史上初、山岳・雪上・階段の3分野の公式戦での勝利者となった齋藤 ©やんばスカイラン/日下俊彦

9月14日(日)、群馬県長野原町において2025 YOKOMORI Stairclimbing Japan Circuit(SJC)第2戦「やんばスカイラン」が開催されました。八ッ場ダムのフーチング式階段を駆け登る2本の合計タイムで競われました。第2戦を制したのは、男子は中学生の白井清流(Shirai Seiryu/神奈川)、女子は山岳・雪上でも活躍する齋藤磨実(Saito Mami/神奈川)でした。両者ともにSJC初優勝となります。

最年少優勝した白井を讃えるSJCエリートたち ©やんばスカイラン/中村昌弘

群馬大会の舞台は、ダム建設の総事業費は日本一である長野原町の新たなシンボルの八ッ場ダム。316段・高さ79mのフーチング式階段を駆け登る「やんばスカイラン」は過去2回開催されており、3回目にSJCの一戦に位置づけられました。2025 SJC エリートの25名(男子17名・女子8名)をはじめ、一般エントリーも含めると231名のステアクライマーが八ッ場ダムの空に駆け登りました。

八ッ場ダムのフーチング式階段 ©やんばスカイラン/中村昌弘
大勢のギャラリーでにぎわった ©やんばスカイラン/中村昌弘

2本の合計タイムを競う群馬大会。男子は1本目では矢島昭輝(Yajima Shoki/愛知県)が2分11秒台を叩き出しリード。2番手に白井清流(Shirai Seiryu/神奈川県)が3秒差の2分14秒台、3番手に井上翔太(Inoue Shota/愛知県)が5秒差の2分16秒台で追います。2本目は大きく順位が入れ替わりました。白井清流2分9秒台のこの日の最速記録を叩き出し、浜悠輔(Hama Yusuke/北海道)矢島昭輝が2分12秒台。井上翔太は2分18秒台に失速。その結果、白井清流矢島昭輝たった0.31秒差で逆転し、SJC初優勝を飾りました。3位には2本目で好記録を出した浜悠輔が入りました。4位には井上翔太、5位には鈴木一馬(Suzuki Kazuma/愛知県)と、上位5名中3名が愛知県勢でした。なお、白井は中学生であり、歴代SJC優勝者の中での最年少優勝となります。

優勝した白井のコメント:

やんばスカイランには昨年・一昨年も出場していて、とてもトリッキーですが大好きなコースです。
今大会に向けては、家族と試行錯誤を重ねながらやんばに特化したトレーニングに取り組み、レースの重要なポイントをしっかり意識して本番に臨みました。
レース終盤の一番きつい場面では、観客の方たちの大きな声援のおかげで、ラストスパートにつなげることができました。
階段はパワーだけの勝負ではないことを証明できて、本当にうれしかったです。

優勝した白井 ©やんばスカイラン/日下俊彦
2位の矢島 ©やんばスカイラン/日下俊彦
3位の浜 ©やんばスカイラン/中村昌弘

大混戦の男子とは対照的に、女子は、1本目・2本目ともに齋藤磨実がトップの記録で完全勝利をおさめました。今季よりSJCエリートとなった齋藤にとっては初勝利となります。2位には1本目で2位・2本目で3位の布施愛里(Fuse Airi/北海道)、3位には1本目で3位・2本目で2位の立石ゆう子(Tateishi Yuko/埼玉県)が入りました。つい先日、マレーシアで開催されたタワーランニング・アジアオセアニア選手権で初代女王に輝いた立石ですが、ショートレンジかつ不規則なフーチング式階段に苦戦し、出場したSJC戦では初黒星となりました(立石は2022-2024シーズンでSJC8連勝)。4位には中学生の鈴木沙那(Suzuki Sana/愛知県)、5位には今季よりSJCエリートとなった澤田ことり(Sawada Kotori/愛知県)が入りました。なお、優勝した齋藤は山岳・雪上に次いで階段と全ての分野の国内公式サーキット戦で優勝した最初の選手となります。

優勝した齋藤のコメント:

今回は優勝が出来て自分がビックリでした。昨年も出場しましたが2位でした。悔しくてリベンジ!と子供と一緒に階段練習を取り入れてみました。
ただ登るだけ。つら〜い(笑)それが効果があったみたいで、1本目、2本目とも階段を最後まで走る事ができました。
いつもは最後は歩いてしまいますが、 今回は階段に勝った気がしました。また表彰台にたてるように頑張ります。

優勝した齋藤 ©やんばスカイラン/中村昌弘
2位の布施 ©やんばスカイラン/日下俊彦
3位の立石 ©やんばスカイラン/日下俊彦

今年で4年目を迎えるSJCは名古屋大会(5月)、群馬大会(9月)、滋賀大会(10月)、大阪大会(11月)の全4戦より構成されます。次戦は10月12日(日)滋賀県東近江市で開催される「太郎坊宮チャレンジ」です。

太郎坊宮チャレンジ

SJC 2025 第2戦「群馬」TOP5

SJCエリート(表彰式にて) ©やんばスカイラン/日下俊彦

WOMEN
1. 齋藤 磨実(Saito Mami/神奈川県)05:50.48
2. 布施 愛里(Fuse Airi/北海道)06:00.40
3. 立石 ゆう子(Tateishi Yuko/埼玉県)06:22.54
4. 鈴木 沙那(Suzuki Sana/愛知県)06:22.54
5. 澤田 ことり(Sawada Kotori/愛知県)06:28.90

MEN
1. 白井 清流(Shirai Seiryu/神奈川県)04:24.00
2. 矢島 昭輝(Yajima Shoki/愛知県)04:24.31
3. 浜 悠輔(Hama Yusuke/北海道)04:32.27
4. 井上翔太(Inoue Shota/愛知県)04:35.44
5. 鈴木 一馬(Suzuki Kazuma/愛知県)04:35.78

やんばスカイラン

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