10月19日(日)に長野県山ノ内町にて、2019日本選手権・志賀高原エクストリームトレイルが開催されました。同大会では、ULTRA(56km/±2930m)・SKY(32km/±2000m)の2部門が競われ、日本全国から集結したアスリートによってハイレベルな戦いが繰り広げられました。優勝・金メダリストは、ULTRA部門では神奈川県の三浦裕一(Miura Yuichi)と栃木県の星野由香理(Hoshino Yukari)、SKY部門では東京都の上正原真人(Kamishohara Masato)と大阪府の楠田涼葉(Kusuda Suzuha)でした。

低気圧の影響で強風の吹く中、日の出前の朝5時にULTRA部門、朝8時にSKY部門がスタートしました。まずは標高約1700mの熊の湯から、レース最高標高地点の横手山・標高2307mまで駆け登ります。横手山からは標高2000m程の稜線を赤石山・寺子屋峰まで進みます。この区間は前夜の雨によるスリッピーな条件によって転倒する選手が続出する、まさにエクストリームな山岳レースとなりました。

強風の中のスタート ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
強風の中のスタート ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

ULTRA部門では、本格的な山岳区間が終わった一ノ瀬(17km地点)では大会3連覇中の小川壮太(Ogawa Sota)がトップへ。僅差の2位にアジア選手権3連覇中の三浦裕一(Miura Yuichi)、3位に矢嶋信(Yajima Makoto)等が追いかける展開に。女子は星野由香理(Hoshino Yukari)が10分近くリードし、昨年の日本チャンピオンの立石ゆう子(Tateishi Yuko)滝澤空良(Takakizawa Sora)木下久美(Kinoshita Kumi)が追いかけます。

大きくリードし笑顔を見せる星野 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
大きくリードし笑顔を見せる星野 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
怪我からの復活となった三浦 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
怪我からの復活優勝となった三浦 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

巨大なスキーゲレンデが広がる焼額山を下ったレース後半は比較的緩やかな区間となります。ここで三浦裕一が小川壮太との差を詰め、蓮池駐車場(45km地点)で追い越します。それから差を広げて逃げ切り初めて日本王者の栄冠を勝ち取りました。2位には小川壮太。3位には矢嶋信が入りました。女子は後半さらに差を広げた星野由香理が圧勝、2年ぶり(3度目)に日本女王へ返り咲きました。2位には立石ゆう子。3位には後半に追い上げた木下久美が入りました。男女ともに2018日本代表の実力者がタイトルを勝ち取ったULTRA部門となりました。

序盤にリードした10代の近江 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
序盤にリードした10代の近江 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

SKY部門では、一ノ瀬(17km地点)では上正原真人(Kamishohara Masato)が数分リードし、僅差で近江竜之介(Oumi Ryunosuke)藤飛翔(Fuji Tsubasa)近藤敬仁(Kondo Yoshihito)の3名が追いかける展開に。女子は楠田涼葉(Kusuda Suzuha)が後続との差を10分以上リードする独走。2位に上田絢加(Ueda Ayaka)、さらに10分程の差で3位に秋山穂乃果(Akiyama Honoka)が続きます。

上正原。後続から逃げ切っての初の栄冠に輝く ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
上正原。後続から逃げ切っての初の栄冠に輝く ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
泥だらけの楠田。魂のスカイランニング ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
泥だらけの楠田。魂のスカイランニング ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

緩斜面の後半になると、数々の世界戦を経験してきた近藤敬仁が追い上げ2位に躍進します。しかし、上正原真人は勢いを緩めることなく逃げ切って優勝。公式戦における初タイトルが日本選手権・金メダルという快挙でした。2位には2分差で近藤、3位には4分差で近江竜之介が入りました。女子は後半もさらに後続との差を広げてた楠田涼葉が圧勝。楠田も日本選手権初優勝の快挙となりました。23分差で2位に上田絢加、36分差の3位に秋山穂乃果が入りました。スカイ部門は男女ともに20代の新星が誕生した新時代の到来を予感させるレースとなりました。

後半に追い上げた近藤。若手にはまだ負けられない ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
後半に追い上げた近藤。若手にはまだ負けられない ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

なお、今回の日本選手権より都道府県ランキングを算出しています。都道府県ごとのコミュニティを強化し、都道府県協会の設立を促していく為の手立てです。ULTRA・SKYの2部門が終わった現時点では東京、長野、静岡の順となっています。代替で日本選手権(VK部門)となったびわ湖バレイVKの結果で都道府県の最終ランキングが決定します。

TEAM RANKING MEDAL COUNT

2019日本選手権 トップ5(2019 Japan Champs Top5)

立石、星野、木下 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
立石、星野、木下 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

ウルトラ 女子(ULTRA WOMEN)
1.星野 由香理(Hoshino Yukari)栃木県 07:24:06 ※2020世界選手権 日本代表内定
2.立石 ゆう子(Tateishi Yuko)東京都 07:52:48 ※2020世界選手権 日本代表内定
3.木下 久美(Kinoshita Kumi)大阪府 08:22:24
4.滝澤 空良(Takizawa Sora)北海道 08:33:13
5.飯田 直子(Iida Naoko)東京都 10:18:34

小川、三浦、矢嶋 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
小川、三浦、矢嶋 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

ウルトラ 男子(ULTRA MEN)
1.三浦 裕一(Yuichi Miura) 神奈川県 06:19:15 ※2020世界選手権 日本代表内定
2.小川 壮太(Ogawa Sota)山梨県 06:22:56 ※2020世界選手権 日本代表内定
3.矢嶋 信(Yajima Makoto)埼玉県 06:34:20
4.町田 知宏(Machida Tomohiro)東京都 06:35:51
5.城武 雅(Shirotake Masashi)東京都 06:39:06

上田、楠田、秋山 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
上田、楠田、秋山 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

スカイ 女子(SKY WOMEN)
1.楠田 涼葉(Kusuda Suzuha)大阪府 04:20:24 ※2020世界選手権 日本代表内定
2.上田 絢加(Ueda Ayaka)東京都 04:43:22 ※2020世界選手権 日本代表内定
3.秋山 穂乃果(Akiyama Honoka)長野県 04:56:50
4.宮坂 康子(Miyasaka Yasuko)長野県 05:18:03
5.大松 知恵(Oomatsu Chie)東京都 05:24:16

近藤、上正原、近江 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL
近藤、上正原、近江 ©SHIGAKOUGEN EXTREME TRAIL

スカイ 男子(SKY MEN)
1.上正原 真人(Kamishohara Masato)東京都 03:30:00 ※2020世界選手権 日本代表内定
2.近藤 敬仁(Kondo Yoshihito)静岡県 03:32:30 ※2020世界選手権 日本代表内定
3.近江 竜之介(Oumi Ryunosuke)京都府 03:34:06
4.藤 飛翔(Fuji Tsubasa)長野県 03:38:17
5.加藤 聡(Kato Satoshi)愛知県 03:42:17

2019スカイランニング日本選手権

志賀高原エクストリームトレイル