10月20日(土)、長野県山ノ内町にて開催された「志賀高原エクストリームトレイル」は2018 Columbia Montrail Skyrunner® Japan Series(スカイクラシックシリーズ)の最終戦と位置付けられていました。2018年の締めくくりとなった今大会には、全カテゴリ合わせて全国各地から約500名のスカイランナーが集結。優勝したのは、大怪我を経て富士登山競走から復帰した牛田美樹(Miki Ushida)と、世界選手権10位の実力者である高村貴子(Takako Takamura)でした。最終戦の勝者である牛田と高村はシリーズランキングでもトップとなり、来年の10月中旬に欧州で開催される予定の世界最終戦スカイマスターズ(SKY MASTERS)の参加権利を得ることになりました。
最終戦となった距離32km、累積標高差2000mのミドルコースは、前半はテクニカルな標高2000m以上の稜線が続く山岳力が問われる区間であり、後半は緩斜面が多い走力が問われる区間となっています。さらに、大会当日は冷たい雨が降りしきり、真っ白な霧も立ち込める悪条件。まさに山の総合力が試された最終戦となりました。
ハイレベルな選手が多数集まった男子は、4名の選手が終盤まで縺れ合う大接戦となりました。スタート直後に抜け出したのは星野和昭(Kazuaki Hoshino)。横手山の登り坂で近藤敬仁(Yoshihito Kondo)、牛田美樹(Miki Ushida)が率いる集団に吸収されるも、得意の下り坂で突き放し、中間の一の瀬エイドステーションを独走で通過します。2位には+1分30秒で近藤、3位に+3分で若手の平賀太智(Taichi Hiraga)、4位に+4分で牛田が通過しました。そこから後半の緩斜面に勝負をかけていたという牛田の猛追が始まります。ラスト7km地点に立ちふさがるサンバレースキー場のゲレンデの急坂では、近藤、牛田、星野、平賀の順番でそれぞれ30秒差。覆い隠すものが無いゲレンデにて互いの姿を認識することになります。そこから牛田は魂のラストスパートをみせて近藤をかわして独走。3時間21分で栄光のゴールテープを切ることになりました。2位には+5分で平賀太智、3位には平賀から+1分で近藤敬仁、4位には星野和昭、5位にはウルトラ日本代表の矢嶋信(Makoto Yajima)がランクインしました。
女子は序盤から高村貴子(Takako Takamura)が男子でもトップ20圏内に入る力登をみせて、圧倒的な大差をつけて今季3度目のタイトル獲得を達成しました。上田、びわ湖、志賀高原と出場した国内レースは全勝となります。女子2位にはオーストラリアから観光を兼ねて出場したハンフリー・エリザベス(Hunphries Elizabeth)がランクイン。3位には実力者である田中真紀(Maki Tanaka)。4位には地元信州の宮坂康子(Yasuko Miyasaka)。5位にはスカイランニング界のレジェンドである須藤吉仕子(Kishiko Suto)が入りました。
今大会の結果を受けて、スカイ部門のシリーズランキングも決定しました。シリーズ王者は最終戦で優勝した牛田美樹(Miki Ushida)と高村貴子(Takako Takamura)のふたりです。男子は抜きんでた成績の選手が不在の大接戦であり、結局は最終戦の成績がシリーズランキングの決定を大きく左右しました。男子2位には「びわ湖」で優勝した星野和昭(Kazuaki Hoshino)、男子3位には世界選手権日本代表を務めた近藤敬仁(Yoshihito Kondo)と30代の実力者が並びました。女子2位には日本選手権「上田」で2位の田中真紀(Maki Tanaka)、女子3位には60代ながら毎試合必ず上位に入るレジェンド須藤吉仕子(Kishiko Suto)が入りました。
また、年代別のシリーズランキング(10&20代・30代・40代・50代・60代)を決めるマスターズの結果も決定しました。60代王者は、3戦トップの内田正直(Masanao Uchida)と4戦全勝の須藤吉仕子が連覇を達成。50代王者は、2戦でトップの安藤雅夫(Masao Ando)と折戸小百合(Sayuri Orito)。40代王者は、男子は総合でも4位と活躍した吉田岳生(Takeo Yoshida)と田中真紀(Maki Tanaka)。30代王者は、総合優勝の牛田美樹と桑原絵理(Eri Kuwahara)。20代王者は藤飛翔(Tsubasa Fuji)と高村貴子でした。
2018バーティカルシリーズ マスターズ(年代別)ランキング
2018シリーズでは、初の試みとして、JSA傘下のクラブチームに所属している選手の獲得ポイントを合計したチームランキングも算出しました。最終戦の結果を受けて初代チャンピオンとなったのは静岡県御殿場市の富士空界(FUJI SKY)。2位には神奈川県秦野市のSC丹沢秦野がランクイン。3位には関西のSKY TIGER(スカイタイガー)という成績でした。優勝した富士空界(FUJI SKY)には優勝トロフィーが贈られました。このトロフィーは今後も優勝チームに受け継がれていくことになります。
SKY CLASSICシリーズ最終戦 志賀高原エクストリームトレイル
男子トップ5
1.牛田 美樹(Miki Ushida)3:21:44
2.平賀 太智(Taichi Hiraga)3:26:42
3.近藤 敬仁(Yoshihito Kondo)3:27:57
4.星野 和昭(Kazuaki Hoshino)3:29:02
5.矢嶋 信(Makoto Yajima)3:31:22
女子トップ5
1.高村 貴子(Takako Takamura)3:55:18
2.ハンフリー エリザベス(Humphries Elizabeth)4:34:17
3.田中 真紀(Maki Tanaka)4:46:38
4.宮坂 康子(Yasuko Miyasaka)5:01:21
5.須藤 吉仕子(Kishiko Suto)5:08:40
SKY CLASSICシリーズ総合ランキング
男子トップ3
1.牛田 美樹(Miki Ushida)230.0ポイント
2.星野 和昭(Kazuaki Hoshino)190.0ポイント
3.近藤 敬仁(Yoshihito Kondo)185.0ポイント
女子トップ3
1.高村 貴子(Takako Takamura)350.0ポイント
2.田中 真紀(Maki Tanaka)210.0ポイント
3.須藤 吉仕子(Kishiko Suto)189.0ポイント
2018Columbia Montrail Skyrunner® Japan Series チームランキング
1.富士空界 2196.5ポイント
2.SC丹沢秦野 1050.5ポイント
3.SKY TIGER 1002.0ポイント
4.SKY NINJA 742.5ポイント
5.Bukka Sky Club 573.5ポイント
6.オリエンティア軍団 522.5ポイント
7.Kiryu Sky 481 410.0ポイント
8.Niigata Sky Club 175.0ポイント