(東京都)00:33:38
2.小牧 弘季(東京都/オリエンティア軍団)00:34:03
3.武村 佳尚(香川県)00:34:10
総合女子
1.沢田 愛里(北海道)00:43:53
2.相原 千尋(香川県)00:44:19
3.秋山 穂乃果(長野県)00:44:47
ユース入賞者
YouthA男子
1.矢花 海空(長野県)00:38:47
2.草薙 輝弥(神奈川県/SC丹沢秦野)00:41:14
3.山本 生吹(長野県)00:44:23
YouthA女子
1.大掛 柚奈(愛知県)00:48:07
2.大掛 莉奈(愛知県)00:49:36
3.齋藤 夢海(神奈川県)00:53:29
YouthB男子
1.直江 城太朗(東京都)00:38:48
2.日下 泰造(群馬県/KIRYU SKY 481)00:40:53
3.野村 拓夢(山形県)00:40:58
YouthC男子
1.近江 仁之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)00:39:26
2.蟹江 孝太(宮城県)00:41:58
3.北澤 謙志(山形県)00:44:40
YouthC女子
1.小林 華蓮(長野県)00:50:03
2.ルブラス 恵美里(山梨県/SC丹沢秦野)00:59:20
3.中西 澄海(宮城県)01:13:26
U23男子
1.近江 竜之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)00:35:56
2.松本 祥汰(群馬県/SC丹沢秦野)00:36:44
3.岡 翔琉(大阪府/TEAM☆SKY KYOTO)00:38:24
U23女子
1.本郷 沙穂(岡山県/SKY DEMON)00:49:53
マスターズ入賞者
Over40男子
1.宮川 朋史(福井県)00:37:24
2.我妻 嘉仁(宮城県)00:39:20
3.高前 直幸(広島県)00:41:03
Over40女子
1.沢田 愛里(北海道)00:43:53
2.齋籐 磨実(神奈川県)00:47:06
Over48男子
1.今井 洋二(長野県/SKYNINJA)00:40:36
2.畑中 俊彦(東京都)00:41:25
3.ルブラス エルワン(神奈川県/SC丹沢秦野)00:41:48
Over48女子
1.岩楯 志帆(東京都/The Skywolf)00:50:49
Over56男子
1.岩楯 岳一(東京都/The Skywolf)00:50:59
2.内田 正直(長野県/SKYNINJA)00:53:28
スカイ・メダリスト
総合男子
1.上田 瑠偉 (埼玉県)02:35:30
2.笠木 肇 (東京都)02:36:17
3.山口 大河(東京都)02:37:43
総合女子
1.髙村 貴子(長野県/SKYNINJA)03:15:25
2.楠田 涼葉(大阪府/TEAM☆SKY KYOTO)03:23:24
3.枝元 香菜子(石川県)03:27:19
ユース入賞者
YouthA男子
1.矢花 海空(長野県)01:31:19
2.山本 生吹(長野県)01:36:42
3.草薙 輝弥(神奈川県/SC丹沢秦野)01:37:46
YouthA女子
1.大掛 柚奈(愛知県)01:52:00
2.大掛 莉奈(愛知県)01:56:49
3.齋藤 夢海(神奈川県)02:00:17
YouthB男子
1.直江 城太朗(東京都)01:29:09
2.野村 拓夢(山形県)01:30:25
3.日下 泰造(群馬県/KIRYU SKY 481)01:36:34
YouthB女子
1.小幡 莉子(新潟県/ECHIGO SKY CLUB)01:58:53
YouthC男子
1.蟹江 孝太(宮城県)03:16:35
2.近江 仁之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)03:28:41
3.北澤 謙志(山形県)04:28:41
YouthC女子
1.ルブラス 恵美里(山梨県/SC丹沢秦野)04:20:53
2.中西 澄海(宮城県)06:01:40
U23男子
1.近江 竜之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)02:45:07
2.松本 祥汰(群馬県/SC丹沢秦野)02:59:04
3.畦地 貴斗(東京都)03:04:23
U23女子
1.本郷 沙穂(岡山県/SKY DEMON)04:19:50
マスターズ
Over40男子
1.宮川 朋史(福井県)02:58:10
2.小幡 利春(新潟県/ECHIGO SKY CLUB)03:02:03
3.沓掛 健一(茨城県)03:07:38
Over40女子
1.齋籐 磨実(神奈川県)03:36:50
2.上 明子(埼玉県)03:59:54
3.依田 紀美(長野県)04:17:51
Over48男子
1.ルブラス エルワン(神奈川県/SC丹沢秦野)03:28:57
2.川崎 義孝(群馬県/SKYNINJA)03:33:14
3.服部 一宏(千葉県)03:39:18
Over48女子
1.岩楯 志帆(東京都/The Skywolf)03:52:48
2.廣田 頼美(富山県)04:42:20
3.井上 海埜哩(静岡県/富士空界)05:27:31
Over56男子
1.内田 正直(長野県/SKYNINJA)04:10:56
2.山本 隆二(埼玉県/The Skywolf)04:17:25
3.矢野 政孝(長野県)04:20:58
Over56女子
1.宮坂 康子(長野県/守屋山快速登山クラブ)03:53:24
コンバインド・メダリスト
総合男子
1.山口 大河(東京都)
2.上田 瑠偉 (埼玉県)
3.小牧 弘季(東京都/オリエンティア軍団)
総合女子
1.相原 千尋(香川県)
2.齋籐 磨実(神奈川県)
3.佐俣 明香莉(埼玉県/SC丹沢秦野)
ユース入賞者
YouthA男子
1.矢花 海空(長野県)
2.草薙 輝弥(神奈川県/SC丹沢秦野)
3.山本 生吹(長野県)
YouthA女子
1.大掛 柚奈(愛知県)
2.大掛 莉奈(愛知県)
3.齋藤 夢海(神奈川県)
YouthB男子
1.直江 城太朗(東京都)
2.野村 拓夢(山形県)
3.日下 泰造(群馬県/KIRYU SKY 481)
YouthC男子
1.近江 仁之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)
2.蟹江 孝太(宮城県)
3.北澤 謙志(山形県)
YouthC女子
1.ルブラス 恵美里(山梨県/SC丹沢秦野)
2.中西 澄海(宮城県)
U23男子
1.近江 竜之介(京都府/TEAM☆SKY KYOTO)
2.松本 祥汰(群馬県/SC丹沢秦野)
3.岡 翔琉(大阪府/TEAM☆SKY KYOTO)
U23女子
1.本郷 沙穂(岡山県/SKY DEMON)
チームランキング
1.TEAM☆SKY KYOTO 512pt
2.SC丹沢秦野 464pt
3.SKYNINJA 188pt
4.オリエンティア軍団 153pt
5.SKY DEMON 148pt
6.The Skywolf 129pt
7.ECHIGO SKY CLUB 125pt
8.富士空界-Fuji SKY- 96pt
9.古賀志山快速登山部 82pt
10.Kiryu Sky 481 68pt
11.守屋山快速登山クラブ 61pt
12.Niigata Sky Club 32pt
13.BukkaSkyClub 5pt
※SKYULTRA+VERTICAL+SKYの合計獲得ポイント
全日本スカイランニング選手権大会は北日本(北海道・東北)・東日本(関東・北信越・東海)・西日本(近畿・中四国・九州)の3地域の輪番とする基本方針です。次回、2024シーズンの全日本スカイランニング選手権大会は西日本で開催予定(西日本の立候補大会に優先権利)。2024年1月にカレンダーが発表されます。