10月14日(日)、群馬県片品村にて開催された「尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター」2018 Columbia Montrail Skyrunner® Japan Series(バーティカルシリーズ)の最終戦でした。標高差1000mを駆け登るVK(バーティカルキロメーター)の2018年の締めくくりとなった今大会には、全国各地から300名を超えるスカイランナーが大集結。日本屈指のハイレベルなレースで優勝したのは日本のバーティカルをリードする実力者、宮原徹(Toru Miyahara)吉住友里(Yuri Yohsizumi)のふたりでした。

数ある山岳ランニングレースの中でも、日本一の急斜面である「ジャイアントウォール」が立ちはだかる尾瀬 ©OZE VK
数ある山岳ランニングレースの中でも、日本一の急斜面である「ジャイアントウォール」が立ちはだかる尾瀬VK ©OZE VK

国内では他を圧倒するVKの実力者である宮原ですが、昨年の「尾瀬」では、マウンテンランニングの世界王者であるジョセフ・グレイ(Joseph Gray)に大差をつけられて2位でした。雪辱の地に再び降り立った宮原。今回は、ジョセフの昨年のタイム(40分49秒)に8秒差まで迫る40分57秒の力登をみせて、見事に今シーズン4勝目(上田、びわ湖、烏帽子、尾瀬)を飾りました。2位には宮原から+1分28秒の42分25秒で2018日本代表の永里 剛城(Goki Nagasato)、3位には44分31秒で怪我から復帰した牛田 美樹(Miki Ushida)が入りました。

宮原は今季4勝目。「尾瀬」のコースにおいて自己ベストでの有終の美を飾った ©OZE VK
宮原は今季4勝目。「尾瀬」のコースにおいて自己ベストでの有終の美を飾った ©OZE VK
棒切れがあれば使い捨てのポールにしてしまう臨機応変・創意工夫が得意な永里 ©OZE VK
棒切れがあれば使い捨てのポールにしてしまう臨機応変・創意工夫が得意な永里 ©OZE VK
大怪我からの復活劇。来季の牛田の活躍が楽しみだ ©OZE VK
大怪我からの復活劇。来季の牛田の活躍が楽しみだ ©OZE VK

9月の世界選手権ではスコットランドの過酷な気象条件の洗礼を受けて実力を発揮することができなかった吉住。2年後の世界選手権へ向けての「復活戦」と位置付けて臨んだ尾瀬では、昨年の自己記録を16秒上回る好タイムの49分30秒をたたき出して今季2勝目(びわ湖、尾瀬)を飾りました。2016年からの3年間、勝率100%を維持しており、VK公式戦12連勝となる偉業を継続中です。2位には吉住から+7分の56分51秒で市民ランナーとして活躍する黒澤 莉楠(Rina Kurosawa)、3位にはユース日本選手権の女王である安ヶ平 萌子(Moeko Yasugahira)が56分55秒で入りました。

斜度40度を超えるジャイアントウォールを駆け登る吉住 ©OZE VK
斜度40度を超えるジャイアントウォールも笑顔!?。軽々と駆け登る吉住 ©OZE VK
水平方向から垂直方向へ。黒澤のバーティカルデビュー戦 ©OZE VK
水平方向から垂直方向へ。黒澤のバーティカルデビュー戦 ©OZE VK
同じく北海道の滝澤と共に、ユース世代のエースとして活躍が楽しみな安ケ平 ©OZE VK
同じく北海道の滝澤と共に、ユース世代のエースとして活躍が楽しみな安ケ平 ©OZE VK

今大会の結果を受けて、バーティカル部門のシリーズランキングも決定しました。シリーズ王者は宮原徹、そして、上海で開催されたVWCに参加のため「尾瀬」には不参加でしたが「上田」と「烏帽子」の2戦でタイトルを獲得した立石ゆう子(Yuko Tateishi)です。今シーズンも世界レベルの姿・背中をファンやアスリートたちにみせ、大いに日本のスカイランニングシーンを湧かせてくれました。男子2位には2年連続で永里剛城、男子3位には昨年は年間6位だった八田康裕(Yasuhiro Hatta)が躍進、女子2位には「粟ヶ岳」で優勝した高村貴子(Takako Takamura)、女子3位には出場した2戦で勝利した吉住友里が入りました。

2018バーティカルシリーズ 総合ランキング

2018VKシリーズトップ3!!なお、女子1位の立石は上海の世界戦に出場、女子2位の高村は翌週のSKYシリーズ最終戦に出場するため不参加であった ©OZE VK
2018VKシリーズトップ3!!左から、永里、宮原、八田、吉住 ©OZE VK
初のベスト3を決めた八田。努力が報われたゴール!! ©OZE VK
初のシリーズトップ3を決めた八田。努力が報われたゴールの瞬間!! ©OZE VK
シリーズ女王の立石。シリーズ第4戦「烏帽子」にて ©EBOSHI VK
2018シリーズ女王の立石。シリーズ第4戦「烏帽子」にて ©EBOSHI VK
?Mt.AWA VK/Sho Fujimaki
2018シリーズ3位の高村。日本選手権になった初戦の粟ヶ岳VK ?Mt.AWA VK/Sho Fujimaki

また、年代別のシリーズランキング(10&20代・30代・40代・50代・60代)を決めるマスターズの結果も決定しました。60代王者は、4戦トップの宮下弘文(Hirohumi Miyashita)と5戦全勝の須藤吉仕子が連覇を達成。50代王者は、共に近畿勢で4戦でトップの近江忠仁(Tadahito Ohmi)木下久美(Kumi Kinoshita)が初優勝。40代王者は、男子は接戦の末2勝の今井洋二(Yoji Imai)が2連覇達成で、女子は3勝の岩楯志帆(Shiho Iwadate)が初優勝。30代王者は、総合優勝の宮原徹立石ゆう子。20代王者は総合2位の永里剛城高村貴子でした。たとえ総合であっても、若い世代には簡単には勝たせない力強い登りを今シーズンもみせてくれました。特に40代~60代のマスターズの皆さんには、心からの敬意を表します。

2018バーティカルシリーズ マスターズ(年代別)ランキング

20~60代の年代別チャンピオンたち!! ©OZE VK
20~60代の年代別チャンピオンたち!! ©OZE VK
60代優勝の宮下と須藤はよきライバルでもある ©OZE VK
60代優勝の宮下と須藤は「ジャイアントウォール」におけるよきライバルでもある ©OZE VK
息子たちには負けてられない。親父のプライドで全力で駆け登る近江 ©OZE VK
息子たちには負けてられない。親父のプライドで全力で駆け登る近江 ©OZE VK
全4戦で50代の部トップ。総合でも4位と大躍進した木下 ©Mt.AWA VK
全4戦で50代の部トップ。総合でも4位と大躍進した木下 ©Mt.AWA VK
世界選手権では裏方としてチームを支えてくれた岩楯だが、選手としてもやっぱり強い!! ©OZE VK
世界選手権では裏方としてチームを支えてくれた岩楯だが、選手としてもやっぱり強い!! ©OZE VK
40代2連覇達成の今井。ライバルとの決戦だったが絶対の自信があった ©OZE VK
40代2連覇達成の今井。ライバルとの決戦だったが絶対の自信があった ©OZE VK
もう少し先になるが、70代の部門もつくる日が来るかもしれない ©OZE VK
マスターズ(60代)連覇の宮下と須藤。私たちの頂点に君臨しつづけるスカイラン二ングのレジェンド ©OZE VK

VKシリーズ最終戦 尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター

男子トップ5
1.宮原 徹(Toru Miyahara)40:57
2.永里 剛城(Goki Nagasato)42:25
3.牛田 美樹(Miki Ushida)44:31
4.藤飛 翔(Tsubasa Fuji)44:38
5.八田 康裕(Yasuhiro Hatta)44:42

女子トップ5
1.吉住 友里(Yuri Yoshizumi)49:30
2.黒澤 莉楠(Rina Kurosawa)56:51
3.安ヶ平 萌子(Moeko Yasugahira)56:55
4.稲毛 日菜子(Hinako Inage)59:19
5.滝澤 空良(Sora Takizawa)59:31

VKシリーズ総合ランキング

男子トップ3
1.宮原 徹(Toru Miyahara)450.0ポイント
2.永里 剛城(Goki Nagasato)360.0ポイント
3.八田 康裕(Yasuhiro Hatta)259.0ポイント

女子トップ3
1.立石 ゆう子(Yuko Tateishi)280.0ポイント
2.高村 貴子(Sora takizawa)260.0ポイント
3.吉住 友里(Yuri Yoshizumi)250.0ポイント

大会ホームページ

2018 Columbia Montrail Skyrunner® Japan Series