3月11日(日)に群馬県桐生市にて「2018 JSA クラブチームミーティング in 桐生」を実施しました。この研修会は各地のクラブチーム相互の情報や意見交換によって将来へのビジョンを共有し、クラブ運営に欠かせないリスクマネージメントについても学習する場となりました。
ミーティング前、午前中は桐生市のシンボル、吾妻山(あずまやま・標高481m)を登山。山頂からは桐生市街を一望できます。桐生のクラブチームであるKIRYU SKY 481の皆さんのご厚意で、山頂では桐生銘菓の花パンと挽きたてのコーヒーを頂きました。同クラブは吾妻山がホームマウンテンのひとつであり、登頂往復回数に挑戦する「夏至アタック」や「冬至アタック」という名物練習会を実施しています。登山中は一般の方に「今日は何の集まりなんかい?」と声をかけられるなど、登山者同士で顔なじみも多く、クラブの活動が桐生市民に浸透し始めていることがうかがえました。
桐生市街地のシェアスペースで行われた「クラブチームミーティング」。前半は各チームの自己紹介とクラブチーム活動のビジョンを共有する時間となりました。対人間・対自然・その他、の3項目について様々なアイデアや意見が交換されました(下記参照)。
対自然
・清掃活動
・登山道整備
・廃道復活
・地形や天候の学習会
・動植物の調査、保全活動
対人間
・次世代、ジュニアの育成、人間の成長
・学校登山の支援
・山岳会等既存団体との連携
・山のマナーやルールの指導
・山岳救助の支援
・山岳保険への加入
・安全、ビギナー講習会
・代表選手の育成
その他
・クラブチーム同士の交流
・海外選手との交流
・大会やイベントの開催
・活動資金を集める(地元企業との関わり)
・山岳文化の発信
・SNS、ホームページでの情報発信の充実
・スカイランニング文化の普及
・登山者の増加に貢献
後半は、スカイランニングにおけるリスクマネジメントについて学習する場となりました。スカイランニングにおける安全意識の調査結果と、練習企画時のガイドラインとなる練習会安全ガイドラインの検討と、練習前に使用・提出する安全チェックリストの改訂版が提案されました。次に、桐生市のチャウス自然体験学校の代表を務める加藤正幸氏より「アウトドアスポーツにおける安全管理体制について」のご講演をいただきました。体験活動の事故や怪我の発生を確率を低く抑えるための危険予知と、そのための事前~事後の対策、そして、対策を定期的に見直していくというリスクマネージメントの基本について学びました。
参考:ハインリッヒの法則
小さな異常(ヒヤリハット)300件 → 小さな事故 29件 → 重大な事故 1件
※小さな異常を発見することによって重大な事故を未然に防ぐことができる(発生確率の低減)
スポーツを広く社会に普及していくためには、地域に根差して活動するクラブチームの存在が欠かせませんが、普及活動の中にはルールやスポーツの普及と安全対策の普及がセットで為されて行かなくてはなりません。JSAでは競技委員会・安全環境委員会や他団体との連携のもと、クラブチームという単位を通しての安全指導の充実を今後も図っていきます。また、2018年度より公認レース制を開始することで、各地のオーガナイザーに対しての研修会の実施も検討していきます。いずれにせよ、第1回目となるクラブチームミーティングは有意義なものになりました。会場の準備でご尽力いただいたKIRYU SKY481の皆さんをはじめ、遠路遥々、出席してくださった皆さんに厚く御礼申し上げます。