冒頭の写真は2025年に世界大会を迎えた上田バーティカルレースー太郎山登山競走ーでの1枚 ©藤巻翔

新年、明けましておめでとうございます。

2025年を振り返る


2025年は「日本の空が世界の空とつながる」1年となりました。まず4月には群馬県において初開催となるスカイスノーアジアパシフィック選手権を開催しました。モンゴル・韓国・オーストラリアから選手が参加し、アジア太平洋地域において将来の冬季五輪への採用種目として有望なスカイスノーの第一歩を踏み出すことができました。5月には長野県にてMERRELLスカイランナーワールドシリーズ(MSWS)を開催しました。2019年以来、6年ぶり4度目の国内開催となり、18か国から60名の海外選手が参加しました。11月には新たにISF加盟を達成した台湾協会との交流事業も台北市内で行われ、アジア太平洋地域の国々との交流事業が開始されました。

日本人選手も国内外で華々しく活躍しました。8月にイタリアで開催されたユース世界選手権では12名の精鋭により団体4位と健闘。10月にブルガリアで開催されたマスターズ世界選手権においては過去最多となる19名が参加し団体2位という過去最高の成績を勝ち取りました。国内では、階段(ステアクライミング)、雪上(スカイスノー)、山岳(スカイランニング)の3分野の全日本選手権が開催され、それぞれの分野で過去最多となる参加選手数を記録しました。その他の世界シリーズ戦(MSWS/VK OPEN)でも、新たに優勝・入賞する選手が現れ、日本の選手層の厚みが明らかになったシーズンとなりました。

ISF(国際スカイランニング連盟)も、自律してこのスポーツの価値を高め続けようとする挑戦を続けています。8月にイタリアで開催されたISF総会では、IOC(国際オリンピック委員会)が承認する独立公認スポーツ団体連合 (AIMS) への加盟について再協議され、各国組織(NF)がNOC(ナショナルオリンピック委員会)等の公的団体の承認を受ける必要性が確認されました。欧米やアジアのいくつかの国々では、既にNOCに加盟する団体がスカイランニングを主管しております。日本においてもスカイランニングが公から承認されるよう、各団体に働きかけを加速させるべき時が来ました。

初のスカイスノーアジアパシフィック選手権 ©嬬恋スカイラン
世界のISFメンバー ©Damiano Benedetto Photo

2026年とその先を読む


2026年は再び国際競技会が日本で開催されます。まず5月にはMERRELLスカイランナーワールドシリーズ(MSWS)が長野県上田市で再び開催されます。そして、6月にはVK OPEN ワールドカップが滋賀県大津市で開催されます。これはアジア太平洋地域で初のバーティカル世界公式戦となります。海外では、5月にクロアチアでユース世界選手権、7月にフランスでマスターズ世界選手権、9月にスペインでスカイランニング世界選手権が開催予定ですが、ここでも日本勢の活躍が大いに期待されます。国内では6月に全日本クラブスカイランニング選手権大会の初開催を予定しています。地域スポーツとしての確立を目指して、いよいよクラブチームが主役となる時代がスカイランニングにも到来します。

スカイランニングを含む様々な山岳発祥の競技スポーツは、1990年代以前の黎明期から始まり、2000-2010年には成長・拡大が進み、2020-2030年代は緩やかな成長とともに成熟期に入りました。成熟期にみられる現象のひとつとして指導者システムの発展が挙げられます。既にスペインやノルウェーなどのスポーツ先進国はスカイランニングに特化した選手強化に力を入れており、WEBを活用したコーチングシステムを導入するナショナルチームもみられます。また、遭難や事故を防止するためにも、協会が主導して指導者認定システムを発展・充実させていく必要があります。競技会はライブ中継やSNS発信により、ファンやスポンサーを獲得しようとする動きも加速化していくでしょう。計測サービスや写真サービスと同様に、ローカルレースでも採用できるような低価格帯での動画発信サービスを専門とする会社が、次々と現れることを期待します。

人も組織もさらなる高みを目指す挑戦のスピリットを忘れてはなりません。100年以上前から続く登山競走文化を受け継ぐ山岳(スカイランニング)、新しいジャンルである雪上(スカイスノー)階段(ステアクライミング)がバランスよく発展していくことが大事です。季節やフィールドを問わず多様な駆け登り文化をこの国でも発展・継承させていくという、当協会の役割を全力で尽くしてまいります。温かい声援を送っていただいているファンの皆様、協賛をいただいている企業の皆様、そして日本のスカイランニングを支えていただいている加盟団体、協力団体の皆様には心から御礼申し上げますとともに、本年もより一層のご理解ご支援をお願いいたします。

6月にクラブ選手権が初開催 ©スカイランニングジャパン
ますます盛り上がってきたステアクライミング ©MEETING

日本スカイランニング協会

代表理事 松本 大