8月19-20日に第2回目のJSAリーダー研修会(通称:リー研)を群馬県で開催しました。今回の研修会では、主に「環境・安全」について学びました。研修の目的は、以下の2つです。
1、「スカイランナーは絶対に遭難しない」を実践するために必要な知識を習得する。
2、「自然を保護しなければならない理由」を再認識することで、自然保護に関する具体的な行動が何なのかを自分自身で考えられるようになる。
JSAリーダー研修会に参加する目的は以下の3点となります。
■JSAリーダ研修会に参加する目的
・健全かつ安全に山岳スポーツに取り組める心構えをもつこと
・山岳の文化や自然に対しての関心や知識をもつこと
・仲間との交流を楽しみながらフェアプレーの精神を高め合うこと
RUN FREE TO THE TOP OF MOUNTAIN
スカイランニングは競技だけではありません。スカイランニングの原点は「最高峰まで自分のスタイルで駆け登る」という思想であり、登山スタイルとして100年以上の歴史があります。その土台の上に国際ルールが定められて競技があります。なので、レースだけでは“本当のスカイランニング”を知ったことにはなりません。レースとは違う場面で、仲間と共に山に登ることで気づくことがあります。山の危険性、自然の素晴らしさ、自らの実力や技術、仲間と助け合うことの大事さ、などなど。それも含めてのスカイランニングです。ジュニア・ユース世代の若者たちを山に導く活動もJSAの活動のひとつになります。
レスキュー講習
遭難の現状を知り、予防しましょう
死亡の半数以上が単独登山者、遭難の理由は道迷い・滑落・転倒が多いというのが現状です。ケガの部位としては圧倒的に手足で、骨折・打撲・裂傷等の外傷が多い。また悪天候の時よりも晴天の時、また足場の悪い場所よりも一般登山道で多く発生しています。遭難の予防のためには、普段からのトレーニングに加えて、水分・エネルギーの補給をしっかりすることや、山行計画を立てた上で常にルート確認やナビゲーションを行うことが必要です。また危急時に備えて、ツェルトやエマージェンシーキットを携行しましょう。
登山計画を提出・共有をしましょう
登山届の提出をしましょう。一部のエリアでは登山届の提出が義務付けられています(岐阜県、長野県、石川県の一部地域)。また、家族・友人等に登山計画を共有しておきましょう。登山計画を共有しておくことで、万が一の時にどこで遭難した可能性があるのかを絞りこむことができます。
COMPASSシステム https://www.mt-compass.com/
もし遭難したら・・・
ケガをした場合等は、まず自分自身で対処しましょう(セルフレスキュー)。また仲間がいれば仲間に、通りがかりの人がいれば通りがかりの人に助けを求めましょう。緊急を要すると思われる場合は迷わずに【119】【110】に連絡して、「山岳遭難です!」と告げましょう。電話に出たオペレーターが適切に対応してくれます。
遭難に備える
山岳保険に加入して、万が一の捜索費用などに備えましょう。
JRO http://www.sangakujro.com/
迅速な捜索を実現するサービスがあるので活用を検討してみましょう。
ココヘリ特約 https://hitococo.com/cocoheli/
講習ではファーストエイドの基本的な知識について講師の町田幸男先生からレクチャーを受けました。日本各地で様々なファーストエイドの講習が開催されています。機会を見つけて参加して安全登山のレベルアップを目指しましょう。
自然観察会
講師の鈴木いつ子先生の先導のもと、谷川岳山麓エリアの貴重な植物について解説をしていただきました。昔の人たちがどのように植物を生活に利用していたかや、食用になる植物の紹介など興味深い話が尽きませんでした。
林道脇の貴重な植物
何も考えずに素通りしがちな林道ですが、貴重な植物の宝庫でした。普段なら気に留めず過ぎ去ってしまいそうな道でも少し足を止めて植物を観察してみると面白い発見がたくさんあることを学びました。スカイランニングの「ランニング」という言葉にとらわれず、ゆっくりと山の植生を満喫する山行も楽しんでみましょう。
雪崩の跡
林道終点の広場が、冬には雪崩が頻発するエリアでした。植物をよく観察するとわかることと教えていただきました。雪崩が発生する斜面から距離がある場所の樹木が雪崩により折れている様子を観察し、雪崩の威力を痛感しました。
JSAでは、リーダー研修会を目的別に随時開催しています。
詳細は「CALENDER」をご覧ください。
https://skyrunning.jp/2017calendar/