JSA公認大会の技術的難易度

大会数やスカイランナーの増加に伴い、今後、「山の怖さを知らない初心者」や「体力や経験を過信する山岳ランナー」による山岳遭難事故が心配されます。このため、スカイランナーに「自分の力量にあった山・大会選び」を促し、山岳遭難事故の防止に役立てるため、JSA競技委員会と安全環境委員会は、JSA公認スカイランニング大会における「技術的難易度」を明示することとしました。

【技術的難易度】

  • 大会コースの状況や、出場するスカイランナーに求められる技術・能力により、A~Eの5段階で評価しています。これは、長野県・群馬県・山梨県が策定した「山のグレーディング」を参考にしております。
技術的
難易度
 大会コースの状況 求められる技術・能力
初級

(星1つ)
  • 概ね整備済
  • 転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い
  • 道迷いの心配は少ない
  • 登山の装備が必要
初中級
★★
(星2つ)
  • 沢、崖、場所により雪渓などを通過
  • 急な登下降がある
  • 道が分かりにくい所がある
  • 転んだ場合の転落・滑落事故につながる場所がある
  • 登山経験が必要
  • 地図読み能力(大会前のコース判断能力)があることが望ましい
中級
★★★
(星3つ)
  • ハシゴ・くさり場、また、場所により雪渓や渡渉箇所がある
  • ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある
  • 地図読み能力(大会前のコース判断能力)、雪上・ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
中上級
★★★★
(星4つ)
  • 厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシ ゴ・くさり場を必要とする箇所、場所により雪渓や渡渉箇所がある
  • 手を使う急な登下降がある
  • ハシゴ・くさり場などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険箇所が多い
  • 地図読み能力(大会前のコース判断力)、岩場、雪上、を安定して通過できるバランス能力や技術が必要
  • ルートファインディングの技術が必要
上級
★★★★★
(星5つ)
  • 緊張を強いられる厳しい岩稜や滑りやすい急坂の登下降が続き、転落・滑落の危険箇所が連続する
  • 地図読み能力(大会前のコース判断力)、岩場、雪上を安定して通過できるバランス能力や技術が必要
  • ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要

 


【注意事項】

  • この表は、天気良好の条件のもと、大会ルート固有の特徴について技術的難易度を評価したものです。これ以外の条件では難易度は上昇します。
  • 初心者の方は、体力度・技術的難易度の低いルートから、徐々に経験を積み重ねていってください。
  • いずれのランクにおいても、コース下見等で初めてそのランクを経験する場合には必ず経験者を同伴してください。
  • 整備・維持管理されていないものを含みます。また、登山ルートの通行や山頂への到達、通行上の安全を保証するものではありません。
  • 登山される際は、十分な準備のもと、自己責任において入山してください。記載の大会やルートにおける事故について責任は負いかねます。
  • コース下見等で入山の際は登山計画書を提出してください。