11月12日(日)、大阪市のあべのハルカスにてHARUKAS SKYRUN (ハルカススカイラン)がVWC(バーティカル・ワールド・サーキット)の本戦として開催されました。1300名のスカイランナーが日本一の高さを誇る超高層ビルの階段1610段に挑みました。VWCに位置付けられたエリート部門は世界レベルの選手が参戦したハイレベルなレースでしたが、日本勢では吉住友里(Yuri Yoshizumi)が女子優勝、渡辺良治(Ryoji Watanabe)が男子3位に入賞しました。
超高層ビルやタワーの階段を駆け登るレースはバーティカルランニング(Vertical running)という、スカイランニングの種目のひとつになります。2009年よりISF(国際スカイランニング連盟)が主管して開始されたVWCは、世界各地の大都市の超高層ビルを駆け登る世界シリーズ戦となります。2017VWCは世界10都市で開催されており、今回の大阪大会は第9戦となります。
「ハルカススカイラン」は大阪市南部の巨大ターミナルである近鉄・阿部野橋駅の構内をスタート会場として開催されました。5名1組でのインターバルスタートという形式で、ゴールは最上階である60階。標高差300mを一気に駆け登ります。
男子は、ポーランドのピーター・ロボジンスキー(Piotr Lobodzinski)が8分34秒で優勝。2位には8分47秒でオーストラリアのマーク・ボーン(Mark Bourne)。3位には8分54秒で世界戦を転戦中の渡辺良治(Ryoji Watanabe)が入りました。渡辺によると「ピーターは昨年と同じタイムで、自分は昨年よりも10秒以上短縮できた」とのこと。世界王者の背中が着々と近づいていることを、日本の空でも証明してくれました。日本勢では、5位に永里剛城(Goki Nagasato)、6位に八田康裕(Yashihiro Hatta)、10位に細野松宏(Matsuhiro Hosono)がランクインしました。
女子は地元大阪の吉住友里(Yuri Yoshizumi)が、2位以下を1分以上引き離す圧倒的な実力を見せつけての連覇を達成しました。バーティカルランニングの世界戦では今期初優勝となる快挙について吉住は「地元開催ということでプレッシャーもあったが、優勝できてホッとしている」と、常に背中を追われる女王としての感想を語っていました。2位にはポーランドのイオナ・リヒニャ(Iwona Wicha)、3位にはロシアのナタリア・シレック(Natalia Sedykh)がランクイン。日本勢では、7位に滝澤空良(Sora Takizawa)、9位に米村慈(Chika Yonamura)が入りました。
2017VWCは12月4日の香港大会で最終戦を迎えます。バーティカルランニングはタワーランニングとも呼ばれており、世界各地で300以上のレースが開催されています。隣国の中国では、毎週末開催されるほどポピュラーな都市型スポーツとなっています。ハルカススカイランを契機に、都市の最高峰を駆け登る文化が日本でも花開くことを願っています。
Race Results
Men
1. Piotr Lobodzinski – 08:34
2. Mark Bourne – 08:47
3. 渡辺 良治 – 08:54
4. Emanuele Manzi – 09:12
5. 永⾥ 剛城 – 09:27
6. ⼋⽥ 康裕 – 09:32
7. Omar Bekkali – 09:39
8. Soh Wai Ching – 09:46
9. Su Hsin Kai – 10:02
10.細野 松宏 – 10:07
Women
1. 吉住 友⾥ – 10:14
2. Iwona Wicha – 11:27
3. Natalia Sedykh – 11:47
4. Lenka Svabikova – 11:58
5. Rosalyn Valdez-Russell – 12:58
6. Cindy Reid – 13:21
7. 滝澤 空良 – 14:10
8. Gretta Beckett – 14:14
9. ⽶村 慈 – 14:24
10. Christiana Lewis – 17:07