スカイランニング競技規則【2019年版】

<目次>

1.はじめに
2.定義
3.競技会
4.オーガナイザー規則
5.大会規則
6.競技者規則


1.はじめに

1.1 一般社団法人日本スカイランニング協会-以後JSAと称す-は2013年に設立され、国際スカイランニング連盟-以後ISF-に2014年に加盟した。JSA設立の目的として、ISFが定める国際的な競技ルール(ISFルール)に則り、スカイランニング又は類似した種々のスポーツ活動を奨励・統治・管理することがある。

1.2  JSAは自然環境を尊重しながらスカイランニングの実践を広めていくこと、個人的または公的なスポーツイベントを奨励していくこと、スカイランニングに関わる団体を発展させ競技者の身体的能力を豊かに育てていくことに取り組んでいる。

1.3  JSAはその会員間や個々のアスリートと公式組織の間の繋がりやネットワークにおいて、友好的な関係を育成していく。JSAはスカイランニング競技会に関するすべての事案につき最終的な権限をもつ組織である。

1.4  JSAの活動はすべて、いかなる政治的又は政府からの影響も受けず自立したものである。JSAは政治的、人種的、宗教的理由からのいかなる差別も許すことはしない。JSAはその活動においてあらゆる手段で男女(性別の)平等の推進をしていく。

1.5 本規定は世界規模で行われるスカイランニング競技会のための国際的指標であるISFルールに則っており、各地の競技会の規範となるガイドラインとして著されることを目的としている。本規定の目的はJSA公式スカイランニング競技会に参加する競技者とその競技会を主催する者の義務と権利を述べることにある。

1.6 JSAは特に下記について責任を果たし、取り組んでいく。
a) 法令と規則の中で述べられている一般原則に従い、競技会のルールと基準を確立し維持していく。
b) 国際競技会や規則に従っているような競技会への参画のためのルールを確立し維持していく。
c) いずれのスカイランニング競技会を公式なものとして認定するか決定する。
d) 公式な競技会や関連する活動を主催するための権限を必要としている会員や他のオーガナイザーに対して契約や認可を与える。
e) 社会的によいスポーツ活動の実践を奨励し、管理コントロールをしていく。
f) ドーピングやスポーツの平等性を害する可能性のある、他のあらゆる動向や個別行為と戦うべく、国際オリンピックメディカルコード及び反ドーピング規則を適用する。
g) オリンピック憲章を尊重し、オリンピック資格承認が可能になるところまでこのスポーツを引き上げていく。
h) スカイランニングの価値を維持していく。


2.定義

2.1 JSA – 一般社団法人日本スカイランニング協会。

2.2 SKYRUNNER(スカイランナー) – スカイランニング競技で切磋琢磨するアスリート。

2.3 SKYRUNNING(スカイランニング)
山を駆け登る、または傾斜30%を超え2000m標高以上で登攣難易度Ⅱ級 (※三点支持を要する)を超えない範囲でのランニング競技。前進する補助としてストック、アイゼンや手を使うこともある。レースによっては競技用手袋や他の装備が必携とされることもある。

2.3.1 スカイランニングの種目は、SKY、ULTRA、VERTICALの3カテゴリに分類される。コースは、小道、トレイル、ガレ場、岩や雪にまたがる。アスファルト率が全体距離の15%未満でなくてはならない。標高が2000mに達しない国々では、最小で平均傾斜6%を保って最高標高地点に到達するコースでなくてはならない。5%の許容差が認められる。

2.3.2 SKY(スカイ)– 距離20~49km、累積標高差1300m以上の山岳レース。

2.3.3 ULTRA(ウルトラ)– 距離50~99km、累積標高差3200m以上、最大時間16時間以内の山岳レース。

2.3.4 VERTICAL(バーティカル)– 25%の最小平均傾斜があり、ところにより33%傾斜を超えるアップヒル(駆け登り)レース。距離は最大で5km。

2.3.5 技術的難易度
平均傾斜、高度、雪原、氷河など、その他の要素を用いてコースの技術的難易度を定義することができる。

2.4 スカイランニングの大会名称

2.4.1 SKYRACE®(スカイレース)– 最小距離20km以上、累積標高差1300m以上の山岳レース。

2.4.2 SKYMARATHON(スカイマラソン) – 最小距離30km以上であり 優勝者タイム5時間未満のもの。累積標高差2000m以上の山岳レース(5%誤差までは許容誤差)。

2.4.3 ULTRA SKYMARATHON(ウルトラスカイマラソン)– 50-99km、累積標高差3200m以上の山岳レース。

2.4.4 VERTICAL KILOMETER® (バーティカルキロメーター)-1000mの標高差があり、傾斜がある様々な路面にまたがる、コース距離が5km未満のレース。VERTICAL KILOMETER®は様々な標高レベル(+/-200mは許容範囲)に定義される。例えば:0-1000m、1000-2000m、2000-3000m。VERTICAL KILOMETER®を2回分、または3回分でも認められる。

2.4.5 SKYSPEED(スカイスピード)-100m以上の標高差があり、傾斜33%以上のレース。

2.4.6 SKYSCRAPER RACING(超高層ビルレース) / VERTICAL RUNNING(バーティカル・ランニング) – 45%を超える傾斜で 屋内外の階段を使ったバーティカル(駆け登り)レース。

2.4.7 SKYBIKE(スカイバイク)-バイク又はマウンテンバイクのレース と VERTICAL KILOMETER®又はスカイランニング競技種目とを組み合わせた2種目構成の競技。

2.4.8 SKYRAID(スカイレイド)– 長距離にわたり、サイクリングやスキーやクライミングなど他のスポーツも混合させた、チーム戦でのスカイランニングレース。

2.4.9 SHORT SKYRACE(ショートスカイレース)– ジュニアやビギナー向けの山岳レース。距離5~19km未満、累積標高差500m以上。JSA独自種目。

2.4.10 MINI SKYRACE(ミニスカイレース)– ジュニアやビギナー向けの山岳レース。距離5km未満、累積標高差100m以上。JSA独自種目。

2.4.11 MINI VERTICAL(ミニバーティカル)– ジュニアやビギナー向けのバーティカル(駆け登り)レース。距離5km未満、標高差100m以上。JSA独自種目。


3.競技会

3.1 JSA公認レース – 本規定に則り、JSAが公認するスカイランニングレース。

3.1.1 第1種公認レース – 日本選手権、スカイランナージャパンシリーズに該当するJSA公認レース

3.1.2 第2種公認レース – 地域別選手権、地域別シリーズに該当するJSA公認レース

3.1.3 第3種公認レース – その他のJSA公認レース

3.2 スカイランニング日本選手権(SJC)– 各国で開催されるナショナルチャンピオンシップの日本版。ISFルールに則りJSAが主管して日本国内で開催される選手権大会。競技会はオープンにされていて、個人や都道府県別ランキングが決定される。

3.3 スカイランナージャパンシリーズ(SJS)– 各国で開催されるナショナルシリーズ(SNS)の日本版。ISFルールに則りJSAが主管して日本国内で開催されるシリーズ戦。競技会はオープンにされていて、個人やクラブチームのランキングが決定される。

3.4 スカイランニング地域選手権 – 本規定に則り、JSA傘下の各地域組織が主管して開催する地域別の選手権。競技会はオープンにされていて、個人や都道府県別ランキングが決定される。

3.5 スカイランニング地域シリーズ – 本規定に則り、JSA傘下の各地域組織が主管して開催する地域別のシリーズ戦。競技会はオープンにされていて、個人やクラブチームのランキングが決定される。

3.6 その他 JSAは障害をもった人たちも参加できる競技を導入することを目指す。


4.オーガナイザー規則

4.1 はじめに – 各地域のレース規則は本規定と矛盾がないものでなければならない。衝突・矛盾がある場合には、これらの規則に表記されている見解とJSAによる決定が優先される。

4.2 イベント立上げのための申込(出願) – JSA公認レースの出願は、出願書式を取り寄せ、JSA事務局に直接、申し込まなければならない。申込(出願)はレース詳細についてリストが全て埋められていなければならない。JSA会員及びJSA傘下の事務局は地域別選手権または日本選手権に名乗りをあげていく権利を有する。

4.2.1 いずれのJSA公認レースの立ち上げをしようと出願するオーガナイザーも、本規定の一般原則に目を通し、内容について理解受諾していることが暗黙として求められる。

4.3 第1種公認レースへの申込(出願) – 第1公認レースへの出願に関しては入札制とする。
-スカイランナージャパンシリーズ
-スカイランニング日本選手権

4.3.2 入札出願は全て、次の内容を含む 競技会や一般イベントに関連する全ての重要な情報が明記された書類が提出されていなければならない。財務予算、競技者に提供されるサービス、競技スタッフ(テクニカルスタッフ)の用意、宿舎、食事、(授与する)賞や賞品、招待、宣伝方法、出版(情報発信)設備などについて。

4.3.3 JSA競技委員会は全ての出願について検討し、最終決定をくだすために必要となる、より多くの情報を求めていく。競技委員会によって提供された示唆を考慮に入れながら、JSA理事会によってJSAカレンダー(スケジュール)が認可されていく。

4.3.4 必要があれば、基準統合(相違意見の擦り合わせ)やプロポーザル(意見表明や提案)を調査確認する目的で、JSA競技委員会は競技主催者(オーガナイザー)との会議を招集することがある。オーガナイザーは事前承諾した日時でこの会議に出席することが求められる。

4.3.5 特別条項 – JSAは競技会それぞれに対する参加割り当てや以下のような他の責務事項について各年設定していく。例えば、トップランク競技者のエントリー保証と宿舎、JSAスタッフ、時によりテレビクルー、カメラマンやジャーナリストの宿舎、優勝者への賞金最低額、カップ、メダル、トロフィー等。これらの要求事項については、出願申込書式の中に詳細に記されている。

4.3.6 契約 – 競技会主催者(オーガナイザー)はスポンサーシップ(後援協賛)、賞、ルールの遵守(強制執行)、財務的責務事項、保険、グッズやサービスの入手可能性や提供について、プロモーション(宣伝)等、権利と義務を含めた、数々の責務事項について同意しているという契約書をJSAと交わさなければならない。

4.3.7 競技会主催者(オーガナイザー)とJSA傘下の各協会はそのイベントが可能な限り最良の状態で安全に執り行われるよう、全ての必要品と管理に有効な処置の準備をしなければならない。(補助要員や救護・医療補助要員、安全装置の環境など)

4.4 登録料 – JSA公認レースへの登録料については、一般管理費や選手活動への寄与を目的とし、各年ごとに設定される。競技スタッフやJSA代表(役員)、メディア等に対する待遇(おもてなし)のような 他の要求事項についても協議される。

4.5 保険 – 各都道府県協会かJSA競技委員会、或はその両方から、競技会主催者(オーガナイザー)が民事責任の担保を補償する保険証券をかけるよう、確実に指導していかなければならない。更に、主催者(オーガナイザー)が、イベントに適用される、地方税や国税などの観点の国内法を破ってイベントの財務的危機(ファイナンシャル・リスク)を招くことのないよう、確実に指導していかなければならない。

4.6 JSAに想定される費用 - JSAは、スカイランナージャパンシリーズにおいてはスポンサーからの寄付金と登録料に基づいて、最終的な褒賞を準備し、日本選手権と地域選手権についてはトロフィーかメダル或はその両方を支給する。JSAはまた、JSAウェブサイトやソーシャル・メディア、メディア対応などの運営管理をするなど、イベントのプロモーションについても責任をもつ。

4.7 イベントカレンダー(スケジュール) – スカイランナージャパンシリーズ、日本選手権におけるレース日程は他のレースと両立できる日程で組まれなければならない。もし両立できない状況であれば、主催者は公式シリーズ戦に入れられるよう7日以内に前倒しをするか延期をするよう積極的に調整をしていかなければならない。

4.8 主催者に課される責務 - JSA公認レースの全ての主催者は下記のことが求められる。

4.8.1 (イベントに必要な)全ての許可状やイベントの保険証券を入手すること。参加者や一般の方々の安全のため、コース上またはコース近辺の一時的な交通調整や道路封鎖を含め、地方官庁と関係調整をすること。

4.8.2 全ての組織要員の配備:運営監督者(本部スタッフ)、レース登録係(受付スタッフ)、レース・ディレクター、コース・マーカーやマーシャル、スタート地点とゴール地点のスタッフ、時間計測係、スピーカー(進行役)、オーディオ・システム、エイド・ステーションとチェック・ポイントのスタッフ、医療スタッフ、救護サービス。

4.8.3 レース・エントリーの管理、レースゼッケンとレース・バッグの配布、スタート者リストの収集とチェック、オフィシャル(公式スタッフ)及び参加競技者へのリザルトの印刷と供給。

4.8.4 備品を用意し、参加者が迷う可能性のある分岐や場所において旗又は矢印の設置をして標識をつけてコース整備をすること。チェック・ポイントとエイド・ステーションの提供と運営。医療補助と救護サービスの配備。リタイアした選手の補助サポートを用意すること。

4.8.5 全ての参加者とスタッフを収容できる、適した場所でレース前ブリーフィングを執り行うこと。

4.8.6 入賞セレモニー:賞品、表彰台や背景幕などの用意。

4.8.7 スタート地点とゴールエリアに近いところでトイレを使えるように用意すること。

4.9 第1種公認レースの主催者に課される責務 – 日本選手権、スカイランナージャパンシリーズの大会主催者は下記のことが求められる。

4.9.1 JSAパートナーに割り当てられたスペースを包括できるよう、ブランド・ビレッジのエリアを提供すること。

4.9.2 トップランク選手、JSA公式スタッフ、JSAが用意したメディアのための宿舎の用意。

4.8.3 一般大衆のため、安全で区切られたエリアを用意すること。レース・スタート、フィニッシュ・エリア、そして必要な場所ではコース上に沿って指定エリアをコースと区切ること。

4.9.4 オフィシャル(公式スタッフ)やプレス・スタッフが コース上の様々な場所にアクセスできるように 輸送手段を用意すること。(例えば、ジープ、モーターバイク、ヘリコプター等)

4.9.5 アンチ・ドーピング(反ドーピング)・コントロールを実践すること。

4.9.6 指定エリアに入場するためのメディア身分証やバッジを提供すること。フィニッシュ(ゴール)・ラインには、区切られたプレス・エリアを用意。スタート者リスト、コース・インフォメーション、リザルトをデジタル・フォーマットで提供すること。

4.9.7 無料インターネットwi-fi接続のプレス・ルームを用意すること。

4.9.8 JSAとメディアに、プロによる写真を提供すること。

4.9.9 JSA(公式)ウェブサイトがリンクされているウェブサイトを各イベントごとに設置しなければならない。JSAロゴとSJSのロゴが挿入されていなければならない。レース・ニュースは、イベントの前と後とにおいてリザルトを伴って投稿されていなければならない。

4.9.10 各イベントにおいて、主催者(オーガナイザー)はJSA代表者に従い、何の追加衣類や追加装備が競技者にとって必要となりうるかを判断しなくてはならない。

4.10 JSAとしての公示(可視化) – ウェブサイトやソーシャル・メディアを含む、レース ・オーガナイザーの宣伝用ツールには、JSAロゴとJSAの公式競技会カテゴリーであることを示しているロゴ(例えばスカイランナージャパンシリーズなど)が他のJSAパートナーのロゴと同様に含まれていなければならない。ブランド・ビレッジエリアのスペース割り当てのため、JSAはオーガナイザーにパートナーリストを提供するであろう。健康やモラル上の理由により不適当と思われる広告は全て禁じられている。オーガナイザーによって与えられるJSAイベントとしての公示は次により成り立っている。
a) レース・パンフレットでのフルページ広告、関連ロゴが広告物やウェブサイト、ソーシャル・メディアの中で、またポスターやどんな印刷物の上にも表示されること。
b) スタート/フィニッシュアーチの上、フィニッシュ・ライン・エリアの中、表彰台の上にそれぞれ、SJSロゴ又はバナー或はその両方が一緒に設置されている。
c) SJSでは、優勝者及びチャンピオン用ジャージをレース主催者(オーガナイザー)に提供していく。競技会優勝者(男性1位と女性1位)は“winner”ジャージを表彰台で着なければならない。最終チャンピオンは“champion”ジャージを表彰台で着なければならない。

4.11 主催者(オーガナイザー)であることの公示(可視化) – JSA公認レースやそのレース・スポンサーには、JSAで作られる特定の宣伝素材(グッズ等)や公式ウェブサイト上で、又は協会からの情報伝達の中で、JSA公認であることの公示が与えられるであろう。


5.大会規則

5.1 はじめに – 各レースの規則は本規定に沿った内容でなければならない。沿っていない部分が発生した場合、ここに記載されているルールとJSA代表による決定が優先される。

5.2 レースのスタッフ – 各レースの主催者は以下の運営スタッフを任命しなければならない。

5.2.1 全ての公認レースで準備されるべきスタッフ
a) レースディレクタ – すべての運営に関する面と主催者、テクニカルスタッフ、そして地元関係者間の連絡に責任を持つ。
b) レース事務員 – 参加者のエントリー、宿泊先など、そしてJSAとの連絡に責任を持つ。
c) テクニカルディレクター – レースコース、そのデザイン、マーキング、チェックポイント、エイドステーション、補給などに責任をもつ。セーフティーオフィサーと連携して業務に当たる。環境への配慮も任務に含まれる。
d) セーフティーオフィサー – 選手と観客のために危険箇所、緊急の医療サービス、避難場所などについて責任を持つ。テクニカルディレクターと連携して業務に当たる。

5.2.2 第1種公認レースで準備されるべきスタッフ
a) プレスオフィサー – すべての広報関係とプレスリリースの作成、配給、認可、最終的なプレスキットの配布、すべてのレース情報、レース結果、バッジに責任を持つ。プレスオフィサーはレースディレクターを協同してコースにアクセスするための特別な交通手段を用意する(バイク、リフト、ヘリコプターなど)。プレスオフィサーは最終的な記者発表の運営に責任を持ち、JSAと協力しなければならない。
b) スカイランナーマネージャー – アスリートと主催者間の連絡に責任をもつ。交通手段、宿泊、割引などの情報をアスリートに提供し、彼ら・彼女らを常に支援しなければならない。
c) リザルトディレクター – 時間記録、レース結果、その発表、その他の詳細をJSAに提供することに責任を持つ。
d) バイリンガルスタッフ – 国際的なイベントで利用でき、アスリートや事務員を英語ともう1ヶ国語、もしくはそれ以上で支援する。

5.3 全ての公認レースに適用される大会規則

5.3.1 コースのマーキング – 主催者は選手の安全のために基本的な標識(なるべく蛍光性の旗や他の標識)を設置しなくてはならない。50mごとに1カ所以上が相応しい。標識は生分解性の素材で作られ、競技終了後すぐに取り外されなければならない。

5.3.2 コースが明確な場合、旗や他の標識を設置しなくても良いが、安全対策と特別なチェックポイントが主催者によって設置されなくてはならない。これらのことはレース前にブリーフィングで説明されなくてはならない。

5.3.3 安全性 – 主催者は専門的なスタッフにより、警察、山岳ガイド、医療サービス、救急車、救急救命サービスなどの協力を得て、選手、一般の人々、コースの誘導係、チェックポイントやエイドステーションのスタッフなど競技に関係するすべての人たちの安全を確保する。

5.3.4 水、雪、氷、車道の横断、急な坂、岩場など選手が危険にさらされる可能性のある場所では特に配慮をする必要がある。

5.3.5 大会本部と主催者は常に無線を通じてチェックポイントや救急チームとつながっていなくてはならない。

5.3.6 選手の服装と装備 – 個別のレースのルールに加え、本規定に適合するためコースや天候状況により、タイツ、手袋、ハイドレーション・パック、ヘルメット、サングラス、ヘッドライトの使用をルールに加えることが必要になることがある。スカイ、ウルトラの2カテゴリのレースでは、防風ジャケット(もしくは保温シート)、山岳ランニング用シューズ、そしてソックスを使用しなければならない。この必携・推奨装備は各レース前にオンラインで発表、レース前にブリーフィングで説明されなければならない。

5.3.7 スキーポールの使用は各レース主催者によって制限され、JSA競技委員会によって承認される。その承認は、レース中ポールの使用をすべてのセクションにおいて許可するか、特定の場所のみ許可するか、一切禁止するか、のいずれかの形をとる。コースが土壌の場合はポールの先端にカバーをつけることは必須である。

5.3.8 チェックポイントによる規制 – コース上の重要な箇所にはチェックポイントを設置しなければならない。重要な箇所は山頂、峠、分岐点などである。チェックポイントのスタッフは無線を携帯し、大会本部との連絡を取れる状態でなければならない。このスタッフは選手がチェックポイントを通過する際に、到着の順番やリタイアする選手を確認し、記録を取らなければならない。もしレースが途中中止になった場合、このスタッフは安全確保するためにチェックポイントで選手を確認しなければならない。

5.3.9 マーシャルは、選手によるルール違反を発見した場合は、すぐに大会本部に連絡しなければならない。またマーシャルは大会本部から選手への特別な指示も伝える(例えば、ジャケットの着用や大会の途中中止など)。

5.3.10 エイドステーション – 主催者はレース開催中、エイドステーションで十分な補給品を提供するか、選手が自ら十分な補給品を携行するようにしなければならない。5キロごとか500mの登りごと(どちらか最初に到達する方)に水分を補給することを推奨する(少なくとも10kmもしくは1000mの登りごとに1カ所以上は用意すること)。レース中盤の少なくともひとつのエイドステーションで固形の食べ物を提供しすること。レース終盤の選手専用の特定の場所で固形の食べ物と飲み物両方を提供すること。

5.3.11 クルーによる選手へのサポートはエイドステーションの前100mと後100mのみで許可されている。主催者はコース上、チェックポイント、エイドステーションの標識やゴミを取り除く責任を負う。

5.3.12 エイドステーションを十分な数設置できない場合、他の場所での選手へのサポートを許可することができる。

5.3.13 競技者の番号 – 主催者は参加者に番号のついたゼッケンを提供する。第1種公認レースの場合、これらの番号は最新のJSAランキングによって決まる。すなわち低い番号はランキングトップの男子・女子それぞれの選手にあてられ、以後番号が大きくなるに従い、ランキングの順位も下がっていく。

5.3.14 勝者 – 各レースではカテゴリーごとにひとりの勝者を、写真判定や他の方法で決定する。各ランナーのタイムを計測するレース(Vertical Kilometer®や個人スタートなど)のみ同着が認められる。

5.3.15 フィニッシュとリザルトの測定 – 主催者はフィニッシュラインにてタイム計測を行う。もし電子測定機器が使用されるのであれば、この機器によりタイムと順位が決定される。もし電子測定機器を使用しないのであれば、選手の胸がフィニッシュラインを越えた瞬間にタイムと順位が決定する(写真、動画、審判の目視などで決定する)。

5.3.16 主催者はフィニッシュの順番に並んだ選手リストを提供する。疑義が生じた場合審判にも提供する。このリザルトは審判の許可なしに公にしてはならない。

5.3.17 ブリーフィング – 選手はレースのすべての側面を理解することが要求される。すなわちレースのルールやコースなどである。ブリーフィングはこれらの理解を促進するために行われる。以下が基本的な手順である。
a) レースの代表者などによるプレゼンテーション。
b) 天気予報、気温、風速など。
c) 資格教材(スライドやビデオ)を使ったレース説明。エイドステーション、チェックポイント、難しいエリア、様々なテクニカルな特徴。
d) 必携の装備。
e) 制限時間と関門の位置。
f) 以下のような一日のスケジュール、すなわち朝食、レース会場への公共交通機関、駐車場、レースのスタート/フィニッシュ、アンチドーピングの規則、食事、表彰式など。
g) レース中のサービス。ウェアなどの荷物のドロップオフや収集箇所、更衣室、シャワー、食事施設。
h) ウォームアップやレース中の環境への配慮の情報。一般登山者や他の選手への配慮。

5.3.18 レースの中止 – 極度の悪条件が発生した場合を除いて、レースの中止・延期はできない。各レース主催者は霧や雪といった悪天候に備えて代替のコースを確保しておかなければならない。

5.3.19 環境関連の事柄 – 主催者は脆弱な生態系のエリアを通るルートを避けるためにあらゆる手段を尽くし、レース終了後すぐにマーキングを取り除き、観客や選手のゴミを取り除き、生分解可能な素材のマーキングのみをしようするなどしなければならない。

5.4 第1種公認レースに適用される大会規則

5.4.1 スタート地点 – 第1種公認レースでは、スタート地点はエントリーリストに載っている選手のみが入れるように閉じておかなければならない。必須の服装と装備、名前に対応するゼッケン番号、適切な場所に付けられたゼッケンに基づいて、スタート地点への立ち入り規制が行われる。上記の条件を満たしていない者の立ち入りは禁止である。

5.4.2 全員同時スタートの場合、より良いスタート位置はランキングトップの選手に与えられる。この判断はランキングやレース結果に基づいて行われる。

5.4.3 スタート位置は最低5メートル以上の幅が必要で、その幅が最初の500メートル続かなくてはならない。この幅はレースの最初の1キロにわたり保たれるのが理想的である。

5.4.5 フィニッシュライン –フィニッシュラインの手前少なくとも100mは選手のみが使用できるように規制すること。フィニッシュラインの幅はおおよそ5mとすること。

5.4.6 フィニッシュラインの後ろには選手のみが立ち入ることができる規制エリアを設けること。必携の服装や装備をここで確認する。大会スタッフのみがこのエリアに入ることができる。すなわち主催者、医療関係者、報道関係者である。トイレやシャワーをこの周辺で利用できるようにしなければならない。

5.4.7 審判団 – 審判団の構成は各レースの前に公表され、JSA代表、コースディレクター、公認審判員を含まなくてはならない。審判団の決定は多数決で決定し、議論が決着しない場合は、JSA代表の意見が適用される。

5.4.8 審判団の役割 – レース審判団の役割には以下のものが含まれる。すなわち、レースに関わる一切の問題に対して決定を下すこと、厳しい天候条件に注意を呼びかけること、意見の対立の解決策を承認すること、意見を審査してその結果に基づき決定を下すこと、レースとランキングが基準を満たしていること、スポーツマンシップが確保されていること、あらゆる不明点や質問に答えること。

5.4.9 JSA代表 – レースにおいて最も位が高いスタッフはJSA代表で、JSA会長本人が不在の場合、JSA会長によって任命される。任務には以下のものが含まれる。すなわち、JSA、主催者、各協会の間の関係を調整すること。そしてアンチドーピングなどの規則が守られていること、正しい手順によってレースが運営されていること、適切なトロフィーが授与されていることなどを確認する。速報のランキングを管理することと48時間以内に公式のレースレポートを書くことはJSA代表の職務である。

5.4.10 JSA審判 – JSA審判はすべての規則が守られていることを確認する。そして主催者とともに安全委員会やレース運営の会議に出席し、スポーツマンシップを確保し、公式ランキングに署名し、異議を受け付け、そしてレースが環境に配慮したものであることを確認する。各レース少なくともひとりのJSA審判を配置する。

5.4.11 アンチドーピング規制 – 各国のルール、(世界アンチドーピング機関の)規制、そしてその国の関連団体の同意によって、ドーピング検査をどのレースでも行ってよい。

5.4.12 公式表彰式 – 主催者は性別による差別をせずに男女それぞれ上位3人ずつに賞品を授与しなければならない。入賞者は男女それぞれ上位10人までとする。

5.4.13 表彰式は国際的基準に則った手順で行われる。1位の賞品はJSA代表によって授与され、2位の賞品はその地域のJSAのメンバーによって授与され、3位の賞品はその地方の代表者によって授与される。

5.4.14 レースのスケジュールはレース主催者とJSAが共同でレースのプログラム、日時、会議、賞品などを決定する。


6.競技者規則

6.1 はじめに – 各地の大会の規則は本規定に則ったものでなければならない。不一致が発生した場合は、このルールとJSA代表による決定が優先される。

6.2 ルールの遵守 – すべての競技者は、他の競技者、大会関係者、一般の人々、そして代表者のために良いスポーツマンシップを守り、JSAのルールと各地の大会ルールを遵守する義務を負う。各地のレース前ブリーフィングに参加し、手紙や電子メールを通じてレース情報やルールを受け取る義務を負う。

6.3 資格 – JSA公認レースには次項に定める年齢を満たし、有効な健康診断書を持つアスリートが参加できる。

6.3.1 医科学的な見地と安全性のため各種目の参加資格保有者は以下の年齢(学年)とする。参加条件は各レースのルールによって具体的に示され、参加申込書は署名の上、集められる。
a)ULTRA SKYMARATHON(ウルトラスカイマラソン)- 20歳以上
b)SKYMARATHON(スカイマラソン) – 18歳以上(大学生以上)
c)SKYRACE®(スカイレース)- 15歳以上(高校生以上)
d)VERTICAL KILOMETER® (バーティカルキロメーター) – 12歳以上(中学生以上)
e)SHORT SKYRACE(ショートスカイレース) – 12歳以上(中学生以上)
f)SKYSPEED(スカイスピード)- 10歳以上(小学生高学年以上)
g)SKYSCRAPER RACING(超高層ビルレース)– 10歳以上(小学生高学年以上)
h)MINI SKYRACE(ミニスカイレース)– 6歳以上(小学生以上)
I)MINI VERTICAL(ミニバーティカル)– 6歳以上(小学生以上)

6.3.2 JSA公認レースには、有効な健康診断書を所有している者かJSA会員資格を有しているすべてのアスリートが参加できる。特に厳しいコースの場合、JSA会員資格の保有、もしくは、標高が高い場所でのランニングの経験やスキーを使用した登山の経験を証明する必要がある。

6.3.3 SKYMARATHON®の競技に参加できるのは以下のアスリートである。
A)過去12ヶ月でSKYRACE®を完走したアスリート。
B)過去2年以内にSKYMARATHON®もしくはULTRA SKYMARATHON®を完走したアスリート。
C)登山やスキー登山の経験をもったアスリート。

6.4 競技者は賠償責任および個人の保険に加入しなければならない。

6.5 ウェアと装備品 – 競技者は主催者のレースのルールによって定められたウェアや装備品を携行しなければならない。競技者の安全を確保するため、これらは定められた必要条件を満たし完全な上体でなければならない。攻撃的・侮辱的な服装は許可されない。審判は不良・不十分と判断した装備品を不合格にする権利を有する。

6.7 追加の装備品 – 個別のレースのルールに加え、本規定に適合するために、コースや天候状況により、タイツ、手袋、ハイドレーションパック、ヘルメット、サングラス、ヘッドライト等を必携装備品に加える必要がある場合がある。SKYRACE®、SKYMARATHON®、ULTRA SKYMARATHON®そしてSKYRAIDでは防寒・防水ジャケット、山岳ランニング用シューズ、そして靴下の使用は必須である。この装備品が必須であることは各レース前に示され、競技説明で説明されなくてはならない。

6.8 競技者のレースにおける規範
a)競技者はコースのマーキングをたどり、すべてのチェックポイントを通過し、またレース中にエイドステーション外でごみを捨ててはならない。
b)競技者は自らの意志でリタイアでき、またレースディレクターもしくは医療スタッフによりリタイアを強制されることもある。
c)緊急事態を除きリタイア(自らの意志でも強制でも)はチェックポイントにてレースブリーフィングの際に説明された手順で行わなければならない。
d)競技者は怪我をしたり疲労困憊状態になったりしている他の競技者を救護支援しなければならない。大会審判員はこの支援に費やされた時間を考慮にいれる。
e)レースディレクターやチェックポイントのスタッフはコース上のいかなる場所であっても競技者にウインドブレーカー、帽子やヘルメットなどのかぶり物、もしくは他の必携ウェアや装備を装着するように強制することができる。

6.9 罰則 – 罰則は様々なレース規則とISFの規則に基づき適用される。

6.9.1 以下のことに対して3分のペナルティーから失格までの罰則が適用される。
A)エイドステーションの外でごみを捨てた場合
B)(エイドステーションなどの指定された場所ではない)認可されていない場所でサポートを受けた場合
C)自発的であってもそうでなくても、レースコースの標識に従わなかった場合
D)ビブが見えない場所にあったり、許可なく改ざんしたりした場合
E)フライングスタートした場合
F)必須のチェックポイントを通過しなかった場合
G)助けを必要としている他の競技者を助けないなど、スポーツマンらしくない振る舞いをした場合
H)必携とされているものを携行もしくは使わなかった場合
I)運営団体や審判員の支持に従わない場合

6.9.2 失格となるのは以下の場合である。
A)表彰式に正当な理由なく出席しなかった場合
B)ドーピングテストを受けるのを拒否したり、テストで陽性が出たりした場合

6.10 抗議・異議の申し立ては書面にて行い、申し立て者の名前、フィニッシュラインもしくは結果速報でのビブ番号とともに連署されていなければならない。結果速報が発表されてから30分以上経過すると、抗議・異議を申し立てることはできない。審判員の判断は多数決により決定され、議論になった場合JSA代表の決定が適用される。

6.11 反ドーピング規制 – 競技者は各国のルールとWADAの手順に則り、指定されたドーピング検査を受けなければならない。陽性の結果が出た競技者は即刻失格とする。