rogo-asia

12月2日・4日、中国の香港にて2016スカイランニングアジア選手権「ランタオVK/ランタオ50」が開催されました。2015年2月に香港のサイクンで初開催されたアジア選手権は、今回で2度目の開催となります。日本からは2016日本選手権(9月の蔵王バーティカルレース/蔵王スカイレース、10月の志賀高原エクストリームトレイル)の上位者で構成される代表チームと一般チーム、合わせて20名程で挑んだ日本チーム。金5、銀2、銅1、合計8のメダルを獲得し、2年連続で国別ランキング1位の栄冠を勝ち取りました。

_ho_0301

大会会場は香港国際空港が位置するランタオ島です。VK、SKY、ULTRAの3種目いずれのカテゴリも、島で最高峰のランタオピーク(標高934m)に駆け登るコース設定となります。標高は低いものの、急傾斜の階段が連続し、なおかつ日本の平均的な山岳よりも固い地面が続く難コースとなります。気温は摂氏20~25度ほどで過ごしやすいですが、現在の日本より湿度も高いため、運動時には暑く感じられる気候です。

_dx_0123

今回のアジア選手権にはアジア各国の代表だけでなく、ウルトラを中心に欧米でも活躍するエリート選手も参加して世界中から注目される大会となりました。そのような中、日本チームは総合でも上位に入る大健闘をみせました。2日に開催されたバーティカル・キロメーターでは宮原徹(Toru Miyahara)吉住友里(Yuri Yoshizumi)が欧州やネパールの強豪を破って総合優勝を果たしました。吉住はネパールのミラ・ライがもつ大会記録を2分ほど大幅に更新しての快挙となります。また、スカイレースでは松本大(Dai Matsumoto)が序盤からのリードを逃げ切り総合優勝。アジア選手権2連覇を達成しました。

アジア各国の国籍をもつ選手で競われるアジア選手権では合計8つのメダルを日本チームは獲得して国別ランキングで2年連続でアジア1位の栄冠を勝ち取りました。金メダルは総合優勝をした宮原・吉住・松本に加えて、スカイレース女子総合3位の高村貴子(Takako Takamura)とウルトラで男子総合7位の三浦裕一(Yuichi Miura)が獲得。日本は男女合わせて6カテゴリのうち、5つの金メダルを獲得しました。銀メダルはバーティカルで男子総合7位の柳澤隼人(Hayato Yanagisawa)とウルトラで総合8位の獲得。銅メダルはスカイで男子総合4位の吉原稔(Minoru Yoshihara)が獲得。また、レースの入賞圏内である総合5位に山本大賀(Taiaga Yamamoto)、バーティカルとスカイの2種目の合計タイムで競うコンバインドでは男子2位に竹原直也(Naoya takehara)、同3位に三浦優(Suguru Miura)がランクインしました。

_dx_0295

今回のアジア選手権は日本のスカイランナーたちの実力と日本のチーム力をアジア各国に伝えることができた大会となりました。日本チームのスタイルを参考にして、韓国やネパールなどの他国もナショナルチームを編成して挑む形式に移行しています。今後、アジア各国でもナショナルチーム同士が競うスポーツへを発展していく道筋が見え始めたといえます。宮原や松本のような国際経験が豊かな選手と20才代の若手選手、その両方が混在した今回の日本チームの活躍は、日本だけでなくアジアのスカイランニングの選手層が厚みを増してきたことの現れだといえます。アジア選手権は毎年開催される予定です。2017年も夢と希望に満ちたスカイランナーたちの挑戦を待っています。

_dx_0005


大会成績 ―総合トップ5・メダル獲得者―

_dx_5855

VK(バーティカル・キロメーター/+950m/5km)男子

1.宮原徹 Toru Miyahara(滝ヶ原自衛隊、日本) 38:17―金
2.ニコラ・マルタン Nicolas Martin (Sigvaris Sports Team / HOKA OneOne、フランス) 38:51
3.エマヌエレ・マンジ Emanuele Manzi(La Sportiva、イタリア) 39:56
4.エイリク・ハウグスネス Eirik Haugsnes (ノルウェー) 40:49
5.ルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret(HOKA OneOne、フランス) 42:17
7.柳澤隼人 Hayato Yanagisawa (滝ヶ原自衛隊、日本) 43:59―銀
9.パク・ビョンゴン Byeong Gwon Park(韓国) 44:46―銅

_dx_5711

VK(バーティカル・キロメーター/+950m/5km)女子

1.吉住友里 Yuri Yoshizumi (DYNAFIT、日本) 45:59 ※大会新記録 ―金
2.スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha (ネパール) 48:05―銀
3.カロリーヌ・シャヴェロ Caroline Chaverot (HOKA OneOne、フランス) 50:23
4.ザイン・ウィリアムズ Zein Williams (イギリス、香港在住)52:07
5.モー・ゴベール Maud Gobert (Adidas、フランス) 53:47
6.パク・ミュンギョ Myungyoe Park(韓国) 54:27―銅

_dx_1485

SKY(スカイレース/±2000m/27km)男子

1.松本大 Dai Matsumoto (Salomon、日本) 3:01:23―金
2.キム・ジンワン Jinwan Kim (Salomon、韓国) 3:04:20―銀
3.エティエンヌ・ロドリゲス Etienne Rodoriguez (GONE Running、ニュージーランド・香港在住) 3:06:41
4.吉原稔 Minoru Yoshihara (TENICA、日本) 3:16:01―銅
5.山本大賀 Taiga Yamamoto (XEBIO、日本)3:16:25

_dx_1530

SKY(スカイレース/±2000m/27km)女子

1.ザイン・ウィリアムズ Zein Williams (Raidlight、イギリス・香港在住) 3:37:59
2.サンドラ・コブルミュラー Sandra Koblmuller (オーストリア) 3:40:11
3.高村貴子 Takako Takamura(日本) 3:49:38―金
4.パク・スージ Sooji Park (Salomon、韓国) 3:59:37―銀
5.ツアン・インフン Yin Hung Tsang (香港) 4:10:31―銅

_dx_1612

ULTRA(ウルトラ・スカイマラソン/±3500m/54km)男子

1.ニコラ・マルタン Nicolas Martin (Sigvaris / HOKA OneOne、フランス) 5:41:51
2.クリストファー・クレメンテ Cristofer Clemente(Rand、スペイン) 5:44:38
3.ルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret(HOKA OneOne、フランス) 5:55:49
4.ティボー・バロニアン Thibaud Baronian(Salomon、フランス) 5:55:49
5.コディ・リンド Cody Lind (SCOTT、アメリカ) 5:59:54
7.三浦裕一 Yuichi Miura(montrail / MountainHardwear、日本) 6:44:13―金
8.町田知宏 Tomohiro Machida(日本) 6:53:10―銀
9.ノ・ヘセオン Heeseong Noh(韓国) 6:56:47―銅

ULTRA(ウルトラ・スカイマラソン/±3500m/54km)女子

1.カロリーヌ・シャヴェロ Caroline Chaverot (HOKA OneOne、フランス) 6:27:09
2.スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha (ネパール) 6:52:30―金
3.モー・ゴベール Maud Gobert (Adidas、フランス) 7:28:49
4.プルナ・レクシミ・ネウパリ Purna Leximi Neupani (ネパール) 7:45:00―銀
5.スーザン・チェプクオン Susan Jemvtai Chepkwon (ケニア) 8:16:05
6.ジ・ヘオンジュ Hyeonju Ji (Adidas、韓国) 8:33:38―銅

_dx_1667

国別ランキング

1.日本   金5 銀2 銅1
2.ネパール 金1 銀2
3.韓国       銀2 銅4
4.香港         銅1

大会ホームページ

photo by Sho Fujimaki